表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/16

王城への侵入

 牢獄を抜け出したセレスティアとルードは、王城の外へと続く地下通路を進んでいた。

 長い石造りの道は湿気に満ち、壁には苔が生えている。


「この先を抜ければ、王城の庭園に出るはずです。」


 ルードが低く呟く。

 彼はまだセレスティアの新たな姿に完全には慣れていなかったが、主への忠誠は揺るがない。


「庭園に出れば、一旦身を隠す場所を探すわ。正面から攻めるにはまだ時が早い。」


 セレスティアは冷静に戦略を考える。

 今の彼女は強大な闇の魔力を手に入れているが、それをただ無謀に使うつもりはなかった。


 だが、運命はそんな彼女を待ってはくれなかった。


「侵入者発見! 止まれ!」


 突然、兵士たちの怒声が響く。

 すでに逃げた牢獄からの異常が伝わっていたのだ。


「やれやれ……予定より少し早いわね。」


 セレスティアは黒いマントを翻し、ゆっくりと振り返る。

 彼女の指先に再び黒い炎が宿る。


「どうなさいますか?」


 ルードが剣を構える。


「殺すか、恐怖で追い払うか……」


 セレスティアは少し考え、微笑んだ。


「少し遊びましょう。」


 彼女の瞳が深紅に光る。

 次の瞬間、黒い魔法陣が地面に広がり、兵士たちの足元から漆黒の手が這い出した。


「うわっ……!」

「な、なんだこれは……!」


 兵士たちは恐怖に包まれた。

 彼らの足を掴む黒い手は、まるで亡霊のように呻きながら、彼らを地面へと引きずり込もうとしている。


「これは……闇の呪縛。」


 セレスティアは優雅に歩を進めながら囁いた。


「私の力を恐れるがいいわ。」


 兵士たちは次々と恐怖に耐えきれず、武器を手放し逃げ出していく。


「ふん、雑魚ばかりね。」


 セレスティアは不敵に笑い、手を振ると闇の手が霧散した。


「さあ、王城へ向かいましょう。」


 闇の魔術師の復讐劇は、まだ始まったばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ