⑫ 魔獣の森でサバイバル-3
兄と離れてしまったことはルナにとっては最大の痛手でしかない。
この手、魔術による捜索に限らず、魔術関係はルナよりもアストの方が詳しく、アストしか使えない。
正しくは、魔術や魔法には魔力を割くことができないという意味も含まれている。
ルナはいつまでもじっと待っているわけにはいかないので、草木をかき分けながら歩き始めた。
しばらくの間、直感を信じながら歩いていると何かの気配を感じた。
ガサガザと茂みが揺れており、だんだんと近づいてくる。
「きゃあ!」
茂みの中から勢いよく飛び出したのは青い角が特徴的な魔族の少女、シュナであった。
シュナに外傷はなく、ただ尻餅をついていた。
「大丈夫?」
「は、はい!大丈夫です!」
失態をさらしてしまった恥ずかしさが込みあがり、シュナはすぐさま立ち上がって、服についた土をはらう。
「ルナさんは……」
「ルナ。ルナでいいわ。敬称をつけられるの、嫌いなの」
シュナの言葉を遮り、ルナは激しく拒絶する。
「わかった、ルナ」
「ええ。よろしく、シュナ」
シュナは少し考えた末に了承する。
その答えに満足したルナは笑みを浮かべた。
「早速だけど、シュナは“サーチ”は使える?」
ルナが提示した魔術は、一番初歩の探索魔術だった。
サーチ
一番初歩の探索魔術で、迷子の子どもなどによく使われる。
小話(その頃のお兄ちゃん)
アスト「やべえ、ルナがいないと道がわかんねえ。あれ?ルナもわからないんじゃ?」
しばらくじっと考えて、結論を出す。
アスト「まあ、ルナだし大丈夫でしょ」
2026/06/09 加筆修正




