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「やあ、お待たせ。小さなお姫様」そう言ってドアが開いた。
ずっと壁一面の大きなガラスの窓越しに雨降りの街の風景を見ていたまめまきはその声を聞いて、ゆっくりと後ろを振り向いた。するとそこには、(予想通り、護衛も付けずに)一人の紳士が立っていた。
温和な表情をしている、とても優しい雰囲気をその身に宿している紳士だ。
「お姫様はやめてください。歯車博士」
にっこりと笑ってまめまきは言う。
「これはすまない。今の君は胡桃まめまきだったね」とにっこりと笑って歯車博士はそう言った。
それから歯車博士は椅子に座るように手でまめまきを促した。
まめまきは歯車博士の手の先にある豪華な動物の革製の椅子にゆっくりと座った。それから、歯車博士をじっと見つめてにっこりとその猫のような目を細くして、妖艶な表情で笑った。
歯車博士は、まめまきの座っている椅子の大理石のテーブルを挟んで正面にあるまめまきの座っている豪華な椅子と同じ椅子に座った。
そして歯車博士はまめまきをみて、にっこりと笑った。
そんな歯車博士を見て、まめまきは嬉しそうに、猫のような表情で笑った。
「君は本当に猫に似ているね」歯車博士は言う。
「もしお好みでしたら、猫耳と猫の尻尾でもつけてきましょうか? それで、もしご所望なら、にゃーって鳴いて、猫の真似でもしてみせますよ?」と(いたずらっ子の顔をして)まめまきは言った。
「いや、別にいいよ。君はそのままでいい。そのままで君は十分綺麗だよ。とても魅力的だ。猫に似ている、なんて言ってすまなかったね。まめまき」と歯車博士は言った。
そんな歯車博士の言葉を聞いて、まめまきはその嬉しそうな顔をほんのりと赤くした。(なんだかちょっとだけ、このまま博士にずっと甘えていたいと思った。本物の猫のように、博士の膝の上に頭を乗せながら、髪の毛をゆっくりと撫でてもらいたいと思った。とても安心して、なんの心配もせずに、ぐっすりと眠れるように……)




