師匠、やっぱりあんたは凄いよ。
洞窟を利用した牢屋から、引っ張り出されて、見たこともない眩しく、長い、長い廊下をひたすら歩かされているのだけれど、相変わらず、手枷と足枷は付いたまま、私の案内人は声をかけても返事をしてくれない。
私は、あまり森から出たことがない。
師匠から、聞いただけ、師匠の友人から聞いただけしか知識がない。
長い廊下にある絵は誰かわからない。
北の森では見たことのない花が飾られてある。
あれは、薬草か。それとも、ただの観賞用か。
あ!なにあれ!キラキラしてる?魔石?魔石だからキラキラしてんのか?!おー、凄いな!もっと、近くでみたい!
「ぐふっ。」
忙しく回りを見渡していたら、前を歩いていた案内人の背中に激突した。
「着いたぞ。」
案内人よ、馬鹿でごめんな。見たことないものいっぱいで気になるんだもの。許しておくれよ。
連れてこられたのは、大きなきらきらの扉の前だ。
あー、なんか偉い人がいそう。
そう、思いました。
扉の向こうにいたのは、王様って奴だった。
「我が国は、小さな国ながら土地に恵まれているものの、恵まれた土地を狙った戦争が絶えない。今回お呼びしたのは、実は、ですなぁ。」
ニヤニヤと、気持ち悪い笑みを浮かべた王様は、ベラベラと自国について語り続けていた。
ようやく、話す気になった本題は、かの有名な魔女様に我が国のため、隣国の王子様を呪って欲しいのだとか。
呪いを解くには姫様の口づけ必須の呪いをかけて欲しい。
この辺の国々で姫がいるのは、我が国だけ。
つまり!呪いを解くには我が国と仲良くしないといけなくなるよね!私ってなんて頭良いんだろう!
以上、王様からの依頼内容でした。
「お断りします。」
嫌なら嫌とはっきり言いなさい。そう、私は師匠に教わりました。
首には冷たい剣の切っ先が当たります。
案内人が私の首に剣を当てているのだから、当然か。




