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花火が打ち上がる町

「ふぅ、大分遠くまで来たね」



ヘイベルの町を発ってから数日、私達は野宿を繰り返しかなり遠くまでやって来た

シロに乗って移動しているから馬車とは比べ物にならないほど移動距離が伸びた

この調子なら隣の国近くまで行ってもいいかもしれない



「国境を越える前に町に寄りたいな。となると……ここかな」



地図を確認して最も国境に近い町であるグローリスに向かうことにした

情報が全くないのでどんな町かは分からないが、敢えて行き当たりばったりの方が旅をしている感じがしてていい



「今度はゆっくりできるといいなぁ」



のんびりできることを期待しながらグローリスの町を目指して旅をする


それから2日後。日も落ちかけてきた頃、私達はグローリスが見える場所までやってきた



「あれがグローリスの町か。どんな町か楽しみだねシロ」


「アウッ!」



久しぶりの町。良いところだといいな


胸を躍らせながら町へ向かおうとしたその時、突然大きな音が鳴り響いた



「わっ!何事!?」



この辺からではない。町の方から聞こえてきた

砲撃音のような凄まじい音の後に何かが炸裂するような音

もしかして大砲か何かを使って魔物と戦っているのか?


町の様子を観察していると、再び砲撃音が聞こえてくる

2発、3発と立て続けに聞こえ、今度はこの目でしっかりと確認できた

上空に向かって勢い良く打ち上がるとそれは空に大輪の花を咲かせた。砲撃音の正体は大砲などではなかった



「なんだ、ただの花火だったか。てっきり町が襲われてるのかと思ったよ」



この世界にも花火があったんだなぁ

しかし花火が打ち上げられるなんて……ひょっとしてお祭りでもやってるのかな?


町に向かっている間にも花火は何発も打ち上げられていた

赤や青など様々な色の花火があってとても綺麗だ


シロの背に乗りながら花火を見ているとやがて町の門に到着する

通行許可を得る為、門番にギルドカードを見せるついでに話を聞いてみた



「すみません。先程花火の音が聞こえてきたんですけど何かお祭りでもやってるんですか?」


「アンタこの町に来るのは初めてか。この町ではあれが日常茶飯事なんだ」


「えっ、毎日花火を打ち上げてるんですか?」


「近くに鉱山があってそれがこの町の収入源でな。それを加工、花火にして売ってるんだ。要するにあれは試し打ちみたいなもんだな」


「そうだったんですか」



毎日花火が打ち上がるなんて変わった町だなぁ

お祭りじゃなかったのは少し残念だが……お祭りだったら毎日遊び歩いちゃいそうだし、ゆっくりするのにはこっちの方がよかったか


無事に通行許可を得た私達はグローリスの町に入り宿へと向かった




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