3 ストーリー重視のTS小説たち
少年少女文庫はいままでほとんど存在しなかったライト層を目覚めさせる役割を果たしました。
それは簡単にいえば、『女の子シミュレータ』としての小説です。
結局のところ、TS小説の旨味成分を『女の子としての生活をシミュレートすることである』と定義するなら、そもそも変身した過程なんぞは不要の産物になります。
べつに書いてもいいけど、それらの要素は本丸ではありません。出城でござる。
このように物語上リソースを切り詰めた結果生じたのが『あさおん』と呼ばれるカテゴリです。
あさおんとはその名のとおり、『朝起きたら女になってた』というのを省略して『あさおん』といいます。これは変身系の一種であり、比較的ありがちな設定なのは、隔世遺伝が発現したというものです。
文庫上では厳密なあさおんではないのかもしれませんが、一夜のうちに、妖精と身体を入れ替えるという小説が、一時期流行りました。
ジャージレッド(現HNは異なるようです)さんの『妖精的日常生活』という小説(http://ts.novels.jp/novel/200010/20041039/elfin_life.html)です。
なろうでも書いてらっしゃいますね。
この小説は先でもちらりと述べたまっしろいセールスガールと同じく、シェアワールドとしての広がりを持たせたところが新しいところです。
他にも有名どころになったのはTaika Yamani. さんの『キオクノアトサキ』です。これはもう実質ラノベでいいんじゃないかな。
他にも多数あるのですけど、だいたいにおいて共通しているのは『ストーリー重視』であることと『現代』あるいは『現代ファンタジー』であることです。
特に現代ファンタジーについていえば、初期のラノベ群、『阿智太郎』の吸血鬼モノとか『佐藤ケイ』の『天国に涙はいらない』とか、そういったのが流行りまくった時代なので、ネット小説でもそういった作品を書いてみたいという空気感があったのだと思います。
しかし、少年少女文庫はTS小説のポータルにこそなりましたが、その小さな島を覆いつくさんばかりの大波が襲来しました。
二次創作小説の襲来です。(ザザーン)




