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ローズマリー --1--

きっかけはだいぶ前に遡る。まだゆずかちゃんが入院している時の話らしい。ゆずかちゃんと唄瑠は二人だけで交換日記をやっていたのは知っていたけれど、中身までは何も知らない。

ただその中に退院して残りの休みに旅行に行きたいという趣旨が書いてあったらしい。

女の子らしいといえばらしい。そう言えば日記は今どこにあるのだろうか。

まあそんなことは置いて気にしないとして、何処に行くかという事だ。

これについてはみんなの相談会議が行われた。のだけれども………


「旅行かーゆずかちゃんは行きたいところは?」

「んーと唄瑠さんの故郷ですかね!」

「故郷?」

確か福島だった気がするなーと記憶の中から引っ張り出す。福島ってなにかあったっけ?

「私の?何もないけど………」

戸惑いながらもなにかないかと頭の中から情報を引き出そうとしているようだが、なんの前触れもなく会話に入り込んできた人が居た。

「会津若松に猪苗代。高湯温泉に五色沼あとはー」

「UFOの里があったかな……?」

本当に物知りな月妃さん。僕らが感心しているとバンッと一枚の紙を置いてまたどこかへ消えていった。

「えーっと……旅行プランかなこれ?」

唄瑠が加味の内容を説明する。完全旅行計画書だ。

「会津若松の鶴ヶ城見てそこで一泊。次の日は…猪苗代湖と郡山か」

「私の地元には行かないみたいね。何もないから当然かな?」

ちょっと残念そうだった。それを聞いたゆずかちゃんも残念そうな顔だった。

「わらじ祭りは終わってしまったからなーー」

どこか遠くでそんなことを言ってる人もいた。


そんなわけで、僕はゆずかちゃん家族と唄瑠を乗せて北関東自動車道を月妃さんの趣味が盛りだくさん詰まった緑のヴィッツを飛ばしている。

「陽向さんはお仕事良く休めましたね」

「私でも驚いていますよ。簡単にお暇をいただけて」

気持ちが悪いほどの緑に囲まれている車内。僕以外全員が女性というのも落ち着かない原因かもしれない。

「月妃さんには感謝しませんと……」

その一言で僕は悟ったよ………あの人は本当に何者だ?

「あのー!お昼はどこで食べますか!!」

後部座席の元気な方。ゆずかちゃんは朝からすごい元気だ。

「んー予定では安達太良サービスエリアかな?あくまでも月妃さんプランの予定」

「うぇーー後何分?」

まだかまだかと急かすように質問攻め。

なるべく一定の速度でゆっくり行きたい僕。長旅は疲れるからね。

「あと?一時間ちょっとかな?お腹すいた?」

「お腹すいた!!」

僕の言葉に素直に返事。それも元気良くだから憎めない。

「仕方ないなぁ」

僕は仕方なく唄瑠に在れを出すよう頼んだ。

「お茶でも飲んで我慢しててくれ」

それに反撃するようにゆずかちゃんは高らかに言った。


「お腹は我慢できるけど生理現象は我慢できないからね!!」

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