古事記編5/5 ~ありがとう、またね~
「「はいどうも~。おてんとです。よろしくお願いします~」」
「ついに今回で最終回よ」
「言うほど長く続けとらんやろ」
「ここでお葉書を一通!」
「最後は誰やねん」
「ラジオネーム『匿名希望』 コンビ名の由来は何ですか?」
「いまさら!」
「由来は『お天道様が見ている』よ」
「お天道様=太陽神=あんた、の図式やったな」
「あと高天原のみんなで」
「みんな!?」
「他の誰も見てないとしても、私天照ちゃん達は見守っているわ」
「人が神の方を見とらん現代も変わらず、なんやな」
「その通りよ」
「それって監視されとるん?バチ当てるん?」
「私はバチを当てないわよ」
「ほんなら悪者を懲らしめるのは何に期待したらええんや」
「不幸な出来事は、当人の悪習が巡り巡って引き起こすの」
「そんじゃ逆に、善いことしたら御利益くれるん?」
「善い振る舞いは巡り巡って当人の幸せに寄与するけれど、それもノータッチね」
「なら何のために見ているんや」
「ただ見守っているのよ。こどもたちの成長をね」
「おかん気取りかいな」
「すべての命は太陽が生み育むのだから、私は全ての命の母ですもの」
「アンタ『母を名乗る不審者』に参戦するん!?」
「世界のすべてに見放されても我が子の味方、それが母の愛でしょう」
「現在じゃ『すべての母親がそうとは限らん』言われてまうで」
「だから一層、失敗も悪性も愚行も慈しむ私が見守るの
見守ってくれる存在がいると思うだけで、人は反省しやすくなるものよ
「そういうもんかのう」
「さて最終回は天岩戸のまとめね」
『笑いは世界を救う』
「前説から言っておったな」
「メンタル落ちるのも世界の危機も笑いで解決できるわ」
「本気かいな」
「古事記はそう訴えているでしょう」
「まぁなぁ」
「古事記が成立するより昔から、日本人は自然災害と向き合ってきたでしょう?」
「それが何の関係あるん?
「個人としても集団としても、天災を乗り越えてきた方法が『笑い』なのよ」
「そうなん!?」
「なんと現実世界でも、その実例があるわ」
「マジか」
「2011年に東日本大震災が発災した後に、世間は自粛ムードを作ったのよね」
「そら笑っていられる状況じゃないから、やろ?」
「その自粛ムードに当てられて余計にメンタル落ちる人も続出したわ」
「笑うこと自体が不謹慎、みたいな空気感やったな」
「その状況の中で“水曜どうでしょう”というバラエティ番組は、
発災の直後から予定通り放送する決断をしたの」
「鋼の心臓でも持っとるんか!
放送したらどないなったん?」
「他メディアからは『何を考えているんだ』という批判が、
被災地からは『おかげで生きる力が湧いてきた』
という感謝が届いたらしいわね」
「......活力を与えてるやん」
「笑いには負の連鎖を断ち切る力があるのよ」
「前向き思考スイッチONになるんか」
「だから笑いは世界を救う。QED」
「一説としては面白い。けど、にわかには信じられんで」
「信じなくてもいいわ。
『そうかも?』って頭の片隅に引っかかっていれば十分よ。
メンタル落ちた時にでも私天照ちゃんの話を思い出したら、
笑えること探しに集中してみてね」
「信じた人には、その分だけ世界が変わるんか...」
「ところで未熟から成長する本編も併せて“水どう”は神話性が凄く強いわよね」
「連中は祭りもやっとるし、ファンたちが神に押し上げるやろ。笑いと活力の神や」
「そうでなくても私天照ちゃんの『仲間にするコマンド』があるわ」
「となると現世の“あの4人“は現人神やな」
「高天原も今よりもっと面白くなるでしょうね、楽しみよ」
「いかにも藩士が悪ノリしそうやん。
『これは神の言葉です。おいパイ食わねぇか?』」
「オートバイ神社みたいに水曜どうでしょう神社を展開して巡礼したり、ね!」
「病院で水曜どうでしょうDVDが処方される未来も、あるかもな!」
「医師が『笑いは免疫を活性化させます』と真顔で処方箋を書くのよ」
「医療か布教かわからんくなるわ!」
「ここで『古事記には何が書いてある?』を総まとめの一言で表してみせましょう」
「どうまとめるんや」
「『そんなふうに生きて行きたいんだ』」
「そういうわけで、古事記はおもしろいで!」
「活かせるところは、今の時代に合わせて活用して欲しいわね」
「ちなみに明治の国家神道は一部が戦闘民族育成仕様になっとるで」
「さて本編はここで幕引きとさせて頂きましょう」
「スサノオの後日談くらい語ってもいいんちゃう?」
「え、あんな愚弟はどうでもよいでしょう?」
「あいつの成長だって古事記の見どころやろ!」
「冗談よ。スサノオは地上で英雄として活躍し、私天照ちゃんとも仲直りするわ」
「怪獣を退治して美人と結婚、男の子が大好きな展開やで!」
「そして最後!私天照ちゃんが最も伝えたいことをお伝えしましょう!」
「まだあんのかい...はぁ、最後やで?なんやねんな」
「80歳くらいは、まだ若い!」
「無理があるやろ!」
「人間は生きている限り未完成なの!
成長の余地があるわ!
どんな年齢でも若いわよ!」
「そうとでもしとかんと一万歳なんてババア...
ちょ、いやタンマ!タンマや!違う違うで!!
『60歳で還暦、赤ちゃん言うやろ?』やったわ!」
「...台本修正で念を押したこと、忘れたかしら?」
「い、いや待って!待ってぇな!
わ、わしが考えたんやないやろ!?元の台本に...」
「『私は若くて、修行不足だから、神が相手なら怒るわよ』」
「つ、つい、悪気はなかったんやて!
口が滑っただけなんや!あれだけはホンマ堪忍!!!」
「『つい口が滑って』は本音だから、最も本気で怒らせるのよねぇ。
――にこっ」
「つ、つまり・・・?
――ごくっ」
「有罪」
「あああああぁぁぁぁぁ!!!」
「ふふふ、よかったわね。神らしい失敗談が出来て」
「うにゃぁ...」
「まだ名前もないし、ちょうどいいわ。ここまで付き合ってくれた人々に、
『口は禍の元』ツッコミ猫神の名前を考えて貰いましょう。
命名式は皆で楽しく集まりましょうね」
「にゃ、にゃんでやねん...」
「それではさようなら。ありがとう、またね!」
~fin~
「ここまで観てくれたなら、みんなきっと私のことを“天照ちゃん”と呼んでくれるわよね」
「そいつは難しいやろ。アンタには大御神が似合っとるわ」




