㉓ 0組とは
「今年も、ウィリデ先生は遅刻したのか!アレク先生はさぞ怒っていただろうな」
4人で横に並んでいても全く狭く感じない湯船で、セツに今日のことを話すと、彼女は豪快に笑った。
やっぱり、去年もウィリデ先生は遅刻したのね。
ルナはセツの口ぶりから、毎年ウィリデが遅刻して、その対処に追われるアレクを哀れに思った。
「君達は、この学園の組の振り分け方を知っているか?」
「入学式の時にもらった花のコサージュの色じゃないの?」
「そうだ。魔力と筋肉の発達、知力などを総合的に評価した上で、あの魔導具の色が変わるそうだ」
そういえば、兄さんが興味を示していたわね。
それを受け取った時、アストが喜んでいたことをルナは知っている。
おそらく、今は兄の手によって解体中だろうが、壊してしまってもルナは責任を取らないことを決意した。
「なら透明になるのはどういうこと?」
「先生方曰く、魔力などが並外れた特異点か特殊な“何か”があると反応するらしい。透明になったものはほとんどいない、5年に1人いればいい方らしいぞ」
セツの言葉を聞いて、シュナが勢いよく音を立ってて立ち上がった。
シュナの顔色は湯に浸かっていたはずだが、とても悪い。
「私、のぼせてしまったから、上がるね」
途切れ、途切れで単語を繋げた言葉を放ち、シュナは逃げるように大浴場を出た。
「待って!!」
シュカは慌てて、姉の後を追った。
まあ、そうなるわよね。
ルナはふっと失笑する。
自己紹介ですねに“訳アリ”と言っているルナはなんとも思わないが、シュナたちは一切そんなことは言っていない。純粋に学園に入学した学生としていた。
しかし、今の話で自分たちは“訳アリ”であると間接的にバラされたのだ。
「君は後を追わなくてもいいのか?」
「今日出会ったばかりの私に、かけれる言葉はないもの」
「そうか」
セツと少しの間だけ話をし、湯船から出た。
小話(去年は…)
セツ「今年は何人いるんだ?」
ルナ「あなたを含めて9人ね」
セツ「!そんなにか。なら、今年はレクリエーションは森へ行ったのか?」
ルナ「ええ。アレク先生たちのところへゴールするということを。去年は違ったの?」
セツ「去年は私1人だったため、アレク先生かウィリデ先生かどちらか好きな方と戦うということをした」
ルナ「大丈夫、顔が青いけど」
セツ「いや、なんてことない。ただ言えることは、アレク先生は座学教科担当だからと侮っていたら死ぬ」
ルナ(心)「アレク先生と戦ったのね」
2026/07/09 加筆修正




