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王の真なる力、神威の剣

 王城の夜空に、黄金と漆黒の魔力がぶつかり合う。


 セレスティアと王。


 それは単なる復讐の戦いではなく、王国の未来を決める決戦だった。


 王の剣から放たれる聖なる光が、周囲の闇を切り裂く。


「――《聖王の審判》!」


 再び光が奔り、セレスティアを狙う。


「そんなもの……!」


 セレスティアはすぐさま闇の障壁を展開する。


「――《奈落の障壁》!」


 だが、王の力は予想以上だった。


 光の刃は障壁を貫き、セレスティアの腕をかすめる。


「……ッ!」


 焼けるような痛みが走る。


(この力……今までのどの敵よりも強い……!)


 彼女は歯を食いしばりながら後退し、距離を取る。


 王は静かに剣を構えながら言った。


「貴様は強い。だが、それだけだ。」


「……?」


「私が王である理由は、貴様のような者を統べる力を持つからだ。」


 その言葉とともに、王の体からさらに強烈な光が放たれる。


「――《神威の剣》!」


 突如、王の背後に巨大な魔法陣が展開される。


 そこから現れたのは、一振りの神々しい剣だった。


 黄金に輝き、周囲の空気すら震わせるような威圧感。


「これが……王の本当の力……!」


 セレスティアは息を呑んだ。


 王は満足げに微笑みながら剣を握る。


「この剣は神から授けられたもの。闇の力など、この前では無意味だ。」


 王が剣を振るうと、黄金の波動が広がり、空間を歪ませた。


「来る……!」


 セレスティアは即座に闇の翼を展開し、空へと舞い上がる。


 次の瞬間、地面が裂け、大爆発が起こった。


 王の一撃が、広範囲を破壊するほどの威力を持っていたのだ。


「なんて力……!」


 セレスティアは空中で体勢を整えながら考える。


(このままでは押し切られる。ならば……!)


 彼女は手をかざし、黒炎を集約させる。


「――《冥府の解放》!」


 黒炎が竜の形を成し、王へと襲いかかる。


 しかし、王はまったく動じない。


「無駄だ。」


 王が剣を振るうと、黒炎の竜が一瞬でかき消される。


「……!」


 セレスティアの表情が険しくなる。


(これは……想像以上に厄介ね。)


 彼女は地上に降り立ち、冷静に戦略を練る。


「ルード!」


 セレスティアは叫んだ。


 遠くで戦況を見守っていたルードが即座に反応する。


「はい!」


「私が隙を作る。その間に、王へ攻撃を仕掛けなさい!」


「承知しました!」


 ルードは剣を握り、王へ向かって駆け出す。


 セレスティアは再び空へと舞い上がり、魔力を最大限に解放する。


「――《奈落の咆哮》!」


 漆黒の衝撃波が王を襲う。


 王は剣を掲げ、それを迎え撃つ。


 しかし、その瞬間――。


「今だ!」


 ルードが王の背後に回り込み、剣を振るう。


「――《影刃一閃》!」


 その一撃が王の肩を捉える。


「ぐっ……!」


 王がわずかに苦悶の表情を浮かべる。


「やった……!」


 ルードが確信した瞬間、王の剣が輝きを増した。


「甘いな。」


 次の瞬間、ルードの体が光に包まれる。


「ルード!」


 セレスティアが叫ぶが、光が炸裂し、ルードが吹き飛ばされた。


「ぐっ……!」


 彼は地面に叩きつけられ、動かなくなる。


「ルード……!」


 セレスティアは歯を食いしばりながら王を睨みつける。


「王よ……あなたは、本当に愚かだわ。」


「何……?」


「あなたが持つその力……それこそが、この国を滅ぼすのよ!」


 セレスティアの魔力が再び膨れ上がる。


「私は絶対に負けない!」


 王もまた、剣を構える。


「ならば、その意地ごと断ち切ってくれる!」


 光と闇。


 二つの力が、最後の激突を迎えようとしていた。

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