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episode.20

ふと目が覚めると見知らぬ部屋の天井があるのに気づく。ぼんやりとした思考のまま、ふわふわの布団の気持ちよさに寝返りをうつ。すると近くですーすーと寝息が聞こえてきた。


視界が鮮明になると、隣には高宮さんの乱れた前髪が目に飛び込んできた。思わず叫びそうになるのを必死に手でとめると、まず服装を確認した。


少し乱れているもの、昨日と何も変わりないことに安心した。高宮さんは一向に起きる気配がない。私はもう一度横になり、高宮さんの寝顔を眺める。鼻筋がとおり、一見するとハーフかと見間違うビジュアルはまつ毛の長さなのか、薄い唇なのか…とにかく無防備な寝顔はいつもの色っぽさではなく、少し幼さが際立っていた。



全てのことを許す気も、受け入れる気もまだまだないけれど、高宮さんが私のところに戻ってきてくれた。夢かもしれないと思っていた。


けれど、目の前ですやすやと眠っているのは紛れもなく、ずっと会いたかった高宮さんだ。前髪を少し分けると高宮さんのきれいな顔がよく見える。



そのまま頬を撫で、きれいな唇をなぞる。次の瞬間腕を掴まれ、気づくと高宮さんが私を見下ろす体勢になっていた。



「た、高宮さん!?」



着ている服がはだけて目のやり場に困る。寝起きの高宮さんはいつもの5割り増しで色気が溢れている。恥ずかしくなり顔を背けると、首筋に柔らかいものがあたり、ちゅっと音を立てる。もう…高宮さんの顔が見られない! ギュッと目を瞑ると、更に唇が鎖骨あたりまで下がっていく。



「…んっ!」



思わず声がもれ、恥ずかしさで死んでしまうかと思った。



「…結衣…こっち向いて…」



高宮さんは少し掠れた声で私の名前を呼び、耳にかかった髪を撫で弄んでいる。これ以上は堪えられなくなり、高宮さんに向き直る。



「…も…ぅ、やめ…て…」


「…俺のこと煽ってんの?」


「ち、ちが…」



ごめん、いじわるした。と、高宮さんはもう一度布団に潜ると、私を後ろから優しく抱きしめた。



「…もう少しだけ…」



高宮さんは私の耳殻を唇でなぞると、耳の後ろ、うなじ、背中の浅い場所へとちゅっと優しく口づける。必死に声が出ないように手で口を塞ぐも、指の間から甘い声が漏れてしまう。



「はぁ…このまま俺のものにできたらいいのに…」



高宮さんは私の後頭部に顔を埋めてギュッと抱きしめ直す。…もういいのかな……これ以上、不安に思っていても何も解決しないし、前にも進めない…。選択肢は2つ…離れるか、一緒にいるか…。



「…結衣……愛してる……」



ドクンと心臓がはねた。私の心臓は、どうしても高宮さんに反応してしまう…。高宮さんの手にそっと自分の手を重ねる。多分、これが私の気持ちなんだ。


高宮さんに向き直ると、鼻先で視線がぶつかった。何て言えばいいか分からず、私はゆっくりと近づき高宮さんの唇を塞いだ。


はぁ…息苦しくなり唇を離すと、目を開け高宮さんを見る。すると、余裕の笑みで「…可愛い…」と私の頭を撫でた。



「もう、終わり?」


「お、終わりです!」



その後、1時間くらい抱き枕にされ、仕事があるからとお願いしてようやく解放された。ドキドキしっぱなしで心臓がもたない。時計を見ると深夜2時過ぎで電車も動いていないからと、高宮さんが車で送ってくれた。


別れ際、高宮さんは名残惜しそうに私を抱きしめる。前にも増して甘々になっているのは気のせいだろうか…。



「今日は帰すけど、次は覚悟決めてきてね」



そう言って別れのキスをする。愛おしそうに高宮さんが私を撫でる。




か、覚悟って!?

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