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話のはじまり。
昔、昔、あるところにそれは、それは、有名な魔女がおりました。
国と国を渡り歩き、金を積めば悪役だってこなす万能な魔女でした。
ある時は、姫に呪いをかけ…。
ある時は、国を転覆させ…。
また、ある時は王子様を化け物に変えて…。
「合意だものいいじゃない。」
どれもこれも、相手様からの依頼だもの。
死んだふりをしていれば、大量の金貨が手に入る。
ある姫は、王子様と出会い結婚し…。
ある国は、再建。前の国より立派になった。
基本は、出会いがメインだ。
良い縁、結びますよ!
ここ最近は、そんな依頼ばかりだった。
長い長い時を人様の縁ばかりを結んで過ごした。
ちょっとした、寂しさが彼女にはあったのかもしれない。
彼女は、あるものを弟子にした。
最初で、最後の弟子を…。
弟子にいままでの自分の技術全て叩き込み、自らの行いをも全て話して聞かせた。
残念ながら、弟子はポンコツだった。
教えたことは、ほぼできず。自分の過去話も呆れた顔して聞くだけ。
だけど、それがなんだか新鮮で、彼女は違う楽しみを初めて知った。
彼女は、姿を消してしまった。
たった、一人の弟子の魔女を残して…。
そんな、ポンコツの弟子は立派な悪役の魔女になれたのだろうか?
たぶん、無理。




