⑪ 魔獣の森でサバイバル-2
「それはそうだろう。ここは魔獣の森だからな」
あっけからんと言うアレク。
ですよね〜。
あまりの非常識に遠くを見るルナたち。
「安心しろ、ここのヤツらはきちんと飼育されている。戯れてくるだけだ。危険になれば、そのピンが心拍数を探知して俺らに緊急信号が送られる」
ウィリデはちょうど入学式の時に渡されたネクタイピンを指す。
つまりはこれは決定事項だということね。けれど、助けがあるのなら大丈夫そう。
ウィリデが安心させる言葉を言うと、全員の緊張がある程度、ほぐれた。
「制限時間は1時間、俺らのいる場所から半径2キロメートル以内には転移させる。俺らのところに辿り着ければ良い、それだけだ。
ルールはわかったな。では、始める」
有無を言わさず、アレクが指を鳴らすと足元から光が溢れ陣が浮かんでいる。
「“転移“」
アレクの魔術発動の言葉を最後に、目をギュッと固く瞑る。
次目を開けた時、広がっていたのは薄暗く、不気味な森だった。
「詰んだ」
消え入りそうな嘆きをルナはこぼした。
テレポート
好きな場所に生物、無生物両方とも移動させることができる、最上級の魔術。使えるのは極々一部。
テレポテーションは中級で自分と自分に触れているもので事前に決められた場所と限定的である。移動に便利。
小話(ウィリデと魔獣)
アレク「一つ、教えておこうウィリデ」
ウィリデ「なんだ?」
アレク「ここの魔獣は君に対して戯れているのではなく、威嚇しているんだ。他の者には、敵対心を出して噛みつくなどしない」
ウィリデ「はあ?そんなわけないだろ」
無垢な目のウィリデ。これを言うのは何回目だろう。
アレク「はぁぁ」
深い、深いため息をついたアレク。




