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① 今は亡き昔夢
『アスト、ルナ、ごめんね。不甲斐ない、わたくしを許して』
ひたすら、謝り続ける女性。
しかし、どこか懐かしい気持ちになる。
泣かないで、声を出したかったのに口が動かない。
白銀の長い髪が揺れ、こちらに背を向ける。
不意にグッと何かに引きづられ、女性から離れていく。
「待って!!」
やっとの思いで、声を出した時には意識は完全に現実に戻ってきていた。
あれ?なんの夢だっけ?
悪夢だったのかそれとも過去だったのか、どちらにしてもルナの頬まで涙は流れていく。それがまるでこぼれ落ちた日々のようで、余計に苦しくなる。
ただ、もう一度白い“あの人”に会いたい。
そのために、ここにいるのでしょう。ルナ!
ルナは涙を拭き取り、自分を奮い立たせ、学校へ行く準備をし始めた。
1章2節、始まりです。




