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そこには無数の、いや、これは、数はわからない。わからないけど、きっと数百、数千、……いや、あるいは、もっとかもしれない。
そんなすごい数の『人間の形をしたもの』たちが、まるで、巨大な山のようになって、黒い海の上に浮かんでいた。(黒い海は、もしかしたら、黒く見えるだけで、……それは大量の赤い血液なのかもしれない、とまめまきは思った)
まめまきはその人間の形をしものを、最初、『本物の人間の死体』だと思った。でもそれはどうやら違うようだ。(『世紀の天才マッドサイエンティストである浮雲ひまわりの犯罪の傾向』からしても、こうした直接的、あるいは物理的な猟奇的犯罪はあまり可能性が高くないように推理された)
これは、……人形?
……そうか。ここは、(つまり、幽霊の街の外側の巨大な穴は)幽霊のなりそこないたちの巨大なごみ捨て場、だったっていうことか……。
まめまきはそんなことを思いながら、巨大な人形の山を観察した。
「みちびき。SOS反応はどこから発信されている?」
『まめまき。おそらくは、あの人形の山の中からだと思われます。もしかしたら、『生きている人形がいるのかもしれません』。まめまき。どうしますか? SOS信号を頼りにその人形を探し出して、……その生きた人形を助けますか?』
「もちろん。助けるに決まってるじゃん。そのために私は『この場所(幽霊ホロウの街)』にきたんだからさ」まめまきは言う。
そういうと、まめまきの行動は早かった。
まめまきはロープの端っこで、(足をロープの持ち手に引っ掛けて)まるでサーカスの綱渡りの団員のように、(あるいは、まるで曲芸師のように)動いて、体の上下を逆さまにして、反動をつけると、そこからSOS信号の発信されている人形の山の上にジャンプをして移動をしようとした。
まめまきの体はだんだんと変化をして、またポニーテールの髪と同じ色をした胡桃色の猫のような耳と、尻尾がまめまきの体からは生えていた。
まめまきの目は猫のように闇の中で美しい月のように光って、もう特殊な双眼鏡がなくても、闇の世界の中を見通すことができるようになった。
まめまきがタイミングを確かめて、そこにジャンプしようとした、そのときだった。
『……だめです。そっちにいってはいけません』
そんな不思議な声が、『直接、なんの装置も介さずに』まめまきの頭の中に聞こえてきた。
「え?」
ジャンプすることをやめて、まめまきは言う。(その声は小さな女の子の声だった)
「みちびき。今の声、聞こえた?」
『声? いいえ。声はどこからも聞こえてきていません。エラー。コード。エラーです!』とみちびきは(珍しく慌てた様子で)まめまきに言った。




