014.おにい、五十鈴、肉食系でもこれは無理だよ
なぜ、こんな展開に?
魔物とのバトルはどこですか?
今日の昼食は野ウサギの肉のステーキ。
若藻の料理の腕をフルに使った渾身の作だ。
「ん」
無い胸を張って、自信満々の若藻。
食えってことだと思うんだけど、本当に食えなのか?
マジで通訳者が欲しいぞ。
実際、普通に話せるので、聞けばいいのだが……。
「お、おにい、さきに食べて良いよ」
超肉食系の五十鈴がそんなことを言ってきた。
五十鈴、お前、肉大好きっ娘だろ。
「レディファーストだ、サクラ、食べろ」
俺は草食系じゃないけど、サクラに対してキラーパスとなるセリフを吐く。
「妾は、毒味役が食べてからじゃないと、食してはならぬと教えられておる」
インペリアルブロックを使ってきやがった。
どこのお姫様だよ!
って、大和の国のお姫様だよな。
「ん~~~♪」
美味しそうに、味付けをしていなくて、全く焼いていない本当のレアステーキをナイフを使わずにフォークだけで食べる若藻。
CTスキャンすれば分かるが、お肉は細胞を壊すことなく綺麗にカットされている。
マジで素晴らしい料理の腕だ。
って、さすがに、そこまで判断できねーぞ。
野うさぎのドロップ品の野うさぎの肉を切っただけの昼食だ。
ただ寄生虫がいないのは分かっている。
誰だ、若藻を買って使い込んだヤツは?
使用後で返品も出来ないし、売るにも二束三文。
そもそも、しばらくクロさんに関わりたくない。
若藻を使い捨てるには、情が移り過ぎている。
こっち方面、そう、料理関係で五十鈴が、躾が出来るわけもない。
正直言うと、もふもふさせてくれるだけで、ここにいてもいいくらいの娘だ。
本当にそれだけで、正規の金額を払ってでも、損はない娘だぞ。
五十鈴がビビッと来たとか言って【インダス】でお取り寄せしたドドリアさんの着ぐるみを着てなければな。
それだと、肌色率下がるし、もふもふ出来ないだろ?
もふもふだけじゃなく、もちもちした肌の感触も素晴らしいんだ。
もちもちした肌は、五十鈴もサクラもなんだけどな。
「サクラは、花嫁修行で家事が出来るんじゃないのか?」
変身後のザーボンさんの着ぐるみを着ている色気と可愛さが9割9分減のサクラに聞いてみる。
五十鈴さん、もうちょい部屋着を考えてくれよ。
「ああ、花嫁修行で習ったが、習った通りにしか出来んぞ。で、かまどはドコにあるんじゃ?」
オール電化ならぬ、オール電化風のオール魔力のキッチン。
使い方も分からないんだろう。
それどころか、調理具の区別がつかなかったのか。
サクラでそうなら、若藻もか。
で、若藻との生は気持ち良かった……じゃなくて、若藻は生でもOK…………でもなくて、生食でもOKだから、自分が美味しいと思うモノで、自分自身が出来る範囲で頑張ってくれたのか。
五十鈴が教えることも出来ないし……な。
「若藻、ちょっとおいで」
ダイニングテーブルに併設されている鉄板焼きの調理具の前に立って若藻を呼ぶ。
かなり本格的な鉄板焼きの調理具のミニチュア版って感じで、小さなお店なら、これでもOKだと言う感じの代物だ。
その鉄板焼きに手を乗せて、ドドリアさんの着ぐるみを脱いで真っ裸になった若藻が尻尾を振りながらお尻を俺に向けてきた。
「ん」
そういう意味で呼んだんでは無いのだが、3回戦目をしろってことなのか?
「若藻ちゃん、その格好はダメです。この場では、はしたないだけです」
さすがは、五十鈴さん、唯一の現代的な文明人だ。
そう言うと、五十鈴はウェアラブルディスプレイを操作しだした。
「これです。若藻ちゃん、これを身に付けるんですよ」
五十鈴の手にピンクと白色の布が現れた。
【インダス】を使ってお取り寄せしたんだろう。
若藻の後ろにスッと五十鈴は移動すると、その布を若藻に装着させた。
ここまでくれば分かる。
ピンクと白色の布は、エプロンとニーソだ。
エプロンは、いっぱいのフリルとハートマークのアップリケが付いていて、真っ裸の若藻にプットオンすることによって、男の浪漫、裸エプロンに早変わりだ。
さらに素晴らしいのは、丈がベストの長さだってことだ。
エプロンの裾の部分が、ギリギリ股下にくる。
見えるか見えないかのギリギリ感のバランスが重要だ。
若藻のピンクと白色のストライプのニーソと組み合わせた裸エプロンニーソ姿を前から見ると、アヴァロン如くの完璧な絶対領域がそこに顕在する。
ここは天国ですか?
って、実際、死後の世界だ。
俺の故郷の人間が死んだ後、転生し第2の人生を過ごすために調整された世界だ。
と言うか、五十鈴もフリーザさまの着ぐるみから裸エプロンニーソへと早変わりしてるし……。
「サクラちゃんのヤる気を見せるときだよ。五十鈴と若藻ちゃんもバッチリ手伝うよ」
サクラは、五十鈴からエプロンとニーソを受け取ると、早速、ザーボンさんの着ぐるみから裸エプロンニーソに着替えた。
みんな、がっつき過ぎ。
マジ超肉食系過ぎる。
と言うか、リアル生肉にがっつけ。
まぁ、それが出来ないから、現実逃避してると思うけど。
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ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
香りの良いワインでフランベして、クロッシュを被せる。
3人を相手にした生臭い臭いは、【生活魔法:消臭】でとっくに消臭済み。
「こうすることで臭みを取ったりコクや香りをつけたりすることが出来るんだぞ」
野うさぎのステーキの作り方を伝授。
基本は、鉄板焼きのプレートを熱して、肉に塩胡椒して焼くだけだ。
何も難しくはない。
「ん」
眉が逆ハの字になってるので真剣モードっぽい若藻。
「ほら、最初からやってみな」
そう言うと、ドドリアさんの着ぐるみから裸エプロンニーソに着替えて……って、熱せられた鉄板の上に手を置こうとしたので、後ろから抱き付いて止めた。
手の平には成長し始めたか、止まった胸がある。
思わず、もみもみと…………小さいながらも女の子してる胸だ。
ライバルの道場の跡取り息子にこんなとこ見られたら死闘が始まると断言できる。
「ん」
若藻は、お尻を振りながら、俺の相棒を挑発する。
いや、始めっからって、そこまで、戻らなくていいんだが……。
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ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
すっかり手慣れた感じで、香りの良いワインでフランベして、クロッシュを被せる。
3人を相手にした7回戦目の生臭い臭いは、【生活魔法:消臭】でとっくに消臭済み。
キリがないので、結局、俺が全員分の野うさぎのステーキを黙って作ってやったぜ。
そして、俺もまた食われる。
マジ超肉食系過ぎるぜ。
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