② アストの弱点
朝食を食べ、余裕を持って通学路を通る。
やはり、学生で溢れており、学校へ近づくたびに段々と増えていく。
「わっ!!」
背後からシュカが気配を消してルナを驚かせる。
ルナはゆっくりとシュカの方を向いた。
「ちぇ-。ルナも驚かないか-」
「おはよう。ルナ」
心底面白くないとばかりに口を尖らせるシュカ。
シュナはシュカを追いかけていたのか、遅れてやってきた。
「おはよう。シュカ、シュナ」
3人で談笑しながら、登校した。
誰か忘れているような気がしたが、ルナは気のせいだと思うことにした。
入学1日目にして、朝礼ギリギリに教室に入ってきた者が3名。
リヒトとツバサ、ツバサに背負われているアストだ。
「ツバサ、起こしてから来いよ」
大急ぎで来たのだろう、呼吸を乱しながら倒れ込んだツバサに対してウィリデは言った。
アストは未だまぶたを閉じたまま一向に目覚める気配がない。
「ツバサ、ごめんなさい。私、兄さんのことすっかり忘れてしまっていたわ」
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、ルナはツバサに謝り倒す。
「いや、大丈夫だ」
ツバサはすぐに息を整え直した。
しかし、本当に起きないなとツバサは思ってしまう。
かれこれ起こし始めて30分はこの調子だ。
一度、起きはした。着替え終えたらすぐに寝落ちしてしまい。遅刻ギリギリの時間になってしまったため、ツバサはアストをここまで担いできたのだ。
「誰でもいいから、起こしてくれ」
アレクがそう命じる。
ルナは心得たとばかりに寝こけているアストに近づく。
「兄さん、起きなさい」
「んー」
ルナはアストの体を優しく揺さぶる。
返ってきたのは生返事。アストは再び寝息を立てる。ルナは久しぶりに兄に対してキレる。普通はそんなこともないのだが、兄妹ならではの情緒であろう。
「兄さん、いい加減起きないと怒るわよ」
青筋を立てて、ルナはにっこりと笑顔でアストに最後の注告をする。
今度は返事さえもない。
ルナはゆっくりとアストの耳元に近づく。
間近で見ていたツバサは知っている。青い瞳が完全に座っていたことを。
「兄さん、起きなさい。さもなくば…」
「起きます!起きさせていただきます!!」
アストも危機を感知して、カッと一気に目を開けた。
「ルナ!心臓に悪いからやめてくれ!!」
「なら、早く起きなさい。アスト」
ルナの肩を思いっきり掴み、恐怖に震えながら懇願するアスト。
いい加減、自分で起きやがれ。と内心毒づくルナ。
何が起きているのかさっぱりな周囲ということが入学1日目、朝一番の出来事であった。
大幅な加筆・修正を行うため更新を遅らせていただきます。
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