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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第三章 二回戦
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3-45 交渉

「……仲間は裏切れない。敵の情報だけじゃダメ?」

「ダメだ。」

「仲間の情報、今伽藍が倒した天輪の情報だけじゃダメ?」

「……チッ。意外に強情だなお前。……分かったよ。ガキンチョを殺す趣味はねえ。それで手打ちにしてやる。……ただ趣味じゃなくても俺に歯向かおうとしたら即殺すからな。」


 右腕を自身の前に構えて爪を見せつけてくる。かなり硬く、鋭い爪。恐らくイヌ属の類なのだろう。口元から見える牙もかなり鋭い。


「し、従います! 殺さないで……!」

「おう、素直に話しゃなんもしねぇよ。ほら、さっさと吐け。でねぇとーー。」


 ーー目の前からキバの姿が消える。

 ーー首元には冷たく硬い感触。


「こんな風にサクッと殺(や)っちまうことになるからな。」


 目では全く追えず、音もしなかった。とんでもなく早い。


「ちなみに、今はまだな(・)ん(・)も(・)使(・)っ(・)て(・)ね(・)ぇ(・)。素の状態でこれだからな。賢いテメェらならわかんだろ?」

「おっけー。逆らわない。でも首元にこれ押し付けられてると怖くて喋れないかも。」

「はっ。そんなタマかよ。……まあいい。ほれ、引っ込めたから早く喋れ。伽藍がどっか行っちまう。」


 爪を下げ、手が届かない範囲まで移動するキバ。背に腹はかえられないので、天輪と今までの敵の情報を全て話す。


「……はーん。なるほどな。とりあえず1番ヤベェのは“Queen“ってヤツだな。」

「よくわからなかったけど全く動かなかった。」

「確実に行動阻害だろ。一回経験したがありゃ反則級だ。」

「……他で戦ったの?」

「……チッ。テメェで勝手に考えやがれ。」


 思わず情報を手に入れられたのはらっきー。話を聞いたキバはす魔ほでボソボソと通話を始める。少ししか聞き取れない。


「……ああ。……で……らしい。……“青……“。……そうだ。」

(“青“……? だれ……? Queenと同じ力のやつ……?)

「これから……ああ。……伽藍……わかった。」


 通話を終えたらしく、キバはこちらに向き直る。


「オラ、これで終わりだ。もう行っていいぞ。」

「背後(うしろ)から攻撃ーー」

「しねぇよ、しつけぇな! ……ったく、俺が先に行きゃいいんだろ、めんどくせぇケモ耳だな……。」

「……紅狐。」

「あん?」

「私の名前。この子はあーちゃん。」

「……はっ! お前やっぱ面白えな。仲間にしとくんだったぜ。」

「わたしとアナタ、キャラ被る。」

「違(ちげ)ぇねぇ。はははっ! ……まあオレは行くわ。次会ったら多分戦うことになるだろうから精々気をつけろよ。じゃあな。」


 ヒラヒラと手を振り、キバは去った。後に残ったのはわたしとあーちゃん、そして伽藍の作った攻撃の痕だけ。

 天輪も伽藍の攻撃で殺されてしまい、粒子となって消えちゃった。……わんちゃんに合流しないと。



 ーー天輪:0/90。

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