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聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第三章 青年時代〜サンガル
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欲求不満

ひとまず、橋の上での再会はさておき、サンガルの事を片付けてしまいたい。


へばりつくサムイを放置したまま、アイスに話しかける。

「アイス!とりあえず、事を進めよう。ここで時間を食うのは惜しい。」


「は!では、ロガン、ラック、スレイ、タールで守備隊本部へ先に行って

先程の内容を話して来て下さい。

荷馬車が用意出来れば、そのまま守備隊に同行お願いします。

スレイとタールは、守備隊への報告後、こちらに合流して下さい。

私達は、今からこの神殿騎士団と話をしてから、ダイバオで王都へ向かう準備をします。

荷馬車は1台置いて行って下さい。」


「了解した。」

「は!では後ほど!」


4人は荷馬車に乗り込み、ダイバオへ向かった。


「さて、神殿騎士団の皆さんは、どこまで何を協力していただけるんですかね?」


「あー、サムイ様が行く所なら、護衛として付いていく。

もし、サンガルと戦闘になった場合も、戦わせていただく。」

と、団長ヨルンが答えた。


「私達、親衛隊も同様です。サンガル王都まで行くのでしょう?

今、ダイバオで準備しており、出来次第早馬で届けてくれる様に依頼済みです。」


「それは上々、私達も今からダイバオへ戻り、サンガル王都までの準備に取り掛かります。

少々時間がかかるやも知れないので、

もし、よろしければ、神殿騎士団の方々で、王都までの道のりを先行して見て来ていただけると助かります。

ああ、サンガル兵は銃を持っているのはご存知ですか?」


「あ、え?あー、いえ、銃ですか?初めて聞きます。どんなものでしょう?」


「このようなものです。」

と荷馬車に積んであった、サンガル兵が置いて行った銃を見せる。


「この引き金を引くと、鉛玉が勢いよく出ます。

当たると貫通して、死ぬ場合がありますのでお気をつけ下さい。

ああ、サムイ様とおっしゃいましたか?

癒しの力が使えると言う事ですので、万が一の事も考えて、一緒に同行されてはいかがでしょう?」


「それは、出来かねます!サムイ様を危険に晒す訳には参りません!」


「僕はアツイ様と一緒がいい!」


まあ、そうだよなあ、ずっと引っ付いて離れないしな。

これ、神殿騎士団がそう言うのわかってて話振ってるだろー。

はあ、アイスがイラついてるのがよく分かるわ。

言葉の端々が嫌味っぽく聞こえる。


「サムイ、俺は一旦ダイバオに戻る。

ヨルン!サムイが行けば、お前達で次の街辺りまで先行して行けるか?

神殿騎士団だから、サンガル兵も撃ってこないだろ。

このサンガル国境の街も食料が無くて、餓死しそうな奴らばかりだった。

恐らく、次の街も同じだと思う。

出来れば、食料を多めに持って行って、炊き出し、あ、いや何か食べれる物をあげて来て欲しい。

サムイ、なあ、お前癒しの力が使えるんだろ?

もし、死にそうな人がいたら、お前はどうする?」


「え?そんなの助けるに決まってるよ。」


「なら、今は俺よりも、サンガルで困っている人を助けてやってくれないか?」


「え?でもサンガルと戦争してるんだよね?なのにサンガルの人を助けていいの?」


「お前は、死にかけているのが、敵国の人間だから助けないのか?

街の人は戦争したいと思ってなくても?

大概は、戦争したい人間は、王様とか、兵隊の偉い人とか権力者が多いんだ。

街の人の事まで考えてないんだよ。

だから、せめて助けて欲しいと言う人だけでも助けてやってくれ。頼む。」


「せっかくアツイ様に会えたのにーーー!

イヤイヤイヤーー!、ヨルン達だけで行けばいいじゃないかー!

ヨルン行ってらっしゃい!」


「サムイ!ヨルン達は、お前を護衛するのが任務なんだ。

お前が行かないと行けないんだよ。

俺の頼みは聞いてくれないのか?」


「ううー!わかった。聞くよー。

でも、でも、僕とゆっくり出来る時間を作ってね?

一緒に愛し合うんだ!いいでしょ?約束して!」


「ああ、約束するよ。頼み聞いてくれてありがとな。サムイ。」

チュっとほっぺにキスをした。


「はああー、ほっぺにチュウだけで、僕、僕もうーー」


「ヨルン!サムイを頼む!」


「分かりました。サムイ様、では参りましょう。」


ヨルンは、サムイを俺から引っぺがして、自分の馬に乗せた。


「じゃあ、次の街で合流しよう。サムイ、気をつけてな」


「うん!待ってるから、早く来てね!」


「ああ」


ヨルンがサムイの後ろに乗る。

「アツイ様、俺は、あなた様の事を勘違いしておりました。

サムイ様の顔を直に見て、何も普段と変わらない。

それどころか、サムイ様を諭し教えることも出来る。

俺はてっきり、アツイ様がサムイ様の事を誑かしたのだと思っていました。

ご自分の保身のためにサムイ様を連れて行くんだろうと。

申し訳ありません。とんでもない勘違いでした。

これから、末長く俺の主人としてお仕えさせて下さい。」


ペコリ


「では!行くぞ!神の名のもとに!ハイヤー!」

「は!神の名の下に!」


パッカパッカ と神殿騎士団の団体さんが馬を駆けさせて去っていった。


はあああああ、疲れたー!

あ!

「ジャック!忘れてた!お前サムイと一緒に行きたかったか?

もし行きたいなら今からでも!」


「プハッ、アツイ様、そんな気を回さなくていいですよ!

俺は、今はアツイ様の護衛です。仕事を放り出していきませんよ。

それに・・・、サムイ様には沢山の護衛が付いていますしね。

俺は、仕事じゃなくても、アツイ様をお守りしたいです。」


「アツイ様!ジャックの事なんて考えなくていいんです!

私の事だけを考えて下さいー!

あ!アツイ様、お顔がまたもやモヤに覆われてしまいましたね。

このくらい離れるとサムイ様のスキル範囲外なんですね。

んー、大体、レイグリットの城の1階から見張り台くらいまででしょうか。

思った以上に広範囲です。」


「さあ、我々も行きましょう。俺が御者をしますよ。

どうせアイスはアツイ様に抱きつきたいでしょうしね。」


「よくわかってますね。その通りです。

さあ、アツイ様!荷馬車に乗りましょう。

そして抱きつかせて下さいね。」


「お前達、いつの間に仲良くなったんだ?」


俺はアイスの膝の上に乗せられ、マントの中をサワサワされて、

ずっと舌を吸われながらダイバオまで戻った。


どんだけ欲求不満なんだよ!


ヨルン (もしかしてサムイ様よりアツイ様のスキルの方が上位なのかもな。)

ジーク (私も思いました。天運より上位ってないんじゃないです?)

ヨルン (ああ、厄運だけなら天運より下だが・・・、確か生まれた時母親が死んだんだったか。)

ジーク (だとすると、悲運と厄運のダブルスキルかもしれませんね。)

ヨルン (それはまた、難儀だな、なのにあのように立派な人物になるとは。)

ジーク (神の思し召しですね。神に祝福を!)

ヨルン (ああ、神に祝福を!)

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