表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/3

守り神の帰る場所

ルシアン

 「この本とブレスレットを借りたいんですが」

司書

 「ええと。本の方は大丈夫ですがブレスレットは貸し出しができないですね」

ライアン

 「え?ダメなんですか」

司書

 「はい。

  ブレスレットは魔道具に分類されるので特別な許可が必要です。」

ノエル

 「特別な許可って確か

  教授以上の方に許可状を貰うんでしたよね?」

司書

 「はい。そうです。」

3人が許可状について考えていると

ライアン

 「あ。そうだ。

  モーテル先生に許可状を書いてもらおう!」

ノエル

 「ライアン、いきなり大声出さないでよ。

  ビックリするじゃないか」

ライアン

 「すまん。すまん。」

ルシアン

 「ライアンなんでモーテル教授なんだ?

  モーテル教授は魔道具を専門分野だけど

  お前、教授の授業は取ってないだろ。」

ライアン

 「ああ。授業はな。先生は俺のじいちゃんの友人でよく家にも来るんだよ。

  小さい頃は珍しい魔道具のおもちゃをもらったり

  遊んでもらったんだ」

ノエル

 「そうなんだね。

  知り合いなら許可状を書いてもらえるかも」

ルシアン

 「そうだといいんだがな。

  まあ。他にあてもないしダメもとで行ってみるか」


ーー 研究棟 モーテル教授の研究室

コン、コン、コン

中から人の声

 「どうぞ。」

ライアン

 「失礼します。」

3人は室内に入る。

モーテル

 「おや。ライアンじゃないか。

  どうしたんだい。大学で僕を訪ねてくるなんて」

ルシアン

 「突然、すみません。

  先生に許可状をもらいたくて来ました。」

モーテル

 「許可状?話を聞こうか。

  まあ、座りながら話そう」

ルシアン達は図書館の幽霊騒動と古美術商での話を

モーテルに話した。

モーテル

 「なるほど。

  僕のところまで図書館の幽霊の噂は聞こえてきていたんだよ。

  古美術商にその猫が戻れれば解決するなら

  許可状を出そうじゃないか」

ルシアン

 「戻れれば?本とブレスレットを返すだけじゃ

  ダメなんですか?」

モーテル

 「よく気付いたね。

  恐らくその猫の正体は神獣だ。

  だから単純に戻しただけでは神獣は近いうちに

  眠りにつくことになるだろう」

ノエル

 「どういうことですか?」

モーテル

 「そうだな。少し神獣について話しをしようか。

  神獣は古来から人間のすぐそばにいた生き物なんだ。」

ライアン

 「え?でも神獣なんて俺は今回の猫以外見たことないですけど」

モーテル

 「ああ。それはこの100年余りで多くの神獣が眠りについたからだろう。。。」

ルシアン

 「眠りですか?」

モーテル

 「神獣は人間と契約した場合はその人間との絆によって力が左右される。

  なかには契約しない神獣もいるがそれらの神獣は人間の目に触れない

  山奥や海の底などに生息してる。」

ルシアン

 「・・・。

  人間と契約した神獣はその人間が死んだ場合

  新しい契約者が現れるまで眠りにつく。。。」

モーテル

 「ん?君は確かルシアンくんだったね。

  よく知っているね。

  君が言うように神獣は契約が終わると眠りについてしまう

  おそらくその猫は代々古美術商の主と契約を結んできたんだろうが

  現在の店主とは縁が薄いようだ。」

ノエル

 「その契約は子供でもできますか?

  店主の息子のルックくんは黒猫も見えていて

  戻ってほしいと望んでいます。」

モーテル

 「おおそうなのかい。

  それなら契約できるかもしれないな。

  契約は思いの強さによるから年齢は関係ないよ」

ルシアン

 「先生。許可状を頂けますか?

  猫は戻りたいと思っていると思います」

ライアン

 「俺もそう思います。俺たちが図書館で見たとき

  何度も結界を破って出ようとしてましたから」

モーテル

 「・・・。いいだろう。

  近年、神獣と人間の関係は希薄になっている。

  だがルックくんと猫(神獣)の絆が繋がれば契約も可能だろう。」

ルシアン

 「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

モーテル教授に許可状を書いてもらい

図書館で本とブレスレットを借りることができた。

3人は古美術店に向かう。

ライアン

 「本とブレスレットを無事に借りられてよかったな」

ノエル

 「そうだね。あとはルックくんと神獣との契約が

  上手くいけばいいんだけど。」

ルシアン

 「二人の絆を信じるしかないな」


ーー 古美術店 店内

3人が店の奥に進むと

店主が美術品の整理をしていた。

ノエル

 「すみません。」

店主

 「あら。昨日の学生さん達じゃないですか。

  また何か御用ですか?」

ライアン

 「はい。今日は確かめたいことがあって来ました。

  ルックくんはいますか?」

店主

 「ルックは奥に居ますけど何か?」

ルシアン

 「ルックくんに合わせたい人(猫)がいるんです。」

店主

 「はあ。少し待っていてください。

  今、呼んできます。」

しばらくすると奥のドアが開いて

勢いよくルックが飛び出てくる。

ルック

 「お兄さん達、ミーナはどこ?」

ルシアン

 「ルックくん、そんなに慌てなくても大丈夫だよ。

  ミーナはここだよ。ライアン、本とブレスレットをルックくんに」

ライアン

 「おお。はい、ルックくん。」

ライアンが本とブレスレットを鞄から取り出す。

するとブレスレットが青白く光り、光の中から

猫が飛び出すとルックに飛びつく。

ルック

 「ミーナ!」

ミーナはゴロゴロと喉を鳴らしながら

ルックに頭を擦り付ける。

挿絵(By みてみん)

いつの間にかブレスレットがルックの腕に付けられていた。

ノエル

 「どうやら、契約できたみたいだね。」

店主はルックと猫を驚きながら見ている。

 「この猫は・・・」

ルシアン

 「この猫はこの店の守り神ですよ。

  ずっとあなた方を見守ってきたんです。」

店主

 「・・・。思い出しました。

  確かに猫、いえミーナは私たちを見守ってくれていました。

  私は家業が嫌で若いころは飛び出すようにして家を出ました。

  それから結婚してルックが生まれてからまた実家によく行くようになりました。

  昔は古臭くて嫌だと思っていた古美術品ですが

  今は父たちがなぜ古美術品を大切にしたかをわかったような気がしています。」

ライアン

 「大切さですか。」

店主

 「古美術には新品(大量生産)にはない、

  人の思いが含まれていると思っています。」

ノエル

 「ミーナは図書館の結界を破ってでもここに帰りたがっていました。」

ルシアン

 「本とブレスレットの返却を大学に話したいと思います。

  よろしいですか?」

店主

 「はい。よろしくお願いします。」

3人は手続きのために

店を出ようとしたときだった。

ミーナがライアンの肩に飛び乗り

ニャーと鳴くと3人に聞こえるくらいの音量で

『ありがとう』とう言うとまた

ルックたちのもとへ帰って行った。

挿絵(By みてみん)


ーー 店の前

・・・

ライアン

 「なあ。神獣ってしゃべるのか」

ノエル

 「僕に聞かれても神獣自体が初めて会ったんだから

  わからないよ」

ルシアン

 「まあ、いいじゃないか。

  ミーナは嬉しそうだったしな。」

ノエル

 「そうだね。後は大学に返却許可が出るといいんだけど」

ライアン

 「それなら大丈夫だ。モーテル先生から口添えをもらえるはずだからな」

ルシアン

 「これで図書館の幽霊騒ぎもなくなるな。」

ノエルが声を上げる。

 「あ。忘れてた。」

ルシアン

 「どうした。ノエル。

  君が声を上げるなんて珍しいじゃないか」

ノエル

 「課題だよ。課題。」

ルシアン

 「課題・・・。

  『魔道具の取り扱いに関する法律について』」

ノエル

 「課題の提出期限、今週末だよ」

ライアンが笑顔で

 「また大学に合宿だな!」

ルシアン

 「何で嬉しそうなんだよ。」

ノエル

 「仕方がないね。頑張ろう!」

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


番外編を楽しんでいただけましたら、

ぜひ本編『霧都の捜査録 ~消えた理論と兄の遺した魔導書~』も

お楽しみください。


本編では、ルシアンたちがアステリア公国で起こる

大きな事件と謎に挑みます。


「霧都の捜査録」本編はこちら

https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/3210032/


番外編とは少し違った、シリアスな『霧都の捜査録』を

ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ