プロローグ
諸事情によりエリオンのステータスは爆上げです。
数がずれていました。
申し訳ございません。
――――――――2024年大流行ゲーム【Alternative Heroic Online】略してAHO。
この年に発売されたVRMMOゲームでフルダイブ機能初のゲームだ。
新たな技術の進化で仮想空間にダイブしてキャラとして遊べるゲームとしてAHOは瞬く間に広がり知らないものは極わずかでプレイヤーは全世界中で何千万もの人が遊んでいる。
殆どの人が、それこそ子供から大人までがハマったゲーム。一つの国だけではなく多くの国で遊ばれるそのゲームの内容は”大規模RPG”メインは各プレイヤーはまず自信のキャラクター姿とクラスと名前を決め異世界【アースガルム】に転移し、ギルドを創設するかどこかのプレイヤーが創設したギルドに所属しダンジョン攻略をする。
二つ目のプレイ内容は、ギルド間戦争
-------------《英雄競争》
3ヶ月に一度行われるギルド総戦力がランダムのフィールドでしのぎを削る、最強ギルドを決める世界大会。
このパンテニウムで勝つことで勝ったギルドは領地を得て町を経営することが出来、自身等の町ではその恩恵がより多く受けられる。そこでのクエストを受ける時に報酬などが良くなる。またダンジョンを領地に含む場合は税を取れる。
大会の結果におおじてのアイテム配布などもある。さらに大会に良き結果を残すとppを貰える。player pointと言われるこれは現実世界の金に換金することができる。
これがAHOが世界中の人がプレイする理由のうちの一つだ。
このゲーム内において《最強》ギルドは《至高》と呼ばれる。2位から5位はそれぞれブラック、プラチナ、ゴールド、シルバーと呼ばれる。
スプリームからシルバーまでのギルドは《試練の塔》に登ることが出来る。全50階層からなるこの試練の塔を登り着ると、第2jobの解放と自身のクラスをexにあげることが出来る。
さて前置きはここらにして、ある時からスプリームの座を取り続けるギルドがある。
その名を----------《円卓の王冠》
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やぁ皆さん、俺は冴えない独身26歳のサラリーマン武宮進也ですよー!
「自分で思ってて悲しくなってくるな…俺は一体何を言ってるんだろうな?」
こんな時はAHOだよなぁ~。最近はバベル登るの飽きてきたんだよなぁ。しかもアイツらのログイン率減ってきてるし。みんなそれぞれ忙しいのは分かるけど辞めちゃう奴いるのかなぁ?
そうそう、あいつらってのは俺ら《円卓の王冠》にいる《円卓十二席団》なんて呼ばれる幹部のゲーム仲間だ。
今日からAHOで新たなシステムとクエストが増えて、そのため大型アップデートが来ていたのだがどうやらそれも終わっていたらしい。
--あいつらも今日は来るかな
そんな思いも込めてゲーム機本体のヘルメットを被り仮想空間にアクセスして、カセットを起動する。
----英雄の資格を持つものよ
----貴方を異世界に転送します
----宜しいですか?
聴覚に今まではなかった透き通るような女性の問いかけが聞こえてきて、目の前にシステムウィンドウが現れる。
《YES/NO》
これが新しい設定か、と想いつつもちろんYESを押した。
前までとは違う意識が遠くなるような感覚を覚えながら俺はログインした。
__________《至高》ギルド《円卓の王冠》が創設者兼ギルドリーダー《円卓十二席団王》エルミリオン·グラン·ブライト·ペンドラゴンとして。
意識が落ちる直前に頭に「期待しています」と聞こえた気がした。
気がついたら森の中にいた。生い茂る木々と太陽の光を反射する泉。その光は輝く金糸のようである。枝葉が風で揺れる音、鳥のさえずり、それらは心落ち着かせ、命の力が感じられる。
「何処だここ?」
そんな森の中で俺こと武宮進也、キャラ名エルミリオン·グラン·ブライト·ペンドラゴン(これ以降は愛称エリオンとする)は疑問の声をあげた。
自身のログイン時の場所はギルドリーダー室であったはずだが、何故か森の中である。それに加え常に自身の視界右上に表示されていたはずである、HP、MP、マップや時間と言った物が表示されていない。
「いったいどうなってる」
何かがおかしい、そう直感した。確固たる証拠はないが俺にはそう思えた。とりあえず歩き出し泉の手前まで歩き水面に映る自身の顔を見る。
「あいも変わらず、美青年だよな」
やはりと言っていいか、その顔は26年間見続けた顔ではなく3年程世話になった顔だ。明るいライトブラウンのソフトな髪に、高い鼻、知恵を感じさせるペールアクアの瞳。明るく優しそうな印象を与えるイケメンだ。それすなわちエリオンの顔だ。
「僕が元からイケメンなわけないしな」
この顔はカッコつけた名前に合わせて作ったゲームのようなイケメンキャラだ。因みにこのキャラになるとキャス作りを意識し過ぎて常に丁寧かつ一人称が僕になるのだ!そんなことはさておきステータスについて確認するかと思い念じる。
ステータスオープン!
種族 【人族/異世界人】
性別 男
クラス firstjob【英雄】secondjob【王】
Lv 1000
HP 9999999/9999999
MP 9999999/9999999
STR 7340000
DEX 5958000
VIT 6312000
AGI 7190000
INT 6597000
LUCK 765320
【アクティブスキル】
剣技↩ 槍技↩ 弓技↩ 刀技↩ 二刀流剣技↩ 短剣技↩ 盾技↩ 闘技↩ 棍技↩ 斧技↩ 騎乗技↩ 糸技↩
移動系スキル↩ 目視系スキル↩ 察知系スキル↩
無属性魔法↩ 火系統魔法↩ 水系統魔法↩ 風系統魔法↩ 土系統魔法↩
雷系統魔法↩ 氷系統魔法↩ 光系統魔法↩ 闇系統魔法↩
強化魔法↩ 精霊魔法↩ 死霊魔法↩ (天体魔法↩ 付与魔法↩ 結界魔法↩ 空間魔法↩ 時刻魔法↩ 魂魄魔法↩ 紋章魔法↩ 幻惑魔法)
【EXスキル】英雄網羅 技能複合 君臨者 統率者
【パッシブスキル】
剣術↩ 槍術↩ 弓術↩ 刀術↩ 二刀流術↩ 盾術↩ 闘術↩ 棍術↩ 斧術↩ 暗殺術↩ 騎乗術↩ 調教術↩ 糸術↩
思考系スキル↩ 回復系スキル↩ 耐性系スキル↩ 遮断·隠蔽系スキル↩
【EXスキル】カリスマ 大賢者
どうやらスキルは最後のままのようだ。このスキルとステータス最強じゃね?なんて思うがこの世界の普通が【アースガルム】と同じか、ということだ。ステータスについて思考している最中に、キンッと音がした気がした。
-----【危険察知】範囲内に敵
普通に生活を送っているなら分かるはずもない、直感のようなものにしたがい少し離れた水際を見ると2匹のモンスターがいた。
-----ゴブリン
西欧において、イタズラ好きな妖精や穢れた精霊などと記されていて、ゲームなどにおいて緑色の醜悪な小鬼で描かれる。
ゴブリンは単体における強さはモブモンスター同然だが大概は10以上の群れでいることが多い。更に進化先や特殊なゴブリンも数多くいるためファンタジー物ではポピュラーなモンスターだ。
ゲームでは圧倒的なステータスにものを言わせて狩りまくって来たモンスターだが、それを前にして胸の動悸がおさまらない。
胸を抑えたまま、鑑定と心の中で念じる。
【ゴブリン】
レベル21
スキル 雑食 剣技Lv1
と頭の中に情報が流れてきた。ゴブリンの中でもどこにでもいる普通の個体だ。
油断せずに、されど実験も兼ねて気づかれていないのを利用し魔法スキルを発動する。
『炎よ 我が魔力を糧に 燃え盛れ』
唱えると同時に手に何かを練り込み送り込むイメージをする。ゲームではしっかりと『魔力』というものがプレイヤーに分かるようになっていて、魔法を使うのにもコツがあった。それと同じように実行すると体から何が抜けるような感覚と共に手のひらに拳大の火球が現れた。
手のひらを片方のゴブリンに向けて魔法の名を唱える。
『ファイヤボール』
拳大の火球は詠唱を唱え終わると同時にゴブリンに向かって発射されコンマ数秒後に着弾。
---------------燃やし尽くした。
相方がやられたもう片方のゴブリンは突然の敵襲に驚きはしたものの剣───どこからか持ってきたようであるさびかけた──を構えて突撃してきた。
「グギャッギャァァ!」
何かを叫びながらの突撃。小柄で速さのある突きが放たれるがすべて見えている。
「【武具召喚】
収納スキルから適当な剣を選択して取り出し、柄を握り構える。
「剣技 【ゲイルスライス】」
右で踏み込みそのまま右回転ステップしながら剣を薙いでそのまま抜き去るレベル1剣技【ゲイルスライス】。
剣士クラスの一番最初に習得している初級スキルだ。そして何故俺が剣士でもないのにこの剣技を使えるかと言うと【EXクラス 英雄】の恩恵だ。本来の習得者の3倍の苦労でEXスキル以外を習得できる。勿論、種族固有のものも扱える。
3倍の苦労と言ったが、モンスターを倒したりレベルが上がるとスキルポイントが貰えて、それを消費してスキルを覚える。
その消費ポイントが3倍なのだ。
まぁ、英雄クラスはゲームでも俺しかいなかったが。理由としては設定時の隠しコマンド的な感じで無職というものがある。そしてその上に遊び人、その上に英雄がある。
これは仲間にも開示していない情報だ。まぁ、無職になることが出来たとしても、英雄になることは出来ない。そもそもの話進化条件が厳しすぎるからだ。
その話はまた今度にして、俺は今確かな確信を得た。
─────────────ここは、異世界 だ
数分前まで曖昧だった疑問が、完全に解決された。仮想空間では感じられない、生命力と言ったものを、自身の体や自然、ゴブリンを殺したことで感じた。
確信づいたのはゴブリンを殺した時だ。些末な罪悪感と恐怖。リアルな命を刈り取る、感触。
それが否が応でも、ここが異世界だと確信させる。そして、
-----------------《条件を満たしました、称号【転移者】【異世界人】を獲得》
-----------------《条件を満たしました、【EXスキル 叡智】獲得》
-----------------《叡智と大賢者の獲得により、統合され【EXスキル 叡智の書庫】獲得、それに伴い、【叡智の使徒】を獲得》
「は?」
確信は世界によって確定された。
初級職の初期値の平均が100ないくらいです。
MAX5000くらいでしょうか