表す国
注意!
自転車が喋るけど気にしないで!
「ねえ、メル。」
「なに〜?」
「そろそろ、リュック片付けない?」
深い森林をメルを乗せて走るシドは、毎日言っていることを提案をする。
「シドはまだわかってないね。」
「どう言うこと?」
「何かいいんだよ。こういうのは。」
「底から腐った缶詰が出てくるリュックが?」
「……。」
でこぼこした獣道を、図星を突かれたメルを乗せて、シドが走っている。
○
「旅人さん雑然美派ですね!」
門番が突然と大きな声で話しかけてきた。
「ざつぜんび?知ってる?」
シドがメルに聞く。
「知らない。何ですか?それ。」
「そのリュックのことですよ!ごちゃごちゃしているの好きなんでしょう!」
「よくわかりましたね。何かいいんですよ。」
門番はさらに大きな声で話す。
「それはおそらく予測できないのと予測できることの中間が好きなんでしょう!」
「そうなの?メル。」
「わかんない。まあそういいことでいいんじゃない?」
そんなことを話しながら、2人は国の中に入った。
その国はとても活気盛んで、人々の喧騒が飛び交っていた。
「それは多様性で。」「確かになあ。」
「モラハラが最近ひどくて。」「それハラハラだぞ。」
「そりゃあ人為的高確層の遠豪的損失だけどさあ。」「ほうらまた!」
と、何かに議論しっぱなしであったが。
「メル。すごい賑やかだね。」
「だね。ちょっとあれだけど。」
「あれ?」
「あれだよ。」
メルたちも周りの合わせるかのように、話しながら凄いと言われる本を求めて、本屋へ歩く。
喧騒は、夕暮れ時になるまで続いた。
とある宿で、メルは本を読んで、やけに感心していた。
「今回は何に感心してるの?」
「いやあ、凄いよこの本。“なんとなく”を一度も使ってない。」
「へえ。凄いと言われるわけだ。」
「ただ、わからない言葉も多かったけどね。」
「そりゃあそうだ。全部をちゃんとした言葉で表したんでしょ?」
「そう。」
メルは本を両手でパタンと閉じ、天井を眺める。
「もうちょっとなんとなくでいいと思うんだけどね。」
「じゃあ、逆にやってみる?」
「全部ちゃんと表すってこと?面白そう。」
シドは部屋をぐるっと見渡す。
そして窓の外を見つめる。
「じゃあ雨が降ると寂しくなるのはなんで?」
「なんとな……確か、気圧がうんちゃらかんちゃら?」
「できてないじゃん!」
シドは笑う。
次は、メルが部屋を見渡し、問題を出す。
「この部屋の狭さが丁度いいのは?」
「う〜ん……照明が満遍なく当たるから?」
「そうなんだ。」
「あてずっぽう。」
そう言った後、シドはなんとなく意地悪をしてみたくなった。
「じゃあリュックを片付けないのは?」
「なんとなく!」
メルは即答した。
表さなくっても、なんとなくでいいんです。
なんとなくそう思います。




