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① 今は亡き昔夢
『アスト、ルナ、ごめんね。不甲斐ない私を許して』
ひたすら謝り続ける“あの人”の声がした。
久しぶりに聞いた声に喜びを感じつつも、女性の悲痛な声にルナは心が苦しくなった。
泣かないで、声を出してなぐさめたいのに口が思うように動かない。
白銀の髪が揺れ、向けられた背はどんどん小さくなっていく。
「待って!!」
やっとの思いで出た言葉は現実に引き戻されてからだった。
あれ?なんの夢だっけ。
悪夢だったのか、それとも自分の過去に見たものだったのか、ルナの頬まで流れていた涙だけしか、その答えを知らない。
ぽとりとその涙がシーツを濡らす。
それがまるでこぼれ落ちた日々のようで、余計にルナの心をわけもわからずに締め付けた。
ただ、もう一度あの人に会いたい。
そのためにルナはここにいる。
ルナは残りの涙を拭い、自分自身を奮い立たせ、学校へ行く準備をし始めた。
1章2節、始まりです。
2026/07/13 加筆修正




