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ぼくのマレーシア旅行記  作者: 未来が見えない


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二日目

  一八日の二時。日本時間だと夜の三時だ。機内で、眠りにつく。体は何もしていないのに、腰や背中が張っている。満身創痍だった。隣の外国人の香水がキツイ。だが暫くして、眠りについた。気がつけば、着陸のアナウンスが流れていた。


 外を見ると霧が掛かっていた。淡く薄く広がる霧は微睡みの様に見えた。シートベルトを外して飛行機から降りる。夏服の姿でないと、やり過ごせないほど、マレーシアは暑かった。日本だと長袖になってくるような季節だが、こちらは年中この感じのようだ。赤道に近いこともあって、納得がいった。


 入国審査やはり慣れない。特にインドネシア系の骨格がストレートで彫りが深い鋭い目つきの人は緊張している自分にとっては腹がキリキリしてとても辛かった。質問を返しても、素っ気なく、本当に伝わってるのかも分からない。テンキューと言っても返してくれない、もう少し、接客だったら温和になってほしい。


 それから、着いたや否や、クアラルンプール国際空港のお店を少しだけ回ることにした。


 到着した時間が深夜帯だったため、限られていた。開いているお店を回る。面白い。眠いはずなのに脳を刺激してくる。古い本が置かれたコーナーがあった。和訳されて、売られてすらない古い本がずらっと並んでいる。検索しなくても分かる。紙に染み込んだ歴史が茶色く色褪せていることが目にとれた。


 ただ、現地の電話番号を持ってる人が作れる、アプリがキューアールコードで貼付されていて、外国人にとっては当日のうちに申請して購入するには敷板が高い為、私は購入することを断念した。


 ラウンジで三時間程くつろぐことにした。予約していて本当に良かった。眠気覚ましにご飯を食べることにした。とりあえずホテルのチェックインギリまで待ちタクシーで都内まで向かうしかない。


 そして、ビュッフェ形式の料理を皿に盛りだくさんに並べる。私が気に入ったのは料理よりも、ホワイトコーヒーの味だ。流石、カカオを現地で生産しブランド化していることから、ココア風味のホワイトコーヒーは素晴らしく美味しかった。カカオの濃厚な味わい。絶妙な甘さ加減、深みとコクで、かといってのっぺりと喉に残るような感じでもない。美味しいの一言に限る。まさしく極上の一杯であった。


 その、ホワイトコーヒーを、私はラウンジにいる限り、ずっと飲み続けていた。お腹がタプタプだった。


 三時間ほどのラウンジの予約もあっという間に経った。立ち上がって、空港施設内を歩き回る。


 思った以上にスケジュールをハードにしたためか、疲れたが、明日から本格的に観光するとなると楽しみで仕方ない。


 クアラルンプールのラウンジでオール。内心ずっと(クソ眠てえ)と思ったりもしていたが内緒だ。だが、次の日は待ち遠しくもあった。


 ホテルへ向かう為のタクシーを呼ぶ。Grabアプリで事前に手配し支払うからぼったくられる恐れもない筈であったが、ここで大きなミスをする。


 Grabアプリを使用しないというインシデント。


 言い訳になるが、途中途中、寝たり起きたりしていた為か、頭がボヤついていて、思考を放棄している自分がいた。


 そんな状態で私は行動に移す。


 Grabアプリでタクシーを手配をしようと乗り場先まで移動した。気の強そうな髭を生やしたおっちゃんが気さくに話しかけてきた。話されても何を言ってるか聞き取れなかったので、呆然と立ち尽くしていた。


 間抜けな顔であったであろう。罠に掛けやすい相手だっただろう。おっちゃんは、タクシーに乗るか聞いてきて、私が頼もうとしていた、Grabの料金と照らし合わせて、一緒だと言うようなニュアンスで喋っていた。だから、額を読んで「イッツ、オーケイ?」と指を指して同額か聞いてみた。「イエス、イエス」とおっちゃんは答えた。


 心配すんなよと、肩をポンと叩かれた。

(この時は肩をポンが『烙印』だとは気づいてなかった。『カモ』という標的にされていたのだ。)


 そんなこともつゆしれず、おっちゃんに連れられてタクシーに案内されキャリーケースらを預けて、後部座席へと座った。


 外の景色を見てウキウキしていた。次第に疲れからか、眠りに更けていた。


 到着先のホテルについた。するとおっちゃんが吹っかけていた。予定の二倍の金額を請求してきたのだ。ふざけんな、こっちはそんなこと知らない。しかし、私はgrabの料金を見せるが、全然話を聞いてくれない。一旦出ようとしたが、ドアロックされる。恐ろしい。脳裏でこのまま押し問答していたら、帰れなくなるんじゃないか、下手したら日本にも戻れないんじゃないかと不安に駆られる。


 結局、おっちゃんの提示する金額を支払いタクシーを降りた。心底、納得はいかない。ぼったくられたという、惨敗を味わい、カモにされた屈辱がこびり付く。人を信じようと思っていたばかりなのに、まさか、労り旅行で、こんな酷い目に遭うとは。


 あとあと、調べるとGrabで頼んでから、ロータリーに出た方がいいと記事に書いてあった。それを見てまた病んだ。


 Xを開く。しょうもないポストを連投したこと、今日起きた出来事を書く。それが不安を解消する捌け口になっていた。この日記もそうだ。


 しかし、くよくよもしていられない。折角楽しみにきたからだ。


 ホテルへチェックインすると、また、トラブルが起きた。何と宿泊日が一日ずれていたのだ。だから、予定のチェックインしていた日が一日遅れていることを告げられる。何故だ。分からない。混乱する。急いで、アプリのメッセージでチャットする。


 翻訳しながらなんとか、予定日をずらしてもらい自室へと赴く。荷物を預けて、見たかった建物へと歩いていく。


 ペトロナスツインタワー、目的にしていた建物に到着。また、カモ客を映えするように撮るための現地人がたむろしていた。区画で仕切られた敷地内には出入り出来ないようになっているからか、柵に登って猿の様に、「へい!」と言っていた。やかましいことこの上ない。


 見上げる。これこそが摩天楼。片方が韓国の会社、もう片方が日本の会社が建てたとサイトに書いてあった。僅かばかり差があるとか何とか。


 写真と動画を満足するほど撮り続けた。途中、道を聞かれたが断った。こんな観光客丸出しに何故聞くんだ。


 路上を歩くと、たまに汚水のような鼻がもげそうな臭いが漂ってくるのが凄く嫌だった。景観は近未来的なビル群が乱立し至る所でモニターが映し出されている。まるで、サイバーパンクなゲームの世界に入ったような錯覚に陥る程である。


 景観を眺め、夜ご飯にすることにした。ふらっと立ち寄ったお店だ。頼み方が分からない。何処がカウンターか分からず彷徨う。すると、マレーシア人が何処からともなく現れる。


 マレーシア人はいつでも監視しているような感じがあるのを此処で教えたい。


 メニューを貰うが、頼むのはカウンターで頼めという。そして、蟹とナシゴレンを頼む。脂質が多い米に、ソースやビーフ類を盛り込んだ物が器に寄せられる。蟹も片割れを皿に乗せてもらう。


 料金を払い卓へとつく。此処でマレーシア人の監視能力が発揮される。卓についたやいなや、料金札を置かれる。ずっと見ていたのだ。


 そんなことはどうでもいいと思い、蟹を食べてみた。案外いける味だった。スパイシーな香辛料で味付けされている為、生臭さはなかった。しかし、所々、肉の色味が黒くなって躊躇してしまう。口コミによると、日本人の口には合うみたいなことを書いてあり、多分あながち間違ってはいないと思う。


 黒いとこも全部食した。一つ言っておきたいのは、ゲテモノが好きなわけではない。出されたもので、自らが望んだ食べ物だから、許容している、ある程度の線引きはあるが。


 ナシゴレンはビーフと唐辛子の香辛料が程よく絡まり美味しかった。食べれない味ではないことは間違いない。


 全部食したら、マレーシア人がまた食べ終わった皿を回収しにきた。余韻くらい味合わせて欲しい。それほど、早かった。


 お腹一杯になり、ホテルへと戻ることにした。


 今度はGrabでちゃんとしたタクシーを呼ぶ。お金をぼったくられる可能性もない、クレカで事前決済しているからだ。汗だくのまま、家に帰る。温水調節機能が絶妙なシャワーを浴びる。三十分間の暖機運転をさせて温水を使えるのも難点だ。


 そうして、私は広々としたクイーンサイズ程のベッドで一人、泥のように眠りについたのだった。


ここまでお読み頂きありがとうございます!

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