7.道士:雫 ピンク色の世界を知る
タイトル詐欺……じゃないだと!?
「はあ、はあ……はい、これで全部よ」
少女が袋に12個の魔石を詰めて持ってきた。拳大にもなる魔石を12個ともなるとかなりの重さになるだろうにその少女は文句も言わずに動いたのだ。
なんだかそう言う行動に慣れているかの様である。まあ、俺には関係無いがな
「ああ、確かに受け取った。え~っと……そういえばお前の名前を聞いてなかったな」
「あ、うん。……アヤカ。アヤカ・スフォルツよ」
赤く長い髪を弄りながら話すアヤカ。どもったな…偽名か何かだろうか? まあ魔道具とやらで名前から情報が取られる場合もあるだろうし正直に話す馬鹿はいないか……多少なり頭は回るようだな
「俺はシズク。こっちは妹のライだ」
「……よろしくねアヤカ!」
一瞬ライもどもったがこっちはただ単に納得する時間がかかっただけだろう。と言うかまだ恋人にこだわってるのか? 男女の関係何て面倒くさいだけだろうに……呆れた顔でライを見つめるがさっさと次に行かないと日が暮れてしまう。行動は手早くだ
「じゃあ次に移ろう。アヤカ、脱げ」
「……へっ?」
俺の言葉に目が点になるアヤカ……ライは理由が分かったのか深いタメ息をつく
「言い方が悪かったな……装備を全て脱げ。取引は全財産だ。お前の装備も全て貰う」
俺の言葉を徐々に理解したのかアヤカの顔が朱色に染まっていく
「え、ちょ、ま……全部?」
「全部♪……やれ、ライ」
「はいはい。 ごめんねアヤカ」
そう言って手をワキワキと握るライ……意外と乗り気じゃないか? まあ良い。 俺は死体を漁ろう
「体は傷つけるなよ? 売る時に値が下がる」
「りょーかい!」
「ちょっと!? 今、スンゴイ言葉が聞こえたんだけど!? 私を売る気!? あ、ちょ、そ、そこは……ああん!」
「嫌よ嫌よも好きのうちよのう……おお! 中々にデカイおっぱいじゃないか!」
「あふぅ……あ、あ、だ、ダメ……そ、そこは!」
「ヘッヘッへ! 観念しろい!」
「イヤアァァァァーー!」
死体に向かって歩いているので後方は見えないが何か卑猥な声が聞こえるんだが……脱がしてるだけだよな? ライって女もいけるクチか?
タメ息をつき、後方はオーラが見えたら絶対ピンク色の世界何だろうなと思いつつ死体の装備を剥がす俺の背中は後から聞いた所によると寂しそうだったとさ……ほっとけ!
「うう……もうお嫁にいけない……」
「何があったかは敢えて聞かないが……まあ犬に噛まれたと思って水に流せ」
下着姿だけになったアヤカからライの方を見ると満足げな顔でピースしてくる。 いや、まあ……確かに装備を剥がせって言ったけど快楽を与えろと言った覚えはないんだがな
「流せるか! 何でこんなちっこい子があんなにうま……おほん! どういう教育してるのよ!」
ライは上手かったらしい。いや、何がとは言わんが
「うちは自由奔放が家訓でな。 後は人を見たら金蔓と思え」
「怖いわそんな家訓! だからこんな子に育っちゃうんでしょうが!」
「こんな子とは失礼な! ボクはこう見えても大人だぞ! おねーさん何だぞ!」
プリプリ怒る幼女……うん、威厳の威の字も無いな
「さて、粗方目ぼしいものは回収できた。 次は街に行くぞ アヤカ、道案内を頼む」
「下着姿でこのまま歩けって言うの!? アンタどんだけ鬼畜なのよ!」
「……おお! そうだったな。 こんな往来で下着姿何てアヤカ……お前変態か?」
「あらホント。 痴女がいるよ!」
「うがぁぁぁーーー!! もうヤダこの兄妹!」
俺とライの言葉に頭を抱えるアヤカ。 これ以上弄ると日が暮れてしまうので弄るのは後にしようと思いつつ、死体から剥ぎ取ったマントをアヤカに投げるとキョトンとしたアヤカの顔を見つつ歩きだす
「それも後で回収するからな。 ほれ、さっさと案内しろ」
「ごー!ごー!」
「……ちょっとでも嬉しかった自分を呪いたいわ……って! そっちじゃないよ! こっちよこっち!」
遅れて動き出したアヤカに連れられ、人の気配など皆無の道をひたすら歩く事2時間程経ってやっと街道に出た俺達は疲れた体(主にアヤカだが)を癒すべく木陰で休憩に入る事にした
「んくっ!んく!フゥ……プハァっ!水がこんなに旨いなんて久しぶりだわ。って言うかあの道をひたすら歩き続けて汗1つ掻いていない何てどんな体力してるのよ二人とも」
水筒の水を飲んで息も絶え絶えにへばっているアヤカが恨めしそうにこちらを見てくる
「身体を魔力で強化してるからな。 これくらいなら屁でもない」
「まあね。これくらいなららくしょーです!」
道の途中で食べられる果物を取って一口かじり、喉を潤す。
道士になってからは基本的に果物中心の食生活だったので食べられる果物は有りがたい。
仙人になるには肉や魚を絶ち、精進料理を主とする食生活を心がけなければいけない。仙人は禁欲と言われるが何故か酒だけはオッケーなのだ。なのでよくタバコを買いに下界に降りては酒を購入し、鍾離権に賄賂として渡していたものだ……懐からタバコを取り出して一服しているとライが服を引っ張ってくる
「ねぇ? ボクもご飯食べたい」
「ん?ああ、ほら」
「違う、違う! ボクのご飯は……」
果物を渡そうとすると拒否され、手を握られる……ってまさか……
「ボクのご飯はね……シズクの せ い き ♪」
ブワッ! と身体中の精気が吸い取られる倦怠感が全身を襲う。
おいおい! 吸いすぎじゃないのか?
「フゥ……ごちそうさま! やっぱりシズクの精気は美味しいね♪」
「さよけ……俺は死にそうになったがな」
気を抜けば倒れそうになる身体に鞭をうち、呼吸を整えて魔力を身体に取り込み、循環させ、気に変えていく。アヤカの体力が戻る迄と思っていたが……これはもう少しかかりそうだな
ニコニコして笑うライの頭をくしゃくしゃに撫で、今日何度目かのタメ息をつくのであった
詳しくはノクターンにて(嘘です)
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