①暁の島へ行く列車
深くフードを被り、少年と少女は真夜中の街灯の灯る薄暗い道を必死に走る。
「本当に大丈夫なのよね?」
少女は来た道を振り返り、少年に問いかける。
「…わかってるだろ。ボクらがいなくなったらどうなるかなんて。“あれ“だってすぐにバレる」
少年は淡々と返した。
少女は何も言わず、少年と共にひたすら走り続けた。
「速度を上げるぞ、ルナ」
「わかったわ、兄さん」
さらに勢いを上げ、この町で唯一の駅を目指す。
ルナは最後に振り返ったが、すぐに兄の後をついていく。
「なんとか間に合った」
「私、兄さんが体力がある理由がわかったわ」
余裕を持って出たはずだが、すでに列車がついていた。
運良く出立する前であったため、乗り込んだ2人は安堵の息を吐く。
同時に、二度とこの兄に道案内などさせるものかとルナは固く心に誓う。
「切符を拝見します」
車掌が切符確認のためにルナたちの元へと来る。
あれほどまでに深く被っていたフードを取り、2人は懐から”学生証“を取り出した。
見た目の雰囲気は違えど、人を惹きつける容姿をしている。
2人は今から世界中が注目する”フォルトゥ-ナ学園に入学する。
学生証を見た車掌はとても驚き、慌てて確認用の魔導具を出す。
フォルトゥーナ学園の学生は列車代学園持ちになることに加え学園の卒業生と履歴書に書くだけで採用されることが多い。
そのため、学生証を偽造する者も出てきたため、列車の車掌や企業などはそれを確かめることのできる専用の魔導具を持っている。
「はい、ルナさんとアストさんですね。確認できました。入学おめでとうございます」
年若い車掌は学生証が本物だとわかると、一言、祝いの言葉を述べてすぐに別の車両へと移っていった。
ルナたちはここで、改めて今から行く場所への決意をする。
学術、武道、魔術、情報、技術。
誰もが憧れ、何もかもが最先端であり揃う孤島、テライオス。
その中心にそびえ立つ、フォルトゥーナ学園へ。
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2026/02/19 加筆修正しました。




