3.道士:雫 宝具に触れる
細々と続けております。中々書く時間が取れないヽ(;´ω`)ノ
太清境ーーそこは天界にあり、仙人の神とも言われる太上老君が住まう場所である。その宝物庫には有りとあらゆる宝具が納められており、最強の宝具:太極図、雷公鞭も眠っていると言うーー
そんな場所に鍾離権に連れられて俺は何故か宝物庫に案内された
「鍾離権、こんな簡単に宝物庫に入れても良いのか?」
「ひょひょひょ!構わんよ。ここに在るのは全て本物じゃが道士のお前では扱えんものばかりじゃて。精気を吸われてミイラになるのが落ちじゃよ」
物騒だな!?危うく触れる所だったぞ?
「ひょひょひょ!まあ良く見ておけ。己の宝具を作るのにも役立つぞい」
「あん?今何て言った?」
「だから己の宝具を作ると言ったんじゃよ。なに、そう難しい話でもないぞえ?自分の力量の物しか作れないんじゃからな。例えばこの乾坤圏……かつてナタクが使っていた宝具じゃがこれなら御主も使えるぞよ?」
そう言って金の腕輪を放り投げる!って、おいっ!? 慌ててキャッチするが脳内では自分のミイラを想像してしまう。
……良かった。全身をくまなく見たが無事だった。掌に収まった乾坤圏は以外に軽く、難なく持ち運べそうだ
「ば、バカ野郎!死ぬかと思ったじゃねーか!」
「ひょひょひょ!触っただけでは精気は吸われんよ。それを使うと言う意思で精気を吸って発動するんじゃからな。どれ、その他には……」
そう言ってポイポイ宝具をこっちに投げてくる。いくら害は無いとはいえ、そう投げられると対処に困る
「ちょ、おい!落ち着け!」
「あー!これも良いのう。火尖槍じゃ!」
そう言って槍を投げ……って
「ちょっと待てやジジイーーー!」
「ひょ!?」
俺は重ねられた宝具を投げつける! がヒョイっと簡単に避けられる。チッ!相も変わらず食えないジジイだ
「槍なんか投げるんじゃねーよ!本気で死ぬだろ!」
「ひょひょひょ!すまん、すまん。わざとじゃ」
こ、殺す!……何か使えそうな宝具はって……え?
俺の手にあった筈の金の腕輪が刃が着いた車輪型に変化している。これは一体?
「ひょひょひょ!乾坤圏が元の宝具に戻ったか!それぞ乾坤圏の真の姿よ。ここに有る全ての宝具は今は主がおらぬ。雫……お前は乾坤圏に選ばれたんじゃよ。自身の主とな」
「いや、ちょっと待てよ一体どういう事何だ?」
宝具に主と認められた?真の姿?いきなりすぎて頭が混乱してきた
「今の仙界はワシ等以外の仙人はおらぬ。封神されたからのう……太上老君さえも」
「あ?一体どういう事だ?太上老君が封神?」
俺の言葉にコクリと頷く鍾離権
「封神演義と言う本は知っているな?」
「あ、ああ……授業で習った」
「実際あれは史実じゃ。しかし若干中身が違う。最終的に封神台に送られた仙人達は神と戦ったのじゃよ」
「はあ?」
いや、ちょっと待て。なんかスケールが大きくなりすぎだ俺は頭を押さえつつ次の言葉を待つ
「本来ならワシ等は歴史に介入してはならない存在じゃ。なにしろ宝具1つで歴史が変わるくらいの代物じゃからのう。ワシ等が介入した事で怒り狂った神はワシ等と争い、そしてお互いを封じあったのじゃよ。その時に生き残ったのが八仙だけなんじゃ。まあ自業自得じゃのう」
遠い目をして語る鍾離権。おいおい、さらっと説明したがかなりの大事だろうが!あまりの出来事に休みたくなった俺は1枚の布に腰かける
「んで、この宝具達は今や誰も扱う奴もいなくて埃を被っていたって訳だ」
俺は近場にあった鞭を手に取り眺める。装飾も何も無いただの鞭。だが使う者が使えば最強にも成れる鞭。何だか愛しく感じてつい撫でてしまう
『………』
ん?何か聞こえたような……気のせいか?
辺りをキョロキョロ見回してもいるのはただのジジイだけだ
『……聞こ…え』
っ!? やはり気のせいじゃない!声が聞こえる!
「どうしたんじゃ雫?いきなり立ちあがりおって」
「しっ!ちょっと黙ってくれ」
あの幼い子供の声は一体……俺は意識を集中して声を聞く
『聞こえ……ますか?ボクの声が聞こえますか?』
「っ!? あ、ああ!聞こえる!聞こえるぞ!」
「どうしたんじゃ雫?ワシには何も聞こえんぞって……おいっ! 今すぐその鞭を離せ!」
鍾離権が酷く狼狽えた声で叫ぶ。珍しいな?って言うか鍾離権がこんなに慌てているのを見たのは初めてかもしれんが
「その鞭は雷公鞭じゃ!本来なら触れるだけで精気を吸われて死ぬぞい!」
「雷公鞭だって?」
仙界最強の破壊力を持つ雷を纏う鞭ーーそれがこの鞭だって言うのか?
『うん、そうだよ。ボクは雷公鞭。そしてさっきまで貴方が踏んでいたのが太極図』
ブフゥーーー!
思わず吹いてしまう。お、俺は仙界の至宝に座っていたのか?
おそるおそる太極図を見ると陰陽の図に徐々に光が集まっているのが分かる
『早くこの場から逃げて!太極図が貴方の精気を吸って起きちゃった!寝起きの太極図は機嫌が悪いんだ!早く逃げないと別の空間に飛ばされちゃうよ!』
必死になって説明する雷公鞭。この慌てようはは嘘だとは思えない
「マジか!?お、おい!急いで逃げるぞ鍾離権!」
「な、なんじゃいきなり! と言うか雷公鞭を持って近付くな!当たったら危ないじゃろうが!」
「それどころじゃねー!良いから早…う、うおぉぉぉ!?」
な、何だ?体が引っ張られる!?
『ああ……もう遅かった。違う世界でもどうか無事でいてね。主様』
おいっ!? 今何か凄い言葉が聞こえたぞ? って
「…う、ウワァァァァァーーーーーーーー!!」
そのまま太極図に吸い込まれそうになった俺は手当たり次第に宝具を掴みとる
「ちょ、待てや雫ーーーっ!」
「ら、助けろジジイーーー!」
鍾離権が伸ばした手を掴もうとしたが一歩間に合わずフッと俺の意識が途切れる
残された宝物庫には力を失い元の布に戻った太極図と
「き、消えよった……雫が吸われてしもうたっ!」
放心する鍾離権の姿だけが残されていた
やっと次回異世界です。ヒロイン?やだなー鍾離権がいるじゃないですかー?




