第3話 役
「とりあえず、國子が役を覚えなあかんわな」
刻子さんがそういう。
自分でも感じている。役が一切わからない。とりあえず、立直すれば上がれるってのと、ドラ?ってやつはある程度理解したが⋯⋯。先輩方が周りで麻雀をやってるのだが、ツモ?とかトイトイ?とかサンアンコー?とか⋯⋯本当に訳分からない。
帰ったら覚えなきゃな。
「そうですね」
天威が反応する。
天威は初心者じゃない───だから俺が来る前から部員みたいな感じで部室に居た───からいいな。役が分かったらもっと楽しいんだろうが。
「そもそも数え役満ってなんですか?」
「えーっとな⋯⋯島ちゃん、ホワイトボード持ってきて」
「はい」
島津先輩がホワイトボードを持ってきて、刻子さんが書き込み始める。
「とりあえず、麻雀には符って言うのと翻ってのがあるんやけど、符はまだ覚えんでええ。で、翻ってのを13個作ったら数え役満になるんや」
「なるほど」
「で、麻雀には役があって、 役を揃えることで翻がつく訳や。そんで、役にも色々あって⋯⋯例えば、立直は1翻、対々和が2翻みたいに、1つの役で得れる翻数も違う」
「はいはい」
俺はたまたま持っていたメモ帳に書き込みながら聞く。
「で、他に満貫、跳満、倍満、3倍満、役満ってのがあって、満貫は4~5翻、跳満は6~7翻、倍満は8~10翻、3倍満は11~12翻集めたらできる。点数については自分で覚えてや」
「で、役満は?」
「役満は数え役満以外は翻数やないんよ。いやまぁ翻数っちゃ翻数なんやけど⋯⋯。役満は、それを揃えたら成立するってやつ。国士無双とか大三元とか聞いたことないか?」
「ありますね」
有名どころだろう。国士無双なら本当にどこでも聞く。大三元もちょいちょい聞くが。
「国士無双はこれや」
一九①⑨19東南西北白發中 X
刻子さんがホワイトボードにそう書き込む。
トンナンシャーペーハクハツチュン⋯⋯これも結構聞くフレーズだな。
「これは、正確には13面待ちなんやけど、それは良くて。1と9牌と東南西北白發中の牌を幺九牌って言うんやけど、それを13種13枚+なんらかの幺九牌を集めたら成立するんや。一一九①⑨19東南西北白發ってなってたら待ちは中みたいに。で、ホワイトボードに書いとる形がなんで13面待ちかっていったら+の幺九牌はどれでもいいからや」
「なるほど、なんか覚えるいい方法ないですか?」
「アプリ麻雀やろな。M倶楽がええよ。いつでも役の確認できるしラグも少ない。俺が初心者にようお薦めしとるやつや。あっそれと通話アプリ交換しとこうか」
俺はスマホを取り出して刻子さんと繋がる。
アプリがあるなら万々歳だ。
「家帰ったら暇な時間あるか?」
「22時以降なら」
「ほな、その時間からやろうか。天威はどうや?」
おっ、先輩らとできるのか。なら、帰ったら役を覚えないとな。とりあえず、トイトイとサンアンコーってのを覚えよう。
「大丈夫ですよ」
「なら決まりや。最後に、國子。麻雀に正解はない。何を切るか何の役を付けるかは雀士次第や。そんな中でお前の中の最善最高をだせ。改めて、麻雀部にようこそ」
終局




