ターン34「アネットとあそぶ」
「やっほー、カイン」
道をぶらぶらと歩いていたら、アネットが道の向こうから歩いてきた。
アネットが来たほうは、村の外へと続く道だから。
きっと、外から戻ってきた感じ。
「やっほー! やっほ! やっほー!」
うん。やっほー。
ぼくも手を振り返す。
アネットはぴょんぴょん跳ねて、近づいてくるまでも、待ちきれないって感じ。
活発な彼女は、いつも動いているっていう感がある。ひとつのところにじっとしていないって感じ。
家は村の中にあるけど。家にいないことのほうが多い。
だいたい狩りに出ていて、家は留守のことが多い。
アネットは、もうすこし小さい頃には、猟師のお父さんと一緒に狩りに行っていたが、最近では別行動をしているみたい。一人で狩りに出て、獲物を取って、戻ってくる。
よく村のみんなに獲物のお肉を分けている。
普通の動物のほかにも、モンスターなんかも狩ったりしているみたい。
アネットはすごい女の子なのだ。12歳なのに、もう一人前だった。
「きょうは天気が悪かったから、帰ってきたんだー」
ぼくの手を取って、アネットは、ぴょんぴょん跳ねる。
これがリリーあたりなら、こっちも一緒にぴょんぴょん跳ねているところだけど。
ぼくは男の子だから、跳ねるのはやらない。
でも心はぴょんぴょんしてるよ?
「きょうは暇だから、あそぼ、あそぼ! なんかしてあそぼ! 遊ぶ? 遊ぶとき! 遊ぼう! 遊べーっ!」
うん。あそぼう。
おっぱいあそびしよう。
「は?」
アネットは、目をまんまるく見開いている。
ああ。うん。
ちょっと唐突だったよね。いきなり変なこと言ってたね。変な人だよね。
ぼくは、これまでのことを、アネットに説明した。
道ばたの倒木に腰掛けて、二人で話しこむ。
肩があたるくらいの距離で、アネットと話した。
話はちょっと長くなった。
アネットの肩のところは、むきだしの肌だから、肌と肌が、しまいにはくっついちゃった。
季節はだんだん暖かくなってくる時期。
二人とも、ちょっと汗をかいている。
リリーからはじまって「ダンナさん」と「ケッコン」の話になって、ロッカのところで、コウノトリさんの運んでくる「赤ちゃん」の話になって、マイケルのところで「おっぱい」の話になったこと。
そん流れを、ぜんぶ話していたから、けっこうじっくり、話しこんでしまった。
正確にいうと、話したのとはちょっと違うかな。
アネットが、だいたいほとんど聞いてきてくれて、ぼくは、うん、って答えていった感じかな。
「ふぅん……。カインも、おとこのこなんだねー」
いや。おとこのこ。いま関係ないよ?
「だって、そーゆーことに、興味あるんでしょー?」
二択だと、「はい」になるって感じ?
絶対にないかー? 絶対絶対、絶対だなー?
――って聞かれると、「いいえ」じゃないよね。
「あるんじゃん」
アネットは、ころころと笑った。
ぼくは隣に座るアネットの胸のあたりを眺めていた。
彼女は皮の鎧を着ている。狩人の装備で動きやすそう。その皮の鎧の胸のあたりに、ちょっと起伏がついている。
ほー。へー。はー。
おっぱい。あるんだー。すこしだけど。
アネットも女の子なんだよね。
「うん? どこみてる?」
アネットが小首を傾げる。
短い髪が、さらっと揺れた。
短いとはいっても、アネットの髪は、男の子よりは、ちょっとだけ長い。
こんなところにも、男の子と、女の子の違いって、あるんだなー。
ほー。へー。はー。
昔は、ちっちゃい頃には、ぜんぜん、気にしたことなんてなかった。
男の子とか、女の子だとか、そのコトバの意味さえ、わかってなかった。
トモダチに区別なんてなかった。――それは、いまもないんだけど。
「じゃあ。する? おっぱいあそび?」
アネットは、明るい顔で、そう言った。
あれっ? いいのー?
おっぱいあそびをしますか?[はい/いいえ]
今回の選択肢の投票場所は、こちらです。
https://twitter.com/araki_shin/status/727317247916544002
おっぱいまつりの連作は、今回で終了です。全員1巡しましたー。
本日も、夜21:30くらいにはもう一度更新があります。




