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09:精霊創造とマヤ

「私、聖獣カロン、ラルフ、マヤ・・・・護衛の数が3人と1柱になったわけだけど、これでもまだ足りないわね・・・・」


「最低でも護衛の数は10人くらい欲しいところですな・・・・」


 現在ワタシ達はラザ村の避難民を、この猫砦に移動させるための、護衛について話し合っているのだ。

 ラルフさんのお眼鏡にかなわなかったセリアちゃんとメルちゃんを、連れて行くわけにはいかないし、最も彼女らは未成年であるし、初めからその頭数には数えてはいないつもりだ。

 ワタシとフェリ姉ちゃんも、未成年に変わりはないが、お互いに特殊な境遇であり、護衛をするには問題がない。フェリ姉ちゃんは12歳にして、すでに一人前の魔術師だという。ワタシは剣の達人である、ラルフさんのお墨付きをいただいているし、なんなら数々の魔法を行使することも可能だ。

 それでもまだ護衛の数は、足りていないのだ。


「カロンの精霊を使うわけにはいかないんですか?」


 カロンは水の精霊や、風の精霊を創り出すことが出来る。精霊をいくつか追加で創れば、護衛の頭数が、足りるのではないだろうか?


『悪いけどボクはすでに多くの精霊を創り出してしまっていてね。それ以上の創造は困難なんだよ』


 この猫砦を守らせている、水精霊を連れて行くわけにはいかないし、いったいどうしたものだろうか?


『・・・・マヤが精霊を創造すればいいじゃないか? そのために君を護衛に推薦したようなものだしね』


「嘘! 貴女もう精霊まで使役しているのかしら!?」


「えっと・・・・精霊はちょっと・・・・」


 ワタシの魔法には、精霊を創造するような魔法はない。いや・・・・もしかしてカロンは、ワタシに森羅万象のスキルを使えと、言っているのではないだろうか? 確かに森羅万象のスキルを使えば、精霊を創造するような魔法が習得できるかもしれない。

 でもそれじゃあいったいどんな精霊を、創造すればいいのだろうか?


「例えばですが・・・・どんな精霊がいたら役に立ちますか?」


『出来れば土の精霊がいいね。土の精霊は防御に特化しているし、護衛には打って付けだからね』


「なるほど・・・・土の精霊ですか・・・・」


 確かに土の精霊は岩の壁を造ったり、逃走経路である道を切り開いたりと、護衛には打って付けなのだろう。


「ちょっとまって! もしかして貴女、精霊を創造したことがないのかしら?」


「そうですね。まだ試したことはないです・・・・」


「はあ!? 精霊創造には高度な技術を要するのよ! それに消費魔力だって大きいんだからね!? 創れと言われてはいそうですかで創れるものじゃないのよ!?」


 フェリ姉ちゃんはそう言うが、森羅万象のスキルがあれば、不可能じゃない気もする。高度な技術だろうがなんだろうが、可能にしてしまうのが森羅万象なのだ。まあ精霊の創造に関する魔法が、ワタシのスペックを凌駕していたなら、失敗に終わる可能性もある。


『落ち着きなよフェリアンヌ。マヤに任せておけば大丈夫さ』


「聖獣カロンもああ言っておられますし・・・・ここはマヤ殿に任せてみてはいかがですか?」


「はあ・・・・。無理だと思うけどやってみれば?」


 フェリ姉ちゃんはため息をつき、諦めたようにそう口にした。


「それでは精霊を創造してみますね」


「わあああい精霊だ!」


「マヤの精霊はどんなのかしらね!?」


 ワタシの言葉を聞いた、セリアちゃんとメルちゃんが、わくわくした様子で、ワタシの精霊の誕生を期待する。


「土の精霊が創りたいな・・・・」


 ワタシが森羅万象のスキルを使い、そう願うと、土の精霊を創造するためのイメージが、ワタシの頭の中に描き出されていく。

 その魔法は土魔法の【土精霊創造】の魔法だ。【土精霊創造】の魔法は、土の魔力を集めることで、下級土精霊を1ヵ所に集め、1つにすることで、中級土精霊を創造する魔法だ。

 下級土精霊そのもの自体は、実体がなく力を持たないが、中級精霊になることで、魔法を行使できるようになるのだ。

 また中級土精霊は自ら魔力を補給し、半永久的に存在することが可能だ。ただその創造数には限りがあり、限界以上の精霊を創造してしまうと、命令を受け付けなくなってしまうのだ。

 土精霊は他の精霊とは違い、浮遊することが出来ないが、周囲の土や岩などを集めて、自らの体を生成することが可能だ。その姿は創造主のイメージで決まるという。

 どうせなら利便性があり、素早く移動が可能な、馬の形にするのがいいだろう。


「土精霊創造!!」


 ワタシが【土精霊創造】を使うと、土の魔力が地面から集まってきて、やがてぐにゃぐにゃと流動する泥の塊が出来上がった。やがて泥の塊は、馬の形になっていった。

 それは体高1メートル程の、小さな馬だった。


「嘘!? ありえない! あんた本当に初めてで土精霊を創造してしまったの!?」


 フェリ姉ちゃんはその様子に驚くが、ネタバラシをする必要はない。彼女に森羅万象のスキルについて語るには、まだ時期が早すぎると思うので今は内緒だ。


 こうしてワタシの習得魔法に、【土精霊創造】が追加された。

 

 習得魔法一覧

  

  水魔法 【操水】

  土魔法 【操土】【操鉄】【結晶抽出】

  生命魔法 【身体強化】【治療】

  光魔法 【浄化】

  闇魔法 【黒渦】

  精神魔法 【思考加速】

  植物魔法 【植物改良】

  合成魔法 【魔石操作】【突きの達人】


 そしてワタシの残り奇跡ポイントが消費され残り3となった。


 残り奇跡ポイント3・・・・


 馬の土精霊は、まるでひひひ~んと言わんばかりに、両前足を上げて、己の存在を主張する。


「すご~いマヤちゃん! お馬さんだよ!」


 そう言いつつメルちゃんは、土精霊の背中に乗り始めた。メルちゃんは身長が1メートルくらいだし、小さな土馬に乗るには丁度いい高さだ。


「こら! メル!」


 そんなメルちゃんを、セリアちゃんが叱るが、少しくらいなら歩いてあげてもいいだろう。


「土精霊・・・少し歩いてあげてください」


 ワタシが土精霊にそう命じると、土精霊は歩き始める。


「わああああい!」


 土精霊が動き始めると、メルちゃんはその背中で大はしゃぎする。その様子が微笑ましくて、ついつい笑顔になってしまった。


「あんた中身の年齢がラルフと同じだったりしないよね・・・?」


 そんなラルフさんとワタシを見比べながら、フェリ姉ちゃんがそんなことを言って来た。なんて失礼なフェリ姉ちゃんだ。ワタシは前世と合わせても、まだアラフォーには届いていない。

 そしてどうやらワタシの横で、同じくラルフさんもメルちゃんを微笑ましく見ていたようだ。

 

 その後ワタシは追加で3体の土精霊を創造し、土精霊は4体となった。

 お読みくださりありがとうございます!!


 マヨネーズが好きな方★

 冒険が好きな方★

 食べるのが大好きな方★


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