王の親衛隊、絶対防衛線
王城の夜空に黒炎が燃え上がる。
王の命令を受けた親衛隊が、統率の取れた動きでセレスティアを包囲する。
黄金の鎧に身を包み、彼らは王国最強の兵士たち。
「我ら王の盾、王の刃なり。」
隊長の声が響き渡ると、親衛隊の剣が一斉にセレスティアへと向けられた。
「その身をもって、王の威光を知れ!」
次の瞬間、戦場は動いた。
黄金の刃が光を放ち、セレスティアを狙う。
しかし、彼女は悠然と微笑みながら手を掲げた。
「――《奈落の障壁》」
闇の魔法陣が瞬時に展開され、黄金の剣が触れると霧散する。
「なっ……!」
親衛隊の兵士たちが動揺する間もなく、セレスティアは反撃に転じた。
「私を甘く見ないことね。」
彼女の足元から無数の黒い槍が伸び、親衛隊を貫こうとする。
「くっ……防御陣形を維持しろ!」
隊長が叫び、親衛隊が素早く陣形を変える。
黄金の盾が組み合わされ、黒槍を受け止める。
しかし、セレスティアの攻撃は止まらない。
「――《影縛の鎖》」
闇の鎖が地面から伸び、兵士たちの足を捕らえる。
「動きを封じたわ。次は……。」
彼女が魔力を込めると、黒炎が兵士たちを包み込んでいく。
「ぐああああ!」
親衛隊の一部が崩れ落ちる。
「強すぎる……!」
兵士たちは必死に耐えるが、次第に崩壊しつつあった。
「王様……!」
残された兵士が王へと視線を向ける。
しかし、王は動じず、玉座の前で腕を組んでいた。
「……まだ終わらぬ。」
彼は低く呟くと、ゆっくりと立ち上がった。
「私自らが出る。」
その言葉と共に、王の周囲に黄金の魔法陣が展開される。
「王自ら戦うの……?」
セレスティアが警戒を強める。
王の体が眩い光に包まれ、彼の剣が神々しい輝きを放つ。
「貴様に分かるか、この王の力が。」
王が剣を振るうと、光の刃がセレスティアに襲いかかる。
「――《聖王の審判》!」
凄まじい光が闇を切り裂き、セレスティアを包み込む。
「ぐっ……!」
黒炎が吹き飛ばされ、彼女は後退する。
「これは……ただの王ではない……!」
セレスティアの目が鋭く光る。
王は満足げに笑みを浮かべた。
「貴様の力は認めよう。しかし、王たる私を倒せると思うな!」
再び光が放たれ、戦場が輝く。
セレスティアと王の決戦が、今まさに始まる――。