第50話☆泣き虫と円卓な騎士
ウラノーマはキュベリオスと同化しており、ハイパーマンから禁断の秘宝を奪い取り、更にはるなを取り込もうと迫った。
セレナは自らを囮にし、甲子太郎にはるなを連れて逃げるよう指示。狂いし地球の神が、終末に向けて動き出す……
こんにちは★
キレ散らかしたあと超展開になって記憶ぐちゃぐちゃなって気持ちのまた整理が付いてないはるなです。
わたしは、カッシーに抱き抱えられてひゃっほーと日本の北海道のマンション「ビア・ダテハコ」の205号室に連れてこられました★なになにまさか監禁されるの?
「ふいー、はるっぴ先輩意外と重かったですね!」
「ま、失礼な!」
ウラやんの料理をたらふく食べましたからね★まだ中身が出てないんですよ★緊張の展開が続いて便秘になってたんですよ★女の子のお通じはとっても繊細なの★ほ
カッシーは鍵をちっさなポーチから取り出し、ガチャリと扉を開けました。
「キキキ、しかし、危なかったですねーあれ」
「あれじゃわからん! 説明せい!」
「ウラやん先輩ですよ。あれは、もう、半分、神になってましたから」
「セレナが、キュベリオス様がどうとか言ってましたね」
「ええ、まさか煌魔の器の目的がいつの間にか達成されてるなんて誰が予想できたでしょうか」
「目的?」
「あれー、聞きませんでしたか? はるっぴ先輩~私達が生み出された目的」
「あー、マリアージュ様を転生させるためでしたっけ」
「ウラやん適当に言ってますね! おいおい、ちゃんとはるっぴパイセンに話してないなー? 雑かなー? ちゃんと説明いたしますと、転生の依代にするのは、マリアージュ様のためだけじゃないです。他の高名な魔法使いも対象になってます。はるなさまやセレナさんは確かにマリアージュ様用ですが、ウラやんはキュベリオス様用につくられたんですよん!」
「ふうん、それはちゃんと言ってほしかったですね。マジで雑ですね。まあ、岡田たちみたいな男の煌魔の器がいたから気になってはいました。なるほどそういうことですか」
「んで、今のところ転生の適合がうまくいかず成功例はゼロだったんです。適合力が非常に高いはるなさんですらまだ、いや、はるなさんについてはローザルフ様が」
「ジジイがどうかした?」
「ああ、これは、秘密にしておいた方が良いですかねキキキ! ささ、積もるお話は中でいたしましょ!」
「はい、お邪魔します」
もったいぶらずに話せよな★
して、マンションのドアをガチャリと開け靴をきちんと外向けにおいて中に入ると、そこにはテレビや食卓や棚が整然と置かれている、漫画に出てくる理系大学生の主人公が一人暮らしをしていそうな、ごくフツーで平凡な部屋がありました、ただ、1点例外なのは、窓際から外を眺めている腕組みをした金髪の騎士のような服装の女性です。
「来たか」
「来ましたヨーン!」そう言ってピッと右手を挙げるカッシー。
この人は、2JJに侵入して近藤さんのとこに行く途中で、エクスカリバーを持って立ちふさがった人だ★
「服部、さんでしたっけ?」
「はい。はるな殿、近藤さんを破ったのですね」
「はい」あの時の記憶は今はもうあやふやになってて、どうやって倒したのかほとんど覚えていませんが★
「無事で何よりです」
「なぜ、ここに?」
「ああ、緊急時であることを見越してここで待機しておりました」
「原田とキンタはどうなったんです?」
「それについては、後々(のちのち)わかります。まずは、このまま素性を語らぬのは失礼ですので自己紹介をいたしましょう」
腕組みをしたまま、青い宝石のように静かに輝く瞳が私を見つめてきました。凛々(りり)しさと可愛さが一体化した絶妙なバランスだね☆
「自分は、オルファリア=Verμ(バーミュ)=服部と申します。あなたと同じく煌魔の器にして、ローザルフ様の直下諜報部隊に所属するものです」
「ん、ジジイの部下? じゃあ、ミブロ新選組に味方してたのは」
「はい、そこの伊東と私はスパイとしてあちらに潜入し同志となった裏で、密かにその動向を伺っておりました」
「あー、二重スパイみたいな感じですか」
「実に察しが良い。自分らは、近藤さんらの動向を監視するのと同時に、ウラノーマ殿がどう出るかも秘密裏に探っていたのです」
「じゃあウラやんはマジであなた達のこと何も知らなかったってわけですね。泳がせてたんや」
「ローザルフ様も、ウラノーマ様の最近の変化については気にしていました。日本での魔法少女としての活動についても、魔王の配下になりすます指示をした後の行動についても、いくつか不審な点があったとのこと」
「そうですか。つか、あのジジイそこまで読んでたならもちっと対策しろよな」
「あのご大老であっても、この度の一見は流石に予想外だったのでしょう。だよな、ニーフェ」
「キキキ、キュベリオス様との同化なんてフツー読めんでしょ! ちなみに、あの場ではるっぴパイセンまでアレに取り込まれてたら、たぶん終わりでしたよ! マジで世界滅亡レベルの完全終了一完の終わりってヤツ!」
「おそらく、そうだったろうな。ところで」
「キキッ、どしたん?」
「そろそろ仮面をはずしたらどうだ? 大先輩に素顔を見せぬのは失礼だろう?」
「キ、キッ!?」それを聞いて、急に挙動不審になるカッシー。
「はずせ」ギッと睨む服部の眼光が怖い★
「……キッ、わかりましたよー」
お、カッシーが自らの仮面を掴んだ。ついにそのご尊顔が見れるのか☆
「……ぅ」
パカッと仮面を取ると、その下にあったのは意外とおっとりした感じの顔でした。そして、私を見るなりひゃうっと声を上げると、その場で見事なジャンピング土下座をかましました。
「ごめんなざい! ごめんなざい!」
「おぇ?」
「今までのご無礼どうかどうお許しくださいぃ!わ! あのときは大変なそそうをいたしました! 暴言はいてごめんなさい! 攻撃してごめんなさい! 蹴りまくってごめんなさい! まくるとか言ってごめんなさい! どうももうじわげありまぜん!」
うわ、畳み掛けるような謝罪の上ギャン泣きしてるじゃん★なにこのキャラ変ぶり★ビックリ唖然ですわ★
「ゆるじでぐだざい~! わだじわだじ、はるな先輩に嫌われるの死ぬほどツラいでず! 嫌われだぐないです! あくまでも仕事だったんです! そうするじかなかったんでず! でも、やったことはやってしまったわけで、やっばり申し訳なさずぎでずよね! やっぱ許ざれませんよね!? うわーん!」
「あ、いやそこまで謝らなくても。でもあの時助けてくれましたし、おおよそ事情も分かったので、あれはもうチャラでいいですよ」
「ほ、ホントですか!? こんな愚かな許してくれるんですか!?」
「はい」
「わぁあー! はるな先輩やざじい!! こんなふつつか者の私を、こうも寛容にお許しくださるなんて!! その尊大さに感謝の言葉もありません!! うわーん!」
結局泣き続けるんかい(;´д`)
「すいませんね。 この子は、伊東甲子太郎と名乗っていますが、本名(本名)はニーフェ=Verμ(バーミュ)=伊東と申します。魔術師として非常に優れた能力をもっているのですが、仮面を取るとこのような気弱な泣き上戸に変貌しまいまして。と、言うより、どちらかと言えばこちらが素と言うか本性でして、仮面を被ったときのみに内在する狂暴性を発揮するようになっていると言う感じですね」
「あー、つまり仮面つけたらハイになる、いわゆるマスクハイ的な感じですね。じゃあ、とりあえず今のカッシーは無害って考えていい感じですか?」
「そう思っていただいてよろしいかと。はるな殿の事は同じ仮面の魔術師の先輩と言うこで、大変尊敬しているのですよ」
「ん、わたし普段仮面なんか付けてませんけど?」
「ああ、記憶が無いのでしたね。以前のあなたは、うさみみフードを深く被り、仮面をかぶった正体不明の魔術師として、敵対するものに恐れられていたのです。全身を赤系てかためていたことから《断罪の紅兎》とか《レッドラビット》とか呼ばれていたのですよ」
「ふーん……」
やっぱり、おかしい。
今の話が本当なら、わたしの知らない「わたし」は、真実を語っていない。矛盾がある。少しづつ見えてきたようなそうでもないような★
「いや、あの、とりあえず、あなたのことはよーくわかったんで、そろそろ涙を拭いてくださいなカッシーさんよ」
「私を、まだそう呼んでくだざるのですね! 大変なご無礼をはだらいた愚な私めにこのようなご慈悲をいただけるなんて、わだじうれじいでずぅー!」
「鼻水めっちゃ出てる! ほら、ティッシュティッシュ!」
机にあったボックスティッシュからピュッと数枚のふんわり素材のティッシュペーパーを引っこ抜いて差し出すと、カッシーはそれでズビーズバーチーンと鼻をかんで、やっとこ泣き止みました★ホント世話のかかる子ですねえ(;´д`)
「それで、服部さん、大変なことになりました」
「うむ、詳細を話してくれ」
☆かくかくしかじかしかじかじか☆
ここまでの経緯を、カッシーはわかりやすく話してくれました☆
「……ふむ。それは、余談を許さない状況ですね。はるな殿、キュベリオス様は【ネル・モノリス】を手に入れたのでしょう? あれは、異界の者よりもたらされたと伝わる、触れた者を急速に進化させると言われる禁断の秘宝。メナ殿がハイパー・マンになったように感覚や意識を飛躍的に増大させ、大いなる力を得るといいます。しかし、禁断の秘宝としてディマダ霊廟に封じられていたのは、その力が危険なものであるため。かつて、とある大国の王が、あれを使い、今回のハイパー・マンのような怪物を作り出し、エンターライズ全土を我がものにしようとしましたが、その代償はあまりにも大きかった。制御不能になった化け物は、王を喰らい、その国を跡形もなく滅ぼした」
「こわ」
「セレナ殿はよくあの異形の者を制御できたと思います。おそらくメナ殿のパスを利用したたためと思われますが」
「パス?」
「はい。煌魔の器は、同じシリーズごとに、魔力核を繋ぐパスが埋め込まれています。これにより繋がれたものどうしなら言語を使わず会話したり、魔法の受け渡しなどができます」
あ、それウラやんが言ってたやつか☆
記憶無くなる前のわたしが魔法のいくつかをウラやんに預けたってやつは、多分そのパス機能を利用したんですね☆便利そうだけど、猿にマイクロチップ埋め込む実験みたいな感じがしてちょっといい感じしないなあ★あのクソジジイ、マッドサイエンティストみたいなマネしやがって★
「その機能のひとつとして本人の許可があればパスがつながる相手を遠隔操作することもができるのです。我々(われわれ)の間では《マリオネット》と呼ばれています」
「それちょっと怖い能力ですね。操り人形にできちゃうんですか? なんかセレナは色々やっちゃいけないことに手を出しまくってますね」
「進化の秘宝を使う事は確かに禁忌の法でした。しかしそれだけ切迫した状況なのも事実だった。セレナ殿は何とかして地球を救うため、やむを得ずその手段を取ったと言うのが本音でしょう。残念ながら、あの方の判断は裏目に出てしまい、状況は悪化してしまったようですが」
「その、わかっていたのに、あなたは止められなかったんですか? なぜ、近くにいるのに止めなかったのハイパー・マンを生み出すのを止めなかったの?」
もうあの時の怒りも落ち着き、無意識にやってたバトルスタイルももう思い出せないけど、アロンダイトとか言う剣何で出せたかわからないけど、ママの事はやっぱ思い出すとすごくつらいから、思わず服部を問い詰めてしまいました★
「申し訳ありません。セレナ殿もメナ殿も強固な意思を持っておられましたので、我々の方では到底止めることができませんでした。ただ、失態であるのは確かなこと。我々が至らなかったこと、心よりお詫び申し上げます」
深く頭を下げる服部★そして、またスライディング土下座して泣き始めるカッシー★
「うぇぇぇ! ごめんなざいぃぃ! わたしのぜいでお二人をあのようなごどにじでしまっで! あやまっでもあやまりぎれまぜんん! うぇぇぇぇ!」
「いやあのカッシー、あらゆる汁だして泣きすぎやろ。よく身体の水分無くならないですね?」
「だっでぇ! わだじが何もできながっだぜいで、はるなさんが信頼をおかれていたお2人をあのようなことになってしまって!」
「ほれティッシュ! こんな泣きまくってたらお買い得大容量箱ティッシュでもすぐなくなりますよ! こっちもこれ以上責める気は無いんで泣き止んでください」
「あ、ありがとうございまず! かたじけのうございます! もうじわけございませんズピー! チーン!」
「話を戻しますが、はるな殿、メナ殿であれなのです。神に近しいキュベリオス様があの進化の秘宝【ネル・モノリス】を自らに使ったらどうなると思います?」
「うー、とりあえず、すごーくヤバい予感がしますね」
「そうです。何を目的にしているかはまだはっきりとはしませんが、地球はおろか、エンターライズや魔界までも震撼させる至極強大な力を得て、暴走する可能性が危惧されるのです。」
★★ゲ★ロ★ヤ★バ★★
それがマジなら魔王なんざ子供だましに感じる、ラグナロクを優に超える規模の大災害じゃねえかよ★★
「それは、急いでなんとかしないといけませんね! 服部さんどうしましょう!?」
「第一の問題として、キュベリオス様の所在がどこなのかがまだ判明しておりません。まずは居場所を見つけなければならない。しかし、それは、セレナ殿がハイパー・マンを使って探そうとしたくらいに、たいへん難しいことでありまして」
「あー」
セレナも目を真っ赤にして必死にさがしてたんだね★やり方は間違ってたけど、きっと悪魔に魂を売ってでも世界を救おうと考えていたんだね★つーかジジイ達エンターライズのお偉いさんは、この2名をスパイとして送り込んだ以外何もしてないのでしょうか?★だとしたらクソですね★クソですね★クソックソです★クソクソのクソ★
「うぅ地球の神なので地球まるごと破壊すればひょっとしたら阻止できるかもしれませんけど、それだと本末転倒ですしね」
「ニーフェ、それでも無理かもしれないぞ。神となったものは我々の想像し得る威力では倒せまい。おそらくはただ地球のみが失くなって終わりだ」
「ひぇー、雑なこと言ってすいませんでしたー!」
「ニーフェ、そんなことでいちいちスライディング土下座するな。まともな案が無いのはこちらも同じだ。まずは、お2人の帰りを待とう」
「え、他にも誰かいるのですか?」
「ああ、はるな殿。実は原田殿と新美殿もこちらに来ています。」
「なんで? まさかあいつらもスパイだったの?」
「いや。あの方たちは違います。詳しくは本人から聞くのがよろしいかと」
備え付けのテレビで、しばらく「丸々太った秋田犬2連発(再)」をまったりどんよりした気持ちで視聴していると、服部さんの言う通り原田とキンタがコンビニ袋を持って部屋に乗り込んできました★つーか、何か2人ともラフな格好に着替えてるし★原田にいたってはTシャツにコンビニ袋とか、ブラック企業社員の休日の姿みたいだし★
「おっ局長! 無事やったんやな!」
「あの君たち、いきなりですけど、まずなんでこうなってるんですか? あの時戦ってた相手と一緒にいるのはどうしてなのですか?」
「はるなさん、実はあの後、僕たちはほとんど戦わなかったんス。原田が土方さんのことなどいろいろ気になってたみたいで、それを服部さんに聞いたら、剣を納めて事情を話してくれたんッス。その後は、はるなさん達にもしもの事があった時のためにここで待機していたわけっす!」
「ふーん、そうだったんですか。ひとまずキンタと原田が無事でよかったですよ」
「気にかけていただいて感謝いたします。局長のほうも無事で本当に良かったッス! それで、土方さんと近藤さんとメナさんはどうなったんスか?」
「実はですね…」
と、カッシーがおどおどしながら何があったかを説明してくれました。それを聞いてキンタはあごに手を当てて床を見下ろします。
「……そうですか、メナさんはハイパーマンにされてしまいましたか。そして、土方さんは、キュベリオス様と同化していた?」
「なるほどなあ! なんか前々から副局長には違和感があったんやけど、ようやくその正体がわかったわ! やー何かスッキリしたで!」
「なに脳天気な事言ってんだよ!! メナさんが死んだんだぞ!? 取り残された近藤さんがどうなったかも心配なのに!!」
「キンちゃんは優しいね! けど、近藤さんは、【ネル・モノリス】を勝手に持ち出してるやろ? あれは、すっごい重い罪なの知ってるやろ? しかも、それをメナさんに使ったんやから、生き残ったとしても最低死刑ってかんじや。 それに、あの人は根が侍やから、計画が頓挫した以上は潔く死のうと思ったんちゃう?」
「いくら仲悪かったからって、敵対してたからって、そんな言い方あるかよ!」
「いや、あの人がそんな簡単に死ぬわきゃない思うてるから言ってるんやで。近藤さんのタフさはキンちゃんもよーく知ってるやろ?」
いや、わたしの攻撃で、あの時のセレナはかなりダメージ喰らってたんですよね……とは言いづらい状況です★★
「それより今は副局長の方が問題や。うーん、ごめん! なんもいい案が浮かばへんわ!」
「早っ!」と、即ツッコむわたし★
「もう少し考えてくださいよ!」
「局長、いい反応あんがとな! 漫才師の才能あるかもしれんで! いやなー、これはただ、卓を囲ってうーんうーんて唸ってなんか建設的な意見が出てくるような話ちゃうやろ? 最低でもかなりの識者を交えて意見もらわんんとウンともスンともいかんて。あー、せめてこういう時あの人たちががいてくれたらなあ」
「誰です?」
「ひとりは山南さん。煌魔の器のブレイン的存在やったんやけど数年前に亡くなってしもた。もう一人の頼りになる人も」
「もう一人?」
「ああ、いや、これを今言うのはアレやな」
「いや、そこまで言ったら分かりましたよ。中途半端に隠そうとしなくていいです」
「すまんな、局長。あの人、メナさんは、いつも落ち着いていて、みんなのまとめ役だったんや。毎度、的を得た意見をちゃんと出してくれてな。しかも、近藤さんと違ってとっても優しい人やったし」
うう、会いたかったな。
あの時わたしの手で殺しちゃったのか最後にウラやんがとどめ刺したのか微妙だったけど、ママに自ら手を掛けようとしたのは確実なのですごくつらい。ママ、助けられなくて本当にごめんなさい。さっきのカッシーよりもわんわん泣きたい気分ですが、今は涙を我慢(がまんしよう。
「ユー、局長を悲しませるなよ!」
「いえ、いいんですキンタ。記憶がないので、どんな人か聞けるだけでもありがたいです」
「はるなさん」
「キンタ、あの人は、メナは、とても尊敬できる人だったんですね」
「はい! 悪いことを言う人がいない、とても聡明で素晴らしいお方でした!」
「そうですか」
私がそう言って小さく微笑むと、横でカッシーがまたわんわん泣き出しました★あー、この子と一緒にいるとBOXティッシュでもすぐ無くなるわ★
PPPPP
ん、何か通信機器っぽい音が聞こえる。
ブォッシュフォンブォッシュホン
ズドローヤズドローヤ
オイオイワイワイゲンドロフェン
続いてなんか謎の民族っぽい歌が流れてきた。
「もしもし」
服部がポケットからスマホあるいは携帯電話らしき通信機を取り出しました★今の着メロだったのかよ★新喜劇かよ★
「もしもし、はい、はい、無事ご存命です。ただ、いま側におります。かわりますか? はい、わかりました。はるなさん、ローザルフ様からです」
「え、話したくない」
「そうおっしゃらずに」
しぶしぶスマホらしきものを耳に当てます★
「ちゃおー! はるなげんきー? そしてバーカ!」
「おいこら、何がいきなりバカじゃこのエロうん○! 元気なわけねーだろ!!」
「ごみん、んじゃそう言うことで! さっさと服部にかわってちょ!」
「それだけとかなめとんか! こちとら死人が出てんだぞ!」
「んなこた、わかっとるわい! だからテレホンしたんじゃろ?」
「あークソうざ!! はいはいかわるかわる!!」
思わずグッと大体スマホっぽいものを服部さんに押し返してしまいました。クールそな彼女も流石にちょっとビックリした様子で、キョトンとした顔をしています★記憶はほぼないけど、ジジイとはいつもこんなやり取りをしてた気がしないでもないなあ★つかぶっちゃけこの部分は思い出さんでもいい★つか死ね★
「……いえいえ。それで」
服部さんは電話越しに丁寧な口調で経緯を話します。わたしは、机に置いてあるお菓子「白い旅人」を原田と一緒に食べながら、その内容に聞き耳をたてます☆
「……どうしましょうか? はい、はい、わかりました。1週間後のガンムの刻にローエン大会議場に集合ですね? でも、我々は行っても良いのですか? 煌魔の器が公になりますが? ああ、はい、そうですね、そう了解しました。ここにいる煌魔の器全員でうかがわせていただきます。お電話いただきありがとうございました」
そこで、プチッと通話が終了しました★
わたしとのやり取りまじで時間の無駄でしたね★マジで無駄の極み★なお、「ガンムの刻」とは地球の時刻だと午前10時の事だよ☆ミ
「緊急招集かかったんやな」
「はい、はるなさんはもちろんのこと我々煌魔の器も含めてとのことなので、原田さんと新見さんもご同行いただきたく」
「アルバロスのど真ん中で緊急会議するんやろ? 秘匿の存在であるウチらを呼ぶってことは、あのクソジジもさすがに大事なのはちゃんとわかってそうやな! にしても1週間も後とかそんな準備が必要なんか?」
「ローザルフ様もまだ私からの情報しかないので、いろいろ、できるかぎり情報収集と整理をしておきたいのでしょう。密老院など他派閥への説明なども必要でしょうし。そういうわけで、出発までまだ時間があります。それまではご自由に」
「どうぞて言われても、5人になるとこの部屋狭苦しくないか? ちょっと外の空気吸ってきていい?」
「いや、原田殿はついさっきまで外出してたのでは?」
「いや、せっかくだからはるな局長に北海道の名所案内でもしようと思ってな!」
「なるほど」
「服部さん、こいつの言うことを真に受けないでください! どうせゲーセンとか行く気だろ!」
「まあまあ、かたいこと言わんと! 局長も札幌ラーメン食べたいやろ?」
「はい」メンタルやられてるし腹減()はらった★
「よし、局長には良い店紹介するで! 北海道うまいもんツアー開始や!」
能天気でアホな事を言う原田にホッとさせられたわたしは、それから数日間4人と修学旅行気分を味わったのでした☆うち3日は札幌の街で遊んで味噌ラーメン食べたのでちょっと元気が出ました☆
原田がコンビニで買ってきたのはカフェオレとポテチとトレーディングカードのパックです。
トレカは人気のがたまたま売ってたので衝動買いした模様。なお。ニコニコ現金払いのようです(*´ω`*)




