依頼主は
男達を連れてギルドへ赴き、依頼の詳細を聞かせてもらった後私達は宿へ戻った
「はぁ……今日は本当に色々な事があったな」
余計な体力を使ったし精神もすり減ってもうヘトヘトだ
早く部屋に戻って寝ようと階段を上がろうとすると、背後からイサムが声をかけてきた
「あれ、ハルカちゃんじゃん。今帰ってきた感じ?」
「……」
「なんだか元気がないみたいだけど大丈夫?」
心配しているようなフリをして近づいてくるイサム
それに対してこちらはキッパリと言い放った
「残念ですけどあなたの期待している展開にはなりませんでしたよ」
「え……え?急に何言ってるの?」
「あなたですよね。ギルドに嘘の依頼をして私を襲わせようとした人って」
こちらが真相を突きつけると、それまで平静を装っていたイサムの表情に焦り色が見えた
「な、何を言ってるんだ。どうして俺がハルカちゃんを襲えなんて依頼をしなくちゃいけないんだよ」
「あなた達従魔大会で優勝して聖獣オルステラの首輪を手に入れるのが目的でしたよね。結果その目的は叶わなかったけど、同じ宿に泊まってる私が優勝して近くに首輪がある状況ができた。そこであなたはギルドに嘘の内容で依頼して私から首輪を奪おうとした」
「何を根拠にそんな事を言ってんの。確かに首輪が手に入らなかったのは残念だけど……人を襲ってまで手に入れようなんて考えてないよ」
「あなたが犯人だという証拠は既に抑えていますよ」
「え?」
イサムにそう言うと、タイミングを見計らったように扉が開かれた
入ってきたのは先程の依頼を受けたという冒険者、ギルドの男性職員、そして黒髪眼鏡の女性
いきなりギルドの人達がゾロゾロと現れイサムは思わず後退りする
集団が私達の元まで来ると黒髪眼鏡の女性が口を開いた
「イサムさんですね。私はここのギルドマスターブロッサムです。何故私がここに来たか……理由はお分かりですね?」
「い、いや。全く思い当たらないが」
「そうですか。ですがこちらの職員は身に覚えがあるようですよ」
ギルドマスターと名乗ったブロッサムが後ろにいた冒険者達に目配せで合図を送ると、またギルドの職員を連れてきた
その職員は拘束されていて、顔が腫れていた
「この職員はあなたから金銭を受け取って依頼を受領したと証言していますが?」
「グッ……」
「一先ず詳しい話を聞きたいのでギルドまで同行してもらいましょうか」
「クソッ!フラッシュ!」
「ぬわっ!眩しい!」
ギルドに連行されることを恐れたイサムは、魔法で目眩しをしてその場からの逃走を図った
外にも兵士らしき人達を数人待機させていたようだが、イサムは曲がりなりにも勇者
数人程度は足止めすることも出来ず逃走を許してしまった
「逃げられちゃった……けどこれでもう襲われる心配はなくなったかな」
「おや?これは一体なんの騒ぎですかな?」
騒ぎを聞いて下りてきたのはイサムの仲間である2人
職員が取引した際はイサムのみだったらしいが、この人達も無関係とは断言できない
「あの人達が逃走した犯人の仲間です」
「なるほど、ではあなた達に話を聞かせてもらうとしましょう」
「へっ?どういうことですかな?」
来たばかりで状況が飲み込めないまま連れていかれる2人
あとの処理はギルド側に任せることにし、疲れ果てた私達はそのまま部屋に戻り眠りについた




