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聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第二章 青年時代〜王都
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神官長の名前はヴィラン

ああ、なんてことでしょう。


せっかく神に近しい方がこの神殿にいらしていただけたのに

18歳になったら契約した所へ行かねばならないなんて!

どこのどなたか聞いても答えてもらえないし。

護衛の男は、先にそこへ行って待ってると言うし。


お年を聞いたら15歳と言うではありませんか。

あと、3年しか残されていない。

もっと早く見つけていれば!


焦っても仕方ありませんね。

一旦、落ち着きましょう。

ふーー


もう、外が暗くなってきました。

まず、すぐ必要なのは、サムイ様がお休みできる場所ですね。

皆が寝泊まりしている所へ、サムイ様を寝かせられません。


そうそう。貴賓室が空いておりました。

あそこは貴族が滞在できる様になっており

神官、下働きの者が目に入らない構造なっています。

そこで寝ていただきましょう。

あと衣服は、一番上等な物を用意しましょう。


私も、護衛の男の言う様に、サムイ様に眼鏡をずっと掛けたままに

させるのは違うように思います。

ここにいられる間は寛いで過ごしていただきたい。


そうだ、身の回りの世話は、子供にさせましょう。

問題が起こっても、大人より深刻にはならないようですし。


あとは、神殿内の大掃除ですね。

悪事を働くものにこの神殿にはいて欲しくありませんから。


本当に神のご加護を賜ったようです。

ああ、神よ。ああ、サムイ様。


さあ、忙しくなりますよ!

気合いをいれろ、ヴィラン!


用事があるからと、一旦退出しましたが、

ここから仕切り直しです。


コンコン


「サムイ様、お部屋へご案内します。ついて来て下さい。」


「!!何をしているのですか?ヨルン団長?」


「あ、ああいや、さっきの神殿長が舐めた所が気になって、

清めねばとおみ足を拭いて差し上げていたのだが、

気持ち良かったのか、寝てしまわれてな。

それで・・・」


「それでなぜサムイ様に、ハ・ダ・カ で覆い被さっているのですか!」


「ああ、いや、サムイ様が寒いのではないかと、

俺の体温で暖めてあげようと思い、つい。」


「つい、ではありません!駄洒落も要りません!

全く、油断も隙もないのですから。

早く服を着て下さい!」


「そんなに怒鳴らなくても。

ヴィラン殿とて、同じだと思うぞ?」


「そ、それは・・・自制です!とにかくお部屋へ・・・

またあなたに頼るのはどうかとは思いますが、

サムイ様をお部屋まで抱き上げて行っていただけますか?

不本意ですが、私では抱えられませんし。」


「了解した。」


サムイを横抱きにしてヴィランの後ろを追って歩き出す。

ヨルンはサムイの顔をじっと見て、

「護衛がいるな。」

とボソッとこぼした。


「ええ、そうですね。

なぜ、あの護衛の男は、神殿騎士に志願しなかったのでしょうか。

一緒に過ごせる可能性もあったのに。」


「そいつは、平民なんだろう?

なら下積みからになるから、神殿の内部に入れるのに3年以上かかる。

それに上手くやったとしても、一度神殿騎士になれば、

神に忠誠を誓うから、早々、神殿騎士団から抜ける事は出来ん。

・・・そいつ、賢いな。

ちゃんとわかっていて、その先へ行ったんだろう。」


「なんとまあ。忠誠は神ではなく、サムイ様だ、と言う事ですね。」


「この方に仕えれるなら、と考える神官、騎士はこれからも出てくるだろう。

クックック、神殿が無くなるかもな。」


「笑い事ではありませんよ。」


「我々は悪巧みをする訳にいきません。

神殿長みたいなるのは、勘弁願いたい。

さすれば、サムイ様のされたい様に我らは動くのみです。

サムイ様はどうも考え方がお優しいようなので、

不穏な輩を近付かせたくありません。

何かあっても、すぐ、お許しになってしまわれる。

はあ、これはかなり心配です。

なので、いつでも目の届く所で護衛が要ります。

ヨルン団長、数人交代で騎士団から護衛任務をお願いしても?」


「勿論、了解した。騎士はこちらで厳選しよう。」


「ああ、ここです。このベッドへ寝かせてあげて下さい。」


そっと、ベッドへ寝かせ、キルトケットを掛け、

眼鏡を外してベッド横の小テーブルに置いた。


「では、サムイ様、今日はお疲れ様でした。

ゆっくりお休みください。」

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