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0003 ダンジョンと運営

「運営からのお知らせ……?なんだろう」


そのお知らせは全プレイヤーに送られたものではなく、紬宛に送られてきたものだった。


『ツムグ様、この度は当ゲームの不具合により、ダンジョンの中へと飛ばしてしまい、誠に申し訳ございません。そこでお詫びと言ってはなんですが、そのダンジョンのダンジョンマスターとして、このゲームをプレイしてみませんか?もちろん、嫌でしたらご連絡いただければ初期化させていただきます。ダンジョンマスターになる時は下の決定ボタンを押してください。運営』



「やっぱりバグだったのか。それにしてもダンジョンマスターかぁ」


ゲーマーの紬にとっては、この提案はかなり嬉しいことだった。

他のプレイヤーとは一人違うゲームの遊びができる。ゲーマーにとっては、偉大なことである。


「うん、ダンジョンマスターになろう。せっかくのバグだ。楽しまないとね!」


元気よく紬は決定ボタンを押す。

決定ボタンを押すと、ウィンドウは変わり、運営からのメッセージが書かれていた。


『ダンジョンマスターになることにされたのですね。バグのお詫びと言ってはなんですが、運営からいくつかサポートをさせていただきます。ひとまず入り口は作って地上にダンジョンとして作らせていただきます。他のサポートはこちらから確認してください。運営』



メッセージからサポート内容について書かれているリンクに飛ぶ。

そこには細々としたサポートまで色々と書かれている。そのサポートをまとめると、紬に運営しやすいようにしたということだった。


「助かるな。これでダンジョンを運営しやすくなった」


紬はウィンドウを閉じ、再びダンジョンの改造に取り掛かろうと立ち上がる。

紬がコアに触れると、ダンジョン全体が大きく揺れる。10分ほどたつと、ようやく揺れがおさまり、まともに立てるようになった。


「やっとおさまった……あっ、入り口ができてる」


ダンジョンの設定ウィンドウを開くと、ダンジョンの地図が少し変わっていて、湖部屋の行き止まりだったところが、入り口になっている。

入り口ができたことで、ここがダンジョンとして機能し始めたのだった。


◻︎ ◻︎ ◻︎


「よし、これはここで……」


正式にダンジョンマスターになった紬は、ダンジョンの改造をしていた。


「これでオッケー!んー、終わったぁ」


紬は長い時間をかけてようやくダンジョンの改造を終えた。

改造したダンジョンは3部屋から4部屋となり、入り口のある湖部屋(これからは入り口部屋と呼ぼう)と魔晶の大部屋の間に新しく作った部屋と、魔晶の大部屋にスポナーを設置していた。これで、プレイヤーが入ってきてモンスターを倒してくれれば、DPを稼ぐことができる。


とはいえ、設置したスポナーはスライムスポナーなため、簡単にダンジョンが攻略されてしまう。

そこで紬は1体ずつ召喚するモンスターの中で、残ったDPで召喚できる最強のモンスターを召喚した。


「これからよろしくな、ゴーレム!」

「ゴゴゴゴ!」


召喚したゴーレムは、土魔法のスキルを持っている紬と相性が良かった。

相性のいいモンスターは他のモンスターよりDPを安く召喚することができるのだ。DP不足の紬にとってはピッタリなモンスターだった。


そして、まだプレイヤーの中にゴーレムを倒せるようなプレイヤーはそんなに現れておらず、このダンジョンが攻略されることはほぼなかった。もちろん、紬がそんなことを知るはずもなかったのだが。


「うーん、暇だな」


改造を終えた紬は、特にやることもなく管理部屋の前の通路でゴーレムと戯れていた。紬は暇な間に、ゴーレムが動きやすいように、扉の前の通路も部屋に変えて、ボス部屋にしておいた。


紬はスライムを倒してみたのだが、自分のダンジョンから出るモンスターからは経験値が得られないようで、ただ無駄に倒してしまっただけだった。

レベル上げの仕方もわからない以上、本当にやることがなかった。


「そういえばサポートってあと何ついてるんだっけ?」


サポート内容をきちんと読みもせずに改造をしてしまった紬は、この暇な時間を利用してサポート内容を確認することにした。


「えっ!時間経過でDPが得られるようになってたの!?うそっ!」


紬はびっくりしながら、ステータスを開いてDPを確認すると、確かに0になったはずのDPは50になっていた。サポートの一つとして、1時間経過ごとに部屋数×10DPが得られるようになっていた。


「他は、えっと……ダンジョン攻略のシールド付与…?」


シールドというのは、ダンジョンが攻略された時にダンジョンが崩壊しないようにするためのもので、崩壊を守るために攻略者に強化石バフストーンというものを渡す。本来なら、シールドは10万DP必要なのだが、特別に付与されていた。


「なるほど、僕がログアウトしている間にもプレイヤーが入ってきて攻略しちゃう可能性もあるし、助かるかも」


紬のいう通り、紬がログアウトしている間にダンジョンが攻略されてしまう可能性はあるのだ。しかしその分、ログアウトしている間も時間経過によるDPが発生しているわけで、デメリットしかないわけではなかった。


『ダンジョンに2名のプレイヤーが侵入しました』


「きたぁぁぁぁぁぁぁ!」


ずっと暇だったせいで、紬は少しおかしくなっていた。


「やっとだぁぁぁぁぁ!」

次回の投稿は9月22日12:15です。

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― 新着の感想 ―
面白い!続きが気になりますね( ´∀`)
Xからきました。 ここまではまだ序盤でこの先主人公がどうなっていくのか楽しみです。 投稿頑張って下さい!
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