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聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第三章 青年時代〜サンガル
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クロス村

クロス村に変更しました。

アツイ様、なんであんなにそっけないんだろう。

僕のこと、嫌になったのかな。


ううん!違うもん!

アツイ様はきっと、戦争が気になって僕を愛することが出来ないんだ。


だって、あんな・・・ポッ

ああ、キスしてくれた。僕のほっぺと口に。

ああ、なんて幸せなんだ。


アルでもイルでも騎士のみんなとも全然違う。

触れただけで、あんな気持ちになるなんて。


でも・・・アツイ様は僕と同じ感じじゃなかった。なんでだろう?

僕が、僕だけが、アツイ様をお救い出来るのを知ってるはずなのに。


もしかして、今アツイ様は幸せなの?

ううん!そんなはずない。

だって、モヤは無くなってなかった。

僕じゃなきゃ、モヤを晴らすことは出来ないんだ!


アツイ様、お可哀想。

あ、そういえば、アツイ様の側にジャックがいたような・・・

そっか、アツイ様の護衛が出来るまでになったんだ!

ジャック、頑張ったんだな。


僕もクヨクヨしないで頑張らなきゃ!

アツイ様に愛してもらうために、人を助けなきゃ!


ほんとは僕はそんなことより、早くアツイ様と一緒になりたいんだけどな。

ああ、考えるだけで、アソコが大きくなる。

アツイ様、アツイ様、アツイ様!ん!ん!

アッ、思わず手で出しちゃった。


「ヨルン、ごめん。出ちゃった。」


馬の上でアツイ様の事を考えてたから、馬の立て髪に僕の白いのが飛んじゃった。


ヨルンの口元がヒクヒクする。

「ええ、飛びましたね。元気な事で。

もうすぐ、クロス村に着きます。

ほぼ半日、ここまでの街道で誰一人と会いませんでしたね。

周りは荒地なので、わざわざ他の道を通ることもないでしょうし。

本当に何かおかしな事になっているようです。

サムイ様、村に着いても馬に乗りながら様子を見ますので

何を見ても降りようとしないで下さい。」


「ん?見るだけで馬から降りちゃダメ。わかったよ。」


※※※※


はあ。ヨルンは懐から魔道具の水筒を出して、馬の背中に水をかける。

あとで、きちんと綺麗にするからな。


しかし、アツイ様の指摘したサムイ様の幼稚化は、俺はなぜ今まで放置してしまったのだろう。

神殿にいた時は、精神を病んでると気付いても、おかしいと思わなかった。

仕方ないと思ってしまった。


アツイ様と会って、目が醒めるような感覚があった。

これは、もしかすると神殿内がサムイ様のスキル化にあったせいか?

アツイ様のスキルで相殺され、いや上書きか?

それで通常の思考に戻ったと言う事か?


今は、サムイ様の行動に若干困惑している。

何故、馬の上で欲情しているんだ?

何故、自慰行為をしてまで出すんだ?

普通じゃないのが今なら分かる。

これが神殿内だったら、喜んで舐めていただろう。

それだけ、サムイ様のスキルは強力なのだ。


俺もジークも精神力は高い方なのに、それを上回る。

長く近くにいると蓄積されていくのか?

なんてことだ。

俺は今初めてサムイ様を恐ろしいと感じた。

この感覚も神殿では全く起きなかった。

ぬるま湯に浸かっていたところから、いきなり冬の外に放り出された気分だ。


恐らく、ジーク達も今同じ事を思っているだろう。


それでも、サムイ様は聖人で神から使わされたお方だ。

仕えることに異存はない。

ただ・・・今までの様には接することは出来ない。

どこまでこの意思が、正常に働いていられるかわからないが。

出来るだけ足掻いてみよう。

俺は死んで、アツイ様に仕える身になるのだからな。ハハハ


※※※※


クロス村の前に着いたが、門番がいない。

馬に乗りながら、村の中に入る。


人がいない。

いや、家の中にいるのか?


「ジーク!親衛隊に家の中を調べさせてこい!」


「はい!みんな二人一組で調査に当たれ!」


「は!」


皆、馬から降りて、いくつかの家の中に入っていく。


バタバタ、ガタガタ


「おい!誰かいるかー!」

「あ、おい大丈夫か?」

「うっ、これは!」


ドタドタドタドタ、

グエエエエ、ゴホゴホッ


「ジーク隊長!疫病です!!」

「こっちもです!死んで腐ってます!」


「生きている者を探せ!サムイ様に癒していただく!急げ!」


「は!」


「ヨルン!俺も行ってくる。サムイ様を頼んだぞ!」


「ああ、ここで待つ。」


 (おい、ここも皆死んでる!)

 (ああ、ここもだ。)

 (もう、生きてる者はいないのか?)

 (ああ、なんて事だ。神よ!)


皆が家の中を探していたが、誰も生きている気配がない。


「はあ、アツイ様は何か感じていたのかもしれないな。だから我々を先行して行かせたのか。

あの方は、どこまで考えて動いてるのだろう。

今なら分かる。ヨークにあの方は必要だ。

アツイ様が先の災厄の折、蟄居で済まされて本当に良かった。」


「ん?アツイ様の事?僕も王様に会えて良かった。

アツイ様の為に、みんなを癒せて良かったと思うよ?」


ああ、そうだったな。

サムイ様はアツイ様の災厄を癒して回っていたのだった。

サムイ様は何事もアツイ様中心で物事を考えられる。

それが良いか悪いかはわからないが、今の状態が良いとは思わない。

なんとかならないのだろうか。


と思案していて子供が近付いてくるのが、わからなかった。


「おじ、さ、ん、 だ、れ?」


馬の後方から声が聞こえて、振り返ると、

まだ、小さい子供がヨロヨロと近寄ってくる。


「おい!大丈夫か?今、助けてやるからな!」


と、馬を降りようとした瞬間、

ダーーーーン

と銃声が響き渡った。


な?なんだ?何か・・・・

ヨルンが下を向くと、胸近くから血が吹き出していた。

あ・・・


ヨルンはバランスを崩して、馬から落ちた。

横目で先程の子供を見ると、鉄の筒から湯気が立ち上っていた。


あれか、アツイ様の護衛が話していたのは・・・


血が止めどなく流れていく。

失血しすぎて、気が遠くなってきた。


音に気付いた親衛隊達がこっちへ走ってくる。


止まれ・・・、と ま れ・・・・・

ヨルンは気を失った。


※※※※※


「おいおい!本当に死にかける奴がどこにいる!

俺は死んだと思って配下になれとはいったが、死んだ奴を配下にするつもりはないぞ!」


気が付くと、なぜかアツイ様に怒られていた。


「俺は助かったのか?皆は?サムイ様は?」


「聞くまでもないだろ!みんな無事だよ!死にそうなのはお前だ・け・だ!」


「ああ、そうか。良かった。」


「ちっとも良くねーよ。サムイがいたから助かっただけだ。」


「あの子供は?」


「サンガルの子供か?この街で生き残ってたのはあの子供だけだったよ。

あとは、みんな死んでた。

ここは、後からくる王都騎士団に任せるよう、伝令をだした。

あ、勝手に神殿の奴使ったからな。すまん。」


「ふっ、そんな事、俺の主人なんだから、使っても文句言いませんよ。」


「そうか?ならまあ。で、身体はどうなんだ?」


「ええ、血を失ったので、軽いめまいはしますが、身体はほら、この通り。」

と服を捲って、綺麗に治っている肌を見せた。


「お!お前!すっげーいい胸筋してんな!

うちの騎士らより鍛えてるのか?

うーん、あれでもまだ足りないと・・・

あとで、筋トレ方法教えてくれよ!よろしくな!」


「プッ、あっははははは!いいですとも。喜んで!」


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