氷の罠
「うーーんどこまで落ちているんだ? これ」
モエルたちは雑氷が落としたであろう氷の粒を頼りに進んでいたが、たどってから一時間は経っている気がする。
「あっ! でもあそこで終わりみたいだよ」
ハジケが指を指しながら言う。指の指しているほうを見ると確かに氷の粒はもうなかった。
「何だぁ冬将軍の所まで続いているわけじゃないんだ……」
がっかりするモエル。
これをたどっていけば冬将軍の所までたどり着けると思っていたのになぁ……
「でも、モエルちゃん森からは抜けたみたい」
モエルたちは森から抜けたみたいだった。これは二人にとっては良い事だった。
「そうみたいだね。城というぐらいだからでかいだろうし遠くからでも見つけることができるな!」
「うん! そうだね」
森で彷徨うよりかは、森から抜け見晴らしの良い所で彷徨うほうが断然見つけやすい。
これなら冬将軍の城だってすぐ見つけられる……そう思っていたとき
シュン!
「むっ!」
モエルに向かって何かが飛んできたのだ。それをモエルは瞬時に姿勢を低くしかわした。飛んできたそれはそのまま木に突き刺さった。
「一体なんだろう?」
ハジケは近づいて飛んできたものの正体を確かめる。
「これって矢……しかも氷でできてるよ!」
「何だって!?」
氷と言うことは冬将軍の……
モエルが思考を凝らしているときだった。
「よく避けたな」
声がした。
「誰だっ」
モエルが声のした方を見るとそこには……
「あ、あいつは!」
「凍鬼を倒したことは褒めてやる……が貴様らは此処で終わりだ」
お師匠様を襲った奴がいた。あのとき凍鬼、冷鬼と一緒にお師匠様をあいつが……
モエルは怒りとともに炎を出した。あいつを倒さなきゃ!
「ふん、そんな炎で倒せると思っているのか? だが凍鬼を倒したお前たちは冬将軍様の脅威となるため、ここで死んでもらうぞ」
寒鬼がそう言うと数え切れないほどの雑氷がゾロゾロ出てきてたちまちモエルたちは囲まれてしまった。
「モ、モエルちゃん! 囲まれちゃったよ!?」
ハジケがあせったように言うがモエルは動じず……
「ハジケちゃん、落ち着いて。私が全員倒すから……」と言い寒鬼に向かって歩き始めた。
「モ、モエルちゃん!?」
「ほぉ、一人でか? ……やってみろ」
「こんのっ……! 行くぞ」
そして寒鬼の挑発に乗ってしまったモエルは一人で走って行ってしまう。
「モエルちゃん待って!」
止めようとするがモエルは聞いていないようだ。
モエルは寒鬼に向かって走っていく……が雑氷たちが立ちふさがる。
「行かせんぞ!」
「どけっ!」
だがそれを炎を出して殴ったり蹴ったりして、一体一体相手するモエルだったがまた雑氷たちが立ちふさがってくる。
「くそっ」
モエルが炎を出して攻撃しようとしたとき……
ドガーーーーン!
立ちふさがっていた雑氷たちが吹き飛んでいたのだ。何事かと思っていると、
「モエルちゃん無茶しすぎだよ!」
「ハジケちゃん……」
ハジケが爆弾(炎を球体状にして投げる攻撃)を投げて攻撃したのだった。
「この数じゃ一体一体攻撃するんじゃきりがないよ。ここは私の爆弾で雑氷を一掃するから
モエルちゃんは寒鬼の所に」
「そうだね…… ごめんハジケちゃん。頼んだよ!」
寒鬼のところに走り出したモエル。
「「「させんぞ」」」」
それを防ごうと立ちふさがる雑氷たちだったが……
「モエルちゃんの邪魔しないで!」
ハジケが爆弾で雑氷たちを攻撃し、一掃する。
ドガーーン!
(有難うハジケちゃん……)
モエルは心の中で礼を言うと、寒鬼に向かって行く。
「雑氷たちは使い物にならないな」
寒鬼は特にがっかりする素振りも見せず言う。
「冷鬼も凍鬼もそしてお前も仲間を使い物にならないって言うなんて酷い」
「ふふふふっ、本当のことだ。雑氷を此処まで集めたのはお前たちの体力を少しでも減らすためだ。
只それだけに作られたのだから」
「本当に最低だっ!」
モエルは寒鬼に向かって炎を飛ばすが寒鬼はそれを避けようとしなかった。




