2. 企
交通事故で亡くなってしまったケンジ。天界ではなく妖界に来てしまって出会ったのはエラーという人物だった。エラーはケンジを家まで連れて行き、四界の説明をし始める。ケンジは今起きている状況に困惑しつつも、死んだ後は天国ではないことを理解する。
僕はワクワクしている。
なぜかって?そりゃ、今とてつもなく面白い出来事が起こっているからだ。
生きている時よりもね。
———「...僕は妖界にいると。」
天界に行くはずの僕は4つの界のうちの一つ『妖界』にきてしまっている。
「あぁ、これじゃ君は転生前ってことで人間のままここにいるってことになる。」
エラーはすぐ人を不安にさせるような言い方をする。
「何かヤバい感じですか...?」
「かなりな....。」
異世界ものは人間を弱い生き物と思われがちだ。
まさか、食べたりとか、襲ったりとかか?死んでまた死ぬなんてごめんだぞ。
「それは一体....。」
「妖界の住民、奴らは人間を...」
「人間を....?」
ゴクリ.....。とアニメのような唾を飲む。
「神様扱いしているんだ。」
「かみ、さま?なんで人間が?」
「最初は妖人だって人間を弱い生き物だと見ていたそうだが、世界(人間界)に降りた途端、頭の毛がない人に追い出されて「人間は強い生き物だ」、と認識を改めたらしい。」
「へ、へぇ」
ご先祖には感謝しないとな。ナムナム.......。
「だからこうしているのを見られたら、私はこれから神様に何か企んでいる変なやつになってしまう。」
「なるほど、というか妖人っているんですね。人間とは別の」
「そうか、その説明が足りていなかったな。四界にはそれぞれ住んでる奴らが違ってな。妖界は妖人。魔界は魔人。天界は天人。世界は人間だ。」
意外とわかりやすい。そのまんまだ。
そう私は今日いち理解したような頷きをする。
「けど、天界には返してやれない。四界は今、少し険悪な雰囲気でな。だからお前にはここで生活してもらう。」
「こ、ここで!?」
生きていた時代でさえ大変だったのを死んでもなお経験しないとなのか。あまり乗り気ではない。
「だからお前は妖人の持つ力、妖力を扱わないといけない。」
そのまんまなネーミング。だが、厨二心はくすぐられるぞ。
「よく見てろ。」
そう言いながら外に手を突き出し、美しい翡翠のような球を放つ。
「す、すごい。」
「これは基礎中の基礎の『妖力弾』だ。」
....やっぱりネーミングはそうなるんだ。
不気味な苦笑いをしながらそう感じる。
「けどかっこいい!」
「けど?」
「あぁ、いやかっこいいです!だけど僕はこんな力ないですし、非力な方です。」
「安心しろ。これをくれてやる。」
そう言って、妖力弾のような翡翠色の玉を渡される。
見ていて吸い込まれるような、美しい玉だ。
「それは、魂。力を蓄えられる玉だ。身につけるとそのなかに蓄えられているだけの妖力を使えるようになる。」
「そんな便利なもの、いただいていいんですか?」
「あぁ、私は使わない。大丈夫、使い方はしっかり教える。」
「...何か企んでます?ここでいう神様を使って。」
17年間で培った、『人の顔を伺う』というのは、決して自分を裏切らないな。
「そんなに顔に出ていたか?」
「顔を見るのは得意でして。」
「...いつかは話さないといけないことだったが、こんなに早く話すことになるとは。」
そうため息をついて、重々しい空気で話が進む。
「天界には王がいてな。名はリスト。こいつが今、四界を巻き込む戦争を企んでいるんだ。」
「人間まで巻き込む!?けど、なんでそんなことを知って?」
さっきから不自然なのは、一妖人のエラーがなぜそこまで昔のことから今までの情報を知っているか、だ。
そう、私は疑いながら会って間もないエラーを少し睨んだ。
「昔、天界が仕込んだ妖界と魔界での大戦争が起きてな。その激しい衝突で生まれたのが私で、その戦争も私が治めた。それ以来、あんなことが起きないよう、天界の監視を行なっている。」
疑いは疑問へと変わり、完全に厨二心を鷲掴んで、体をうずうずさせている。
「すごい人じゃないですか....。何者なんですか?エラーは。」
「あぁ、その紹介を忘れていたな。私は妖怪でもなく魔人でもなければ人間でも天使でもない....」
「妖魔人だ。」
2話ご覧いただきありがとうございます!
小説の頭をどう書き始めればいいか悩んだ結果、このような書き出しになりました!
書き方は少し読みづらい部分もあるとは思いますが、ストーリーは頑張って飽きないような構成にしていけたらと思います!
そして改めて、漫画家さんや、小説家さんの凄みを感じました.......。




