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男勝りの女友達と出かける事になり、待ち合わせ場所に行くと美少女が立っていた  作者:


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4話 僕は優しくなんて無い

「へ〜、アニメのグッズがこんなにあるんだね」


「そうだね」


 秋葉原のアニメショップのオタク達の中に一人だけ永井さんのような美人がいる状態である。輝きすぎて周りの男性達が逆に距離を取っている。気持ちは分かる。


 周囲のオタク達とは対照的に永井さんは有名アニメのグッズコーナーではしゃいでいる。


「ねえねえ、この中だったらどのキャラが好きなの?」


 永井さんはアニメの女性キャラ達のキーホルダーを指さして尋ねてきた。何か女子に好きなキャラ聞かれるってなんか気恥ずかしいな……。


「え、え〜と」


 仕方がないのでヒロインのキャラを指差す。無難な所を挙げれば引かれる事は無いはずだ。


「あ〜、やっぱり大人しい感じの子が好きなんだ?」


「えっ、いや、そういう訳じゃ……」


 僕が指したキャラは大和撫子っていう言葉が似合うようなおとなしめの女の子だ。いや、無難な所を選んだだけでそういう趣味って訳じゃない。


「やっぱりこういう奥ゆかしい女の子がみんな好きだよねえ」


「別にそんな事ないと思うけど」


 男の性癖は千差万別とも言うし。そう言っても永井さんは納得できないのか渋い顔をしている。


「そんなこと言ってさ。赤城君だって私みたいなガサツな女子は嫌でしょ?」


 永井さんは苦笑いをしながらそう呟く。


「そんな事無いよ。永井さん可愛いじゃん」


「えっ」


 僕は素直にそう答えた。頬が赤い永井さんを見て、今自分が言い放った言葉を考える。


「ち、違う。そういう事じゃなくて!!」


「可愛くないって事?」


「そういう事ではなくてえ……」


 情けない僕を見て永井さんは笑いながら僕の背中をバシバシ叩く。僕みたいなオタクが永井さんに何て事を。気持ち悪いと思われなかっただろうか。

 その後、店内をひとしきり回った後、外へ出る。


「今日は赤城君と一緒で楽しいなあ」


 今日の永井さん、出かけているからか学校よりテンションが高い気がする。まあ、僕と一緒に遊びに来て退屈じゃないみたいで安心する。


「良かったあ。僕と一緒でつまらないと思われないか不安だったからさ」


「私、赤城君と一緒にいてつまんなそうにしたことある?」


 永井さんは少し怒っているような気がする。まずい、俺変なこと言っちゃったか。


「そういう訳じゃないよ。僕って面白い話とか出来ないからさ」


 別にコミュニケーションが苦手という訳ではないが面白い話が出来る訳ではない。


「そんな事無い。漫画の話するの凄い楽しいもん。それに赤城君優しいからいつも私の話を聞いてくれるじゃん」


「僕は別に優しくなんて……」


 僕なんて永井さんみたいな可愛い女子と話すのが楽しいだけだ。だから全く優しくなんて無い。


「でも達也みたいに女子にゴリラとか絶対言わないじゃん」


 達也。御影君の名前だ。やっぱり二人は近しい関係なんだろう。正直、その名前を聞きたく無いと思ってしまう。そう思う僕はやっぱり優しくない。


「まあ、この話は良いじゃない」


「……、分かった。じゃあ行こっか?」


 その後、僕達は他の店を周り解散となった。僕は今日で永井さんと近付くことが出来ただろうか。




 そして週明け、僕はクラスで数少ない友達、太田龍之介おおた りゅうのすけを教室の外の廊下へ呼び出し永井さんと一緒に出かけた話をした。


「貴様、俺に惚気話をして楽しいか?」


「一緒に出かけたって惚気話になる?」


 龍之介は呆れた表情で僕を見ている。何だ、その顔は。


「ふふ、俺は女子と一度たりともデートの経験なんぞ無いぞ」


「僕だって別にデートじゃないでしょ」


「今、お前を殺したら俺が罰せられるの不公平だよな」


 とんでもない事言ってる自覚あるんだろうか。僕はため息を付く。


「まあ、でも永井さんか。御影と付き合ってるって噂じゃなかったか?」


「……」


 実際付き合ってるかは分からない。だが少なくとも僕より距離が近いのは確かだろう。


「わ、悪い。お前にもまだチャンスはあると思うぞ」


「そんな気休めは大丈夫だよ……」


 僕が落ち込んでいると思ったのか柄にもなく気を使ってくる。余計なお世話である。


「あっ、赤城く〜ん」


 僕達が廊下で黄昏れていると教室の扉からひょこっと永井さんが顔を出して僕を呼ぶ。うっ、扉から顔だけ出すの可愛いね。


「永井さん、何か用?」


「え、用がなきゃ話しちゃ駄目なの?」


 そんな事は無いと言おうと思ってふと横を見ると龍之介が固まっている。こいつ、女子耐性なさすぎるだろう。


「ねえ、今日昼休みさ。私達と一緒にご飯食べない?」


「え、僕が?」


 確か、永井さんって確か同じクラスの女子、柏木さんと一緒に食べてたよな。僕がそこへ混ざると凄い目立ちそうだ。断った方が良いかな。


「あ〜、俺、丁度昼休み用があるからそっちで食べれば?」


 僕が断ろうかとしたら龍之介が余計な気を回したのかアシストしてきた。


「本当?じゃあ一緒に食べようね!!じゃまた後で」


 永井さんは風のようにすうっと教室へ戻っていく。僕は龍之介の方を見るとウィンクしながらサムズアップしてきた。僕こそコイツをしばきたいと思った。

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