目的の為ならば「分霊」化だって厭いません。
自分で自分を削ります。
結局の所森林限界を越え、山の尾根付近までちまちまと
上る羽目になりました。国境の壁舐めてた訳じゃないけど
とっかかりは無いわ壁の頂上が鋭利な刃物になってたりと
堅固な造りになってましてね。獣人対策なんだろうけど
あれじゃロープ越えするには打ち上げ花火位の上昇力が
無ければ無理デス。凧化して国境警備隊だかに火炎魔法で
撃ち落される未来なんぞにはなりたくない。
そそり立つ岩場の影を慎重に進み、剣山の如く尖った
峰の岩場までたどり着くと、適当な隙間を見繕って、
その中に入り込み、仕込みを開始します。
+と-を同時使用して適当に見繕って引き込んだ
岩の破片の劣化を促進し、狙った形になる様に加工して
出来上がったのは丸めの石の立体パズルです。
当然中身は空洞なこれは山を下るまでの私の新バディ。
コンパクトモドキの中身をちょっとばかり多めに拝借
したら上げ底仕様にしてバレない様にしつつ新な容器へと
移し替えて。糸蛇の胴体内に分散させてた物品も岩を加工
した別な石玉へと分けて移せばほら出来た。
後は壁の向こう側に落ちる様にと転がせば多少落ちていく
場所は違ってても問題無い。雪山で猛吹雪な状態で無かった
のは良かったわ。
私が宿ってた糸蛇にはこの後山や川底を下って貰って、
あの猫のお姐さんの元居た部屋へと潜入し元ある姿である
毬へと戻ってもらうという大仕事が待っている。
色目が派手っぽいし潜入には夜を待つ手しか使えないが
単純な命令であれば複数個用意してやればまるでロボット
の如く決められた動作だけであの部屋へと辿りつける事は
間違いないだろう。いわば簡易ゴーレムだ。
但し私が使うゴーレム化の呪文は「魂移動の術」の応用で、
トカゲの尻尾切りみたいなモノだから、要は私の魂を剥って
「分霊」化したモノだと思えばいい。
欠点としては長時間は持たないって事だけだ。
本来のゴーレムは呪文を使い、注ぎ込まれた魔力で持って命令を実行してると思うのですが
あれのより原始的なモノだと思って頂ければ幸いデス。




