ゴブリン討伐
ランクアップ試験を受けることを決めた翌日、しっかり準備を整えゴブリンのいる場所を目指して町を出た
ゴブリンがいる場所は山あいにある洞穴、そこを縄張りにしている
報告に上がっているゴブリンの数は15体。しかしこの情報は前のものなので実際にはもっと数がいるかもしれない
そういう想定で動いた方がいいと、町を出る前にエリシアから教えてもらった
「地図によるとこの辺りだけど……あった、多分あそこだ」
崖になっている場所から人一人が余裕を持って入れる位の大きさの穴を見つける
暫く様子を窺っていると、醜悪な見た目をしたゴブリン達が出入りしているのも確認できた
エリシアの情報によるとゴブリンの生活リズムは人間と同じだそうで、日暮れと共に棲み処に帰るらしい
となると狙うなら全てのゴブリンが棲み処に帰った時。洞穴の中がどうなっているか分からないし、挟まれでもしたら絶対にテンパってやられてしまう
一人なのだからわざわざ正攻法で戦う必要はない。できるだけリスクは背負わずにゴブリンを倒す
他に出入口がない事を確認してから夜になるまで洞穴が見える場所で待機し、完全に夜が更けたタイミングで行動を開始する
「えっとまずは……五感強化」
具現化スキルで生み出したスキル。これによって五感が鋭くなり、視界の悪い夜でも昼間のように見える
身体能力向上のスキルで崖を下っていき、洞穴の前まで来たら次は魔法を使っていく
「アースコントロール、それから枝を重ねて……ファイアーボール。最後にエアシュート」
まずは土属性魔法で洞穴の入口に大きく深い穴を作り出し、拾ってきた大量の枝葉に向かってファイアーボールを放ち火を起こす
煙が洞穴の中に入っていくよう風属性の魔法で誘導し、あとは煙が充満するまで待つのみ
いかに魔物といえど酸素がなくなったら苦しくなって出てくるはず。出てきて落とし穴に落ちたところ確実に仕留める
洞穴に煙を送り続け待つこと十数分、複数の足音が聞こえてきた
「ギャギャギャギャ!」
叫び声を上げながら徐々にこちらに向かってくる
やがて自分の目でもゴブリンの姿を捉え、いつでも魔法が撃てるように構えた
「ギャギャッ!?ギャギャー!」
洞穴から出てきたゴブリン達はこちらの思惑通りに落とし穴へと落ちていった
這い出ようとする者もいたが、あとから落ちてきたゴブリンと衝突してまともに登ることができなかった
落とし穴に落ちたゴブリンだけでも全部で20体。やはり報告よりも数が増えていた
「ギャギャギャ!」
「うわぁ、やっぱりスライムと違って倒すのに抵抗感が……でもごめんね。私の生活の為にやられて!アースコントール!」
人に近い見た目をしていて少し躊躇したが、これも平穏な生活を手に入れる為と割り切り先程落とし穴を作る為にくり抜いておいた土の塊をゴブリン達に向かって落とした
これでほぼ全てのゴブリンは倒したはず。あとはまだ残っているかもしれないゴブリンを倒しに洞穴の中へと入った
五感を強化していたせいか中の臭いが酷くて苦痛だった。結局中に残っていたのは3体のみで、洞穴にいたゴブリンは全て討伐することができた
「あとは耳を剥ぎ取るだけ……エアカッター。うぅ、気持ち悪い……」
一体一体刃物で耳を切るのは色々ときつかったので風魔法を使って耳を切断
23体分の耳を袋に詰め終わった頃にはお日様が顔を出し始めていた
ずっと気を張っていたせいか、無事に終わったことで一気に疲れが押し寄せてきた
一休みしたいところだったがその気持ちをグッと堪え、眠い目を擦りながら町へと帰還した




