3-27 絶望2
「あっれー? ハズレちったかー? 久々だとダメだなー!」
神様は『天弓』なる技で、俺のことを射抜こうとしていたらしい。巫山戯んな! あんなもん食らったら即死だろうが!
「うーん、それならやっぱコッチの方が良いよね! うんうん!」
天弓用の弓を手放し、大槌に持ち替える。どちらにしても凶悪すぎる。一々相手してられるか! 神様の攻撃で壊れた壁の穴を拡張すべく、密着している手を強引に引っ張る。
神様の攻撃のおかげで、見えない壁は即座に壊れたらしく、ガシャンガシャン、と音を立てて手を腰の位置まで持ってくることができた。
「いっくぞー!!」
「くんな! 『鎌鼬』っ!!」
近寄ってくる神様に向けて鎌鼬を放つ。大槌で防いではいたが、一部体に当たった。
ーー¥%$:♪*9998/9999
(はぁ⁉︎⁉︎ なんだよその数字⁉︎⁉︎ それに1しかダメージ通らないとかそんなのありかよ⁉︎⁉︎)
名前は見えなかったが、HP最大値と現在HP。どう見ても敵うはずがない。まさしく桁違いだった。
「いてて、やるねぇ狗くん!」
「1しか通ってねぇじゃねぇか! 何がいててだ!」
「いやぁ、久しぶりだよ〜。僕にダメージ与えてきた奴は。成長してるねぇ、感心感心!」
うんうん、と頷く神様。ヤバい、本格的に詰み始めてる。何をしてもいい、なんとか本拠地まで逃げなければ……! 全速力で空を駆ける。
幸い、本拠地までの距離はそう遠くない。やり方次第では、なんとか辿り着けるかもしれない!
「うーん、久々に骨のある奴と会っちゃったしなぁ〜。どうしようかなぁ〜?」
「このまま見逃す、なんて話にはーー」
「なるわけないだろ。神、舐めてんのか?」
豪ッ! と神様からの圧が強まる。無表情だが威圧感が凄い。更にやる気になりやがった……!
「そうだ! さっきのやつには使えなかったし、これにしよう!」
「まだあんのか⁉︎⁉︎」
無表情から一転、俺を追いつつもニコニコしながら懐に手を入れる神様。何が飛び出てきやがる……⁉︎⁉︎
「じゃーん! 『嘆キノ刀』!!」
ーーオォォォオォォ!!
神様が取り出した刀から、一際大きな音が聞こえる。耳障りで不愉快な、悲鳴のような怨嗟の声だ。
「久しぶりだねー、ゲキ! 今日はたくさん遊んでやるからなー!」
「おいおい、どんだけ武器取り出してくんだよ……!」
「まだまだあるよー? ……でもまあ、君にはここまでかな? 他の奴にも残しておきたいし!」
ーーオォォォオォォ!!
再度、嘆キノ刀から音が鳴る。準備万端ってことだろう。その音を聴き、神様は刀を中段に構える。
「さて……狗くん。簡単に死んでくれるなよ?」
いつもお読みいただきありがとうございます。
つまらないと思いましたら☆1、面白いと思っていただけたら☆5評価をいただけると嬉しいです。
感想欄にてご意見もお待ちしておりますので、御指摘、感想をいただけると幸いです。