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オープン・ステージ  作者: 藤田 紗碧
39/55

2-27

「そうだな。市販の打ち上げ花火は迫力不足で盛り上がらないって事で、そっちにするか」

 俊太は目を凝らしてロウソクを見つけると、火をつけてコンクリートの上に立てた。

「暗くてよく見えないから、適当に選んでやっていこう」

 私たちは花火を持つと、その先端に火を近づけていく。

 シューッと勢いよく音を立て、火花がきらめくように舞った。

「わあ、綺麗!」

 火花の色が、緑や赤に変わっていく。

 花火が燃えている間はとても明るい。二人の表情も、この時にはよく見えた。

 少しすると花火が燃え尽きる。辺りが急に暗くなって、またすぐに次を見たくなった。

「手持ち花火って、なんか夢中になっちゃうよね」

 私は両手に一本ずつ持って火をつけた。

「あ、二刀流持ちだ! 僕もやろうっと」

 佳くんも両手に花火を持って火をつけると、円を描くように軽く振って見せた。

 残像で目がちかちかしたけれど、気持ちが上がって楽しくなる。

「それ、何でやりたくなるんだろうな」

 そう言いながら、俊太も二刀流で遊び始めた。

 二袋あった花火が、あっという間になくなっていく。

「最後の一本だよ。誰がやる?」

「僕はたった今つけたばかりだから、螢ちゃんがどうぞ」

「俺も今持ってるのが最後でいい。お前がやれよ」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 最後の一本を火に近付ける。

 近付けすぎたのか、ロウソクの火が消えてしまった。

「あ……」

「螢ちゃん、ほら、僕の火をあげるから、こっちに来て」

 佳くんが後ろから声をかけてきた。

「うん、ありがとう」

 返事をして、彼の花火に自分の花火を近付ける。

 しかしなかなか燃え移らず、佳くんの花火が終わる頃になって、ようやく燃え出した。

「ギリギリだったね」

 そう言って微笑んだ彼の笑顔にドキリとした。

 暗闇の中で花火に照らされる彼の顔はとても綺麗で――

 ――佳くんって、こんなに――。

 彼の顔が整っていることは、出逢った日から知っている。

 それなのに、どうして今夜は、こんなにも……。

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