ターン35「おばさんと遊ぶ」
ああ。疲れたー。
ぼくはとぼとぼと、夕陽のなかを、歩いていた。
アネットと、ずーっと、追いかけっこをやっていた。
「つかまえられたら、なにしても、いーよ」ということで、いっぺんでもいいので、つかまえようと、頑張っていたんだけど……。
アネット。あし。はやすぎ。
そういえばアネットは猟師だった。
かけっこをやったら、村一番だった。
かなうはずがなかった。
それにアネットって、地面を走るとは限らない。
木の幹を蹴って、手も使わずに木の枝に登っちゃう。そして枝から枝に、軽々と飛び移ってゆく。
ぼくが、もたもたと木に登ったときには、アネットは、違う木の上にいたりする。
あんなの、捕まえられるわけ、ないよー。
アネットは「つかまえられたら、なんでもしていい」って言っていたけど。
あれぜったい、つかまえられないってわかっているから、言ってたんだよねー。
まにうけてしまった。
とほほー。
追いかけっこ。おもしろかったから。いいけど。
「おや? カインじゃないか。今日はマイケルと一緒じゃなかったのかい?」
ぼくに声をかけてきたのは、マイケルのおばさんだった。
ぼくは、ううん、と首を振った。
マイケルとは昼に会ったきり。
いつもは一緒に遊んでいるけど。
ぼくはマイケルに言われてから、おっぱいの探求で忙しかったから、ぜんぜん知らない。
「マイケルを見つけたら、言っといておくれよ。またヤギの乳しぼりサボって、遊び回ってるんだから! 夜までにやっとかなかったら、夕飯抜きっだってね!」
夕飯抜きは、きつそうだねー。おなかすいちゃうねー。
マイケルを探してこようかな。おばさん。すっごく怒ってたって、教えてあげようかな……?
「ところで。なんか落ちこんでいるみたいじゃないか。なんだい? 悩み事かい? おばさんに、相談してみないかい」
うーん……。
どうしよう?
ぼくはすこし悩んだ。
これは男の子だけの〝しんえん〟な問題……な気がする。
「なんだい? 女にはナイショの話なのかい?」
うんそう。ナイショ。
ぼくはおばさんに対して、むずかしいカオになった。
「あははは。いいよいいよー。無理して話さなくって。女にゃナイショの話だってあるさねー。あたしたち女だって、男にゃナイショの話もあるしねー」
へー。あるんだ。どんなの?
「ナイショだから、そりゃ、ナイショだよー」
おばさんは、からからと明るく笑う。
マイケルのおばさんは、じつは、けっこう「びじん」。
まえのぼくは、「びじん」も「かわいい」も、まったく見わけがつかなかったけど。さいきんのぼくは、ひとあじちがう。
「びじん」と「かわいい」は、なんとなく、わかってきたカンジ?
きっと、顔立ちが整っているのが、「びじん」なんだな。
おばさんは。そっち。
けっこう。そっち系。
「おっぱい」の話は、男の子のナイショの話なので、話せないから、ぼくはおばさんに手を振って、別れようとした。
――と、足を止めた。
あれ?
でもぼく、キサラにもマリオンにもアネットにも話してたよね?
おっぱいもみたいですか?[はい/いいえ]の話を。
じゃあナイショでもないのかな?
おばさんに相談してみようか。
ぼくは戻った。おばさんに向いた。
「え? なんだい? ナイショの話っていうのは、おっぱいの話だったのかい?」
うん。そう。
「あっはっはー! カインも男の子なんだねえ。そういうことに、興味の出てくるトシになったのかい!」
じつはあまり興味あるわけじゃないんだけど。
でもまるきりないかというと、そうでもなくて……。「いいえ」だと嘘になっちゃうから、二択だと「はい」なんだよ。
「ふぅん……、ほんとかい?」
おばさんが、からかうような視線を向けてくる。
ごめんなさい。うそです。すこしあります。
「あっはっは! 正直者は得をするよ!」
おばさんは、元気に笑った。
「――じゃあ、どうするね?」
どうするって、なにを?
「おっぱい、もんでくかい?」
おばさんは、胸を張ってそう聞いてきた。
おばさんは、美人だった。
おっぱいも、大きかった。
もんでく?[はい/いいえ]
今回の選択肢の投票場所は、こちらです。
https://twitter.com/araki_shin/status/727486681616515073
おっぱいシリーズは、今回の選択肢で終了です。
カイン、ついにおっぱいを揉むことがてきるのかっ――!?
つぎの更新は明日の10時です。




