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バス停

まだまだ初心者の執筆となります。


拙い文章ですが、お許しください。

誤字脱字設定不足等、多々あるかと思いますが、誤字脱字に関してはご指摘いただけると助かります。

思いつきなので設定等、途中で変わるかもしれません。

仕事がありますので遅筆になるかと思います。


これは『近所に勇者が引っ越してきたようです(仮)』の構成の変更と加筆をした"お試し改訂版”となります。

続けていくかどうかは今のところ未定です。

 *要望が多ければ加筆・一部変更を加えつつ続けていきますので、ブクマや感想、メッセージ等を頂ければと思います。



『近所に勇者が引っ越してきたようです(仮)』 https://ncode.syosetu.com/n3333dx/ 2017.12.28 完結しました。


『カースブレイカー 呪われた世界の嘘つき救世主』 https://ncode.syosetu.com/n5267el/ 2017.12.26 連載開始しました。


合わせてご覧ください。



よろしくお願いします




むかしむかし


はるかむかし




なかのよかった ”りゅう”が


 とつぜんまちで あばれました




まちのひとたちは にげました


 なかよし だったのに




まちのひとたちは にげました


 おともだち だったのに




まちのひとたちは にげました


 なぜときいても こたえてくれませんでした




みかねたおおさまが


 ゆうしゃを よびました




おおゆうしゃよ


 あの”りゅう”を とめてほしい


 あの”りゅう”を たおしてほしい




ゆうしゃたちは たちあがりました





そしてゆうしゃたちは ”りゅう”をたいじしました





するとまちに へいわがおとずれました




まちのひとたちは よろこびました


 たすかったと




まちのひとたちは かなしみました

 

 ”りゅう”がしんだと




それから ひとたちは


 ”りゅう”とは なかよしになれませんでした




しかしひとたちは


 ”りゅう”と けんかもしませんでした





”りゅう”は へいわがいいと


 ひとと ひととの けんかを しずめました



でもなかよしには なれませんでした



まちのひとたちは さみしくおもいました




でもまちには へいわがおとずれました




”りゅう”とは おともだちになれませんでしたが


 まちには へいわがおとずれました




いつか”りゅう”と おともだちになれるひは くるのでしょうか


いるか”りゅう”と なかよしになれることは あるのでしょか



それはだれにも わかりません




でも そうなれば もっといいのにな




ひとはみな そうなるひが


 いつかくると しんじました




そんな むかしむかしの おはなしでした






― * ― * ― * ― * ― * ― * ― * ―






その日、朝から具合の悪そうだった職場の先輩が定時で先に帰社してしまい、内容の確認をしてもらえない為に四苦八苦しながら報告書を書き上げ係長に漸く受け取って貰い、帰途につけたのは20時半を過ぎていた。



新入社員としてこの会社に入り、約半年。


職場の雰囲気には慣れてきたけど、仕事は毎日新しい事ばかりで、まだまだ教えて貰いながらでないと難しい事ばかりだ。



鷹山朔也(たかやまさくや)22歳は文系四大を卒業して設備製造会社の営業に入る事が出来た...のだが、致命的な失敗をしたようだ。


自分が思ってた以上に、機械モノが苦手だったのである。


客先と設計部との橋渡しが仕事なのだが、部品の名前からして分からなかった。

そして、その部品をどうして欲しいのかって事も上手く伝わらない。



一度だけ気分転換に昼休みに一人屋上へ上がって隅っこでコンビニ弁当を食べていた時、後からやって来た人事部の人たちが朔也に気付かずに、今年の新入社員は皆にハズレだって言われている!冬のボーナスに響きそうで怖い!と愚痴っているのを聞いてしまった。


それもあって辞めた方が良いのか真剣に悩んでいると、先輩が頑張れ!辞めるなよ!と親身になって仕事を教えてくれている。

そんな先輩の為にももう少し頑張ろう、と思ってた矢先の事だった。




遅くなってしまったなぁ、と制服である作業着の上に軽い上着を羽織ってバス停に急ぐ。

10月に入り、夜は流石に肌寒く感じる。


この時間帯からはバスが30分に一本から更に少なくなるので、次の21時前のバスに乗り遅れると家に着くのは22時近くになってしまうので乗り逃がす訳にはいかないと社屋を駆け足で出る朔也。



会社の直ぐ傍のバス停に急ぐと、同じ作業着の人がもう一人、ボ~と街灯を見上げて立っていた。


ズボンに少し油汚れが付いているのが目に入る。

確か現場...組付けの人だったよな、と横顔を見て微かに残る記憶を引き出そうとしたが、声を掛ける事も無いから良いか、とそれを止めた。


他に人もいないのでその人から少し離れた所で立ち止まって、早く車を買って車通勤したいなぁと前の人に釣られて街灯の光に群がる小さな虫を見上げながら考える朔也。

季節柄、大きな虫の姿はもう無く、辛うじて季節外れの蚊の様な虫しかいない様だ。

まだ来ないバスが気になってふと時計の針を確認しに下を向いた直後に、周りの風というか空気が変わった気がした。



えっ!?停電!?



バス停の上にあった街灯の光が消えて月明かりだけになった事に驚き、ふと顔を上げると何故か森の中にいた。



えっ!何故?



訳が分からない。


会社からバス停まで徒歩3分、ハッキリ言って会社からバス停が見える距離だ。

確かに会社の周りには山がある。


そう、このバス停の脇にも山があるのだが、それは反対車線側だった筈である。


流石に帰り道とは逆であるそちらに並ぶ程ボケてはいない筈だし、その山へ無意識の内に入ってしまう程馬鹿でもないと思いたい。


そして周囲には淡い光の粒が見える。

...蛍の時期とは違うだろうし、この辺りに沢はなかった筈。



理解出来ずに固まっていると、目の前の茂みからカサカサと何かが動く音がした。



ビクッ!!



確認するべきか、直ぐにでも離れるべきか...。



朔也が判断したのはその場から離れる事。

バス停にいた筈が、こんな所に立っている事に戸惑うしかないが、状況が掴めない今は少しでも危険から離れるしか無いと判断した。


音のする方向の反対側へ、音を立てないように移動する朔也。



これからどうしよう。



離れた後に思案する。

すると、遥か先にほんわりと明かりが見えた。


明かりがあるという事は人がいる可能性がある。

なくても人工物がある筈だ。



何でも良いから手掛かりが欲しい。


此処が何処なのか。


何故こんなところにいるのか。



足元や周りに注意しながら、その明かりに向かって静かに、そして大胆に進む。

焦る気持ちを抑え走る。


すると、それが何なのかが次第に分かってくる。



焚き火だ。


って事は...いた。

人だ、それも3人!



よく見ると、一人は火の番、二人は寝ているようだ。


が、変化があった。

火の番が立ち上がって、棒のような物を手に持って構える。


続いて残る二人が起き上がった。



あれ?何かおかしくないか?



朔也は歩を緩める。

すると、火の番をしていた人が叫んだ。




「止まるな!走れ!早く!こっちだ!」




えっ?何?僕に言っているの?



「何してるっ!後ろを見ろ!早くこっちに!!」


「...え?」

振り向くとそこに大きな熊。




く、熊?熊!熊だあぁぁぁぁ!!!




朔也は焚き火のある方へと、なりふり構わず走った。


すると、棒のような物を持った人が、それを構えこちらへ向かってきた。



「そのまま走り抜けろ!!」



その人はすれ違い様にそう叫ぶと、熊に向かっていく。

朔也は走りながら、その人を目で追う。



あ、あれは脇構え?

いや、その前に手にしているのは...()!?



熊とその人が激突...する前に熊から血飛沫が上がった。

その人が手にしていた()を振り抜いたからだ。


そのまま、呆気なく倒れる熊。



助かった...のか。



安堵から、その場にへたり込む朔也だった。




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『近所に勇者が引っ越してきたようです(仮)』
~2017.12.28 完結しました。

『Bi-World ~どうやら夢の中は呪われた異世界のようです~ (第二部)』
2018.5.08~ 連載開始しました。

お時間ありましたら、合わせてご覧ください。
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