第11話 哀れなおっさんをレビューして見た
また再生回数:0か……何で誰も再生してくれないんだ? SNSのアカウントも毎日更新してるのに、一体どうして? わからないよ。
ここまで徹底的に見てくれないのに、それでもYouTuberを諦める気は微塵も無かった。
俺にとってYouTubeは人生……いや自分そのもの。俺からYouTubeを取ったら何も残らない。それほどの物だった。
どういう経緯でそのページにたどり着いたのかは俺自身ですら思い出せないが、気づいた時には『44のオッサンがポケモンGOを遊んでみたがさっぱり理解できなかった』
と語るブログにアクセスしていた。
こうなったら……炎上覚悟でやるか!?
翌日の金曜日。講義とサークル活動を終えて寝床のアパートに帰ってきた俺は早速部屋の中で動画撮影に入る。今回はカメラを使わずパソコンの画面を録画する機能を使っての撮影だ。
午後4時、撮影を開始する。
「はいどうもー。マックスありさわでーす。今回ご紹介するのはこちら!『44のオッサンがポケモンGOを遊んでみたがさっぱり理解できなかった』という
哀れなオッサンが書いているブログです! その哀れぶりを皆さんにご紹介したいと思いまーす!」
炎上覚悟のうえで、むしろ炎上でも良いから誰でもいいから注目されたくて、その撮影をスタートさせた。
『何というか甥や姪の間でポケモンGOが何年もの間ものすごく流行っているというので流行に乗っかってやる事にした。
まぁブログにアップすることでアクセス数稼げるかもしれないという淡い期待も込めでだが』
「いきなり自分のブログのアクセス数稼ぎという開き直りぶりが素晴らしいですね。ゲームを楽しむためじゃなくて最初から売名行為前提でゲームをやるというのがゲスいですねぇ!」
『さてこのポケモンGO、何とかゲームを開始したがキャラが全く動かない。
調べてみたのだがどうやら実際に歩かないとゲームが進行しない作りになっているらしい。何でまたそんな面倒な作りにしたんだろうか。
スマホゲームなんだから空いた時間にチョチョっとやるくらいで良いのに』
「これはひどい! いきなりポケモンGOのコンセプトから何やらを真っ向から全否定! ある意味最高です! いや~のっけから熱いです! やはりドラマがある!」
『で、歩いているとネズミだの鳥だのが出てくるのでポケモンボールなるボール状の武器をそのポケモンとかいう怪物にぶつけて退治するらしい』
「で、で、で、でた~! ポケモンボール! にわかがほざく適当なアイテム名第1位! いやー素敵です!
アイテム欄にもモンスターボールってきちんと書いてあるのにそれを華麗にスルー! 素晴らしい! 素晴らしいです!」
『こうやってポケモンなる怪物を捕まえるらしいがどう考えても殺してるとしか思えない。一応子供向けの配慮のためか捕まえた事にしているらしいがとてもそうとは思えない。今時の子供たちはこんな殺伐としたゲームを遊んでいるのかと思うとぞっとする』
「いや~さすがですねぇ。捕まえるってきちんと書いてるにもかかわらずそれをガン無視して自分の感性を重視する盛大なズレぶりが
凝り固まった固定概念を持つおっさんぶりをよ~く表現していて、哀れなおっさんの見本市といった感じです!」
『で、そのネズミだの鳥だのを殺していくと経験値が溜まってレベルアップする。
でも攻撃力も防御力も増えたという表示は出ないし、そもそもキャラクターのステータス画面らしい物がいくら探しても出てこない。詐欺じゃないのか?』
「トレーナーレベルというものを全く理解していません! というか理解する気力すら無いです! いやー老害ですねぇ!
いますよねぇこういう人! 説明書も読まずに自分の経験と勘頼りで何もかもを解決しちゃう人って! 嫌ですよね。こういうのを老害って言うんだよね」
『で、レベルが上がっていくと3つのジムとかいう物のどれかに入れと指示されたのでとりあえず黄色に入ることにした。
これからはジムバトルという要は闘技場での殺し合いに参加することが出来る様になってしまうらしい。そこまでして殺し合いをさせたいのか。酷い話だ』
「いや凄い。天然記念物クラスのオッサンだわコイツ。ポケモンバトルを全部殺し合いに変換してしまう発想のスケールがでかすぎてついていけない。普段コイツ何色のウ〇コ出してんだ? もう突っ込むのも疲れてきたわ」
『というわけでポケモンGOを遊んでみたがどこがおもしろいのかさっぱりわからなかった。もっとアンパンマンや水戸黄門のように分かりやすい物にしてくれないと困るというのが正直な感想だ。
さて、そんなアンパンマンや水戸黄門のように分かりやすくオッサンでも多分ポケモンGO現役世代でも楽しめるのがこの随筆『湿山水』
88ページの大ボリュームでお値段はなんと500円。Kindleさえあれば誰でも購入できます。詳しくはこちらのページまで。https://www.……』
「カッキーーーン!! トドメの一撃! 話題のニュースに乗っかるだけで結局やりたいことと言えば強引で無理矢理すぎる誘導で自分のコンテンツを買ってくれという宣伝!
金に困った哀れすぎるおっさんのグランドクロス! あまりにもテンプレすぎて存在自体を疑いたくなるほど! 最高です!」
終始相手の上げ足を取り続け、バカにし続けただけの動画撮影が終わった。
「今日の動画は以上となりまーす! この動画が良いなと思った方は、チャンネル登録と高評価を是非よろしくお願い致します!
チャンネル登録の後、ベルのマークの通知をオンにしていただければ最新の動画も見れますのでそちらもよろしくお願いします。
こんな企画してくださいとか、コメントも何でもOKですのでお待ちしています!
それではご視聴ありがとうございました!」
お決まりの締めを述べて早速編集だ。
動画自体の切り貼りと言った編集は少ないが、テロップや効果音を入れる作業はいつも以上に多い。
編集作業自体は軽く済んだので6時間編集作業を終え、午後11時に動画をアップロードする。
翌日、これならいけると思ってYouTubeの管理画面を見る。だが……
『マックスありさわ 哀れなおっさんをレビューして見た』
再生回数:0




