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外出先は外と王城

はああーーーーー、気持ちいいーー!


アツイ 10歳


今日は天気もいいし、絶好のぼっち日和。


あれから、ルーバには根掘り葉掘り聞かれたが、

適当に答えて、サムイの事は知られていない。


マントの形状変化は意思伝達して、丁度いいくらいに丸々ように設定済。

ただ、まあ、やっぱり家ん中でマントを着るのは抵抗あって、

着るのは外行く時だけにしている。


やっぱ前世ん時の生活って引きずるよなあー

家でコート着たままとか、俺的には絶対ない。

むしろ、おれは、マッパで過ごすタイプなんで

なんか着てると寛げないんだよな〜


まー、下女にはグチグチいわれたが。

俺、一応、ここで1番偉いんだけどー

下女如きに文句言われて、どうなん?

っとは思ったけどさー

解雇出来ないし。

それに身の回りの世話やってくれてるから、

いなくなると困る。

コイツ、ほんと何のスキル持ちなんだか。

モヤが見えてるってことは、

ルーバよりは、スキルは下なんだよな。

まーなんでもいいけど。


はあー、

でも、あれから色々変わったなあ。

まず、週1でグレイ率いる近衛が一緒になって鍛錬することになった。

そして、王から外へ出る時の注意事項と必須条件を受け、

ルーバと話し合って、ひと月に一回、外へ出る日を作った。


今日は、外へ出る日で、王都に隣接している山に来ている。

王都より外に出る時は、近衛を数人連れて行く事が王の条件の一つだ。


「アツイさまーー!どこですー?」


で、俺はと言うと、山の中腹くらいから、馬蹴って、近衛を振り切り、

山の見晴らしのいい原っぱで、大の字になって休憩している。

馬はその辺の草を食んでいる。


俺は、ひとりのが落ち着くんだーー!

ルーバは本当にずっと傍離れないし、

ほんと、何であいつ、トイレまで付いてくんだよ。

最初に外出た日に、自分が一緒に行けなかったからって

そこまでするかー?

あれはぜってー嫌がらせに決まってる。


で、俺はひとりになりたい。

近衛には悪いけどな。


「アツイさまー!どこにいらっしゃいますかー?あ、あそこにアツイ様の馬がー」


あー、もう見つかったーー

もうちょっとぼっち日和を楽しんでいたかったんだが。


「しっ、アツイ様が寛いでいらっしゃる。静かに!、我らはこの辺から護衛するとしよう。」


ああ、この声はグレイだな。ありがてー。

じゃ、お言葉に甘えて。

ふぁあああー、ちょっと寝るわー

クー、クー


「アツイ様は、毎日、あの鍛錬をしてるんだもんなー。

そりゃ、たまには1人でゆっくりしたいよな」


「ああ、アツイ様はすごい。俺たちでさえ、途中倒れ込むのに、

最後までやり切るよな。」


「まだ10歳だというのに、本当にしっかりしてらっしゃる。」


「ああ、俺も一緒に訓練させてもらって、アツイ様が10歳って忘れるくらいだ。」


「マントを着るようになって、俺たちも近付けるようになって、本当に良かった。」


「ところでグレイ隊長、アツイ様が10歳におなりになったと言う事は、

公爵を継ぐ事になるのですよね。」


「ああ、そうだな。襲爵の為に王城から使者が来ていたと聞いている。

アツイ様はマントを着ていれば王に会う事は出来るだろう。

この5年、アツイ様近辺で不運は起こっていないしな。」


「そうですね。ルーバ様が来てから今まで誰も死んでおりません。」


「こら!そう言う事は口に出して言うな。不運で通せ。」


「は!申し訳ありません!気をつけます!」


「ああ、もし、アツイ様に聞かれては、聡いお方だ、気に病まれてしまうだろう。」


「はい。訓練中でも、我らを気遣って話かけてもらったりしておりますゆえ、

お優しいお方です。」


「そうだな。我らは、いい主君に仕えられて、望外の極みと心得よ」


「「 はっ!! 」」


うるせーーー!



----------

アツイ様が外へお出かけなっている間に、王への謁見を求め、王城にきたが、

まだ、王には会えていない。

どこまで話そうか、どう話そうかと

色々悩んではいるが、

事実のみを言わざるえないだろう。


アツイ様の熟すのが想定よりも早過ぎる。

これでは、あと数年で、私のスキルが効かなくなってしまう。

これまで、昼も夜もずっと、私の愛で包んでお育てしてきたのに、

このままだと、アツイ様のスキルが上回ってしまう。

そうなれば、もう私にはどうする事も出来ない。

最近は、少しずつだが、モヤが見え隠れするようになった。

屋敷の中でもマントを着て欲しいが、無理に着せることは出来ない。

マントが自己防衛機能を備えているからだ。

王は、なぜあのような機能を入れさせたのか。

不思議でならない。


どうか、これまでの私の愛が少しでもアツイ様のお心に届いていますように。


コンコン

ガチャ


「ルーバ様、王が謁見をお許しになりました。

こちらへどうぞ。」


「わかった。」


王の謁見の間へ通され、王へ臣下の礼をとる。


「マイカール王よ、急ぎお伝えしたい事がある。人払いを」


「な、ルーバ殿、そのような事は、」


「よい、皆下がれ。」


「は!」


「で、どうしたのだ。私の可愛い甥っ子に何かあったのか?

下女からは、問題ないと報告が上がっているが。」


「はい、実はアツイ様の成長著しく、私がお教えすることは、

もう数年を残すのみとなりました。」


「なに?もうなのか?まだ10になったばかりと聞いたぞ?」


「はい。精神年齢が高いのか、身体がそれに合わせて成長しているようです。」


「そ、そんな、な、なんとかならぬのか?」


「アツイ様を上回るスキル持ちは未だ見つかりませんか?」


「探してはいるのだがな。平民にそれらしき噂があったが、

その後何も音沙汰が無い。恐らく下女あたりと同じようなスキルなのだろう。」


「そうですか。では成長を少し妨げるお薬を使わせていただいてよろしいでしょうか?」


「それは・・・致し方ない。使うのを許そう。

しかし、具合が悪くなるようなら即刻中止してくれ。いいな?」


「はい、ご心配はおかけしません。ところで王よ、なぜアツイ様にあのようなマントを?」


「マント?何のことだ。」


「4年ほど前、王から頂いた、アツイ様用のマントですよ。

覚えておりませんか?」


「まて、何のことだ。マントなぞ贈っておらぬぞ」


「は?、王からの使いと言う者がきて、贈り物だと言ってマントを置いていきました。

てっきりマイカール王からかと。ではあのようなものを誰が・・・」


「そのマントはどのようなものなのか?」


「はい、アツイ様のスキルを遮断し、空いてる部分からも漏れないようにしてあります。

また、自己防衛機能とやらが付いているようで、アツイ様を自動で守るようになっております。」


「ならば良いではないか。誰かは知らぬが、願ったりかなったりではないか!」


「問題は、その自己防衛機能でございます。

アツイ様の思念を汲み取るようなので、

アツイ様がマントを着たくないと思えば、勝手に剥がれてしまいます。」


「なんと!そのような魔道具、聞いたことも見た事もない。

そのような貴重な物を一体誰が・・・」


「そこです。誰が何のために・・・」


「わからぬものに其方の時間をかけれまい。

それはこちらで調べるとしよう。

ところで、アツイの襲爵だがな。」


「はい、使いの者が来ましたので、存じております。」


「一度も会ってない甥っ子だが、王城へ連れてきても大丈夫かどうかを知りたい。」


「今の所はまだ大丈夫かと。マントは着たままになりますが、よろしいか?」


「ああ、得体の知れない物でも、今は役にたっているのだ。構わない。」


「承知いたしました。では良き日にアツイ様と連れ立って参りましょう。

アツイ様は、本当に良い子に育っておりますよ。」


「ああ、楽しみだ」

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