第47話 桂編 桂と桃井
今回は桂が主人公です!!
同じく日曜日~駅前にて~
僕は桂雄也、橘先輩の後輩っす。
今日は桃井ちゃんにプロポーズをするんだ!
その為にブランドもののダイヤの指輪を奮発して買ったっす。
いやあ、桃井ちゃんから遊園地に誘ってもらえるなんて嬉しいな~!
今日は勝負服のブランド物のスーツに腕時計、バッチリ決めてきたっす。あっ! 桃井ちゃんが走ってきた。
丁度10時だ!
「あれっ? 桂さんも待ち合わせですか? 」
桃井ちゃんはちょっと怒っているようだ。
「えっ? 桃井ちゃんが10時に駅前に集合って言ってたじゃないっすか? 」
僕がそう言うと桃井ちゃんは目を見開いて驚いていた。
「橘さんは? 」
「今日は高梨先輩と母校に訪問するらしいっすよ」
桃井ちゃんががっくりと肩を落とす。
「橘さんの代理で来たんですか? 」
桃井さんはため息をつく。
「桃井ちゃんが僕の為にチケットくれたって聞いたけど……」
橘先輩の話とはなんか食い違ってるな。
「橘さんを誘ったのにな……」
桃井ちゃんは残念そうに呟いた。
あの鈍感先輩! 桃井ちゃんが誘ったのは橘先輩じゃないっすか!
「せっかくだから2人で行こう」
僕はやさしく桃井ちゃんに言った。
「そうですね。せっかく来てもらいましたし」
桃井ちゃんはまだ落ち込んでいる。
「じゃあ僕の車に乗って下さい」
僕の自慢の車だ。
国産車だけどいいお値段したっす。きっとすごいと驚くはずっす……
僕は助手席のドアを開けた。
「はい。失礼します! 」
桃井ちゃんは僕の車を見たのに何のリアクションもなく普通に助手席に乗った。
あれっ? そういえば……僕の一張羅にも無反応だったよな。桃井ちゃんもしかしてブランドとか興味ない系?!
「橘さんもひどいですよね。私からのプレゼント失くしたり誘ったのに来ないなんて」
桃井ちゃんも僕の気持ちを知りながら橘先輩のこと言うなんてひどいっすよ。
「橘先輩は結構人の気持ちに鈍感だからね。気にしない方がいいっすよ」
そうにこやかに言ったけど、何で僕が励まさないといけないっすか。
「橘さん他に好きな人いるんですかね」
桃井ちゃんもかなりの鈍感な人だな。
「知りたいっすか? 」
僕は車のエンジンをかけた。
「はい」
桃井ちゃんは一瞬迷ったが意を決して答えた。
嘘ついても仕方ないし、本当のこと言うしかないっすね。
「実は権蔵っていう侍に取り憑かれていてね。その侍の初恋の人を探して恋愛しないといけないんだ。その初恋の人は笹野課長なんすよ」
僕は真実を告げたっす。
「ふふふ。落ち込んでいる私を励まそうと思って冗談言ってくれたんですね」
えー勇気出して言ったのに桃井ちゃん信じてないっす。
「いや、本当なんすよ」
何一つ嘘は言ってないっすよ。
「普通人のために恋愛する人がいますか? 」
うーん。桃井ちゃんの言う通りかもっす。
でも確かにいるんすよね。橘先輩という人が。
「橘さんは笹野課長のことが好きなんですか?」
桃井ちゃんは急に真顔になった。
「僕の見解だけど、両思いだと思うんす」
いつ見ても、橘先輩は笹野課長のことを見てるんすよね。
本人は気づいてないけど橘先輩は笹野課長のことが好きだと確信してるっす。
笹野課長も橘先輩にだけ対応が違うし、なんでお互い気づかないっすかね。
「ショックだな……確かに笹野課長、橘さんが残業した日に橘さんが寝てる時に毛布かけて、書類を代わりに終わらせていたのに私がやったことにしてくれって言ったんですよ」
桃井ちゃんがため息ばかりつく。
あれって橘先輩が1人でやったのかと思ってた。
「そうだったんすか?! 」
「はあー辛いなあ」
桃井ちゃんが明らかに落ち込んでいる。
「今デートしてるのは僕なんすから橘先輩の話を終わりっす。今からタメ口でいこうよ」
僕はめげずに桃井ちゃんににこやかに言った。
「で、デートですか? 」
桃井ちゃんは驚いていた。
「タメ口でね。遊んで気を紛らわそうよ! 」
僕は運転しながら言った。
「うん」
桃井ちゃんは戸惑っているようだ。
僕達は遊園地に着いた。
「まずはジェットコースターから乗ろうよ」
僕は有名なジェットコースターを指さした。
「そうね」
桃井ちゃんもニコッとしている。
僕達は遊園地を楽しんだ。桃井ちゃんはさっきまで落ち込んでいたとは思えないぐらい超笑顔っす。
「次は観覧車に乗ろうよ」
僕は桃井ちゃんの手をさりげなく握った。
「うん! 行こう! 」
桃井ちゃんは僕が手を握ったのを拒んでないようっすね。
僕達は観覧車に乗った。割と大きい観覧車っす。
「うわー結構高いね~」
桃井ちゃんが窓から下を見ている。
「そうっすね! 」
あっ今超良い雰囲気じゃないっすか!
今ならプロポーズをしても大丈夫かもしれないっす!
僕はカバンに入れていたダイヤの指輪を取り出した!
「桃井ちゃん! 」
僕の心臓がバクバク言ってる。
「なーに? 」
桃井ちゃんはだいぶ僕へのタメ口に慣れたようだ。
「こ、これ、受け取ってください!!! 」
僕は指輪の箱を開けて桃井ちゃんに見せた。
「ありがとう! 嬉しい」
桃井ちゃんは喜んで受け取った。
やったあ! これで、桃井ちゃんは僕のもの……
「男性からプレゼントなんて初めてよ! 私が今日誕生日ってよく知ってたね! だれにも言ったことないのに」
桃井ちゃんは誕生日プレゼントだと思ってるようっす……
まさか誕生日とは知らなかったっす……
今から誕生日プレゼントじゃないと言ったらガッカリするだろうし……
「僕は桃井ちゃんのことなら何でも知ってるっす! お誕生日おめでとう! 」
まあ、桃井ちゃんが喜んでるなら……いっか!
読んでくださりありがとうございます




