表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいとしか喋れなくなった勇者に世界は救えるのか?  作者: らいとふっと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/89

巨乳、ぶっ刺される!

 

(カマトト神官にクソ乳女……何の用かは知らないけど、今は構ってる場合じゃないわね……。 あのクソビッチから、私の大事なクレイを助けるのが先決よ……!)


 クレイを訪ねて来たと語る二人の少女の事より、サラは自らの使命を果たさねばならないと考えた。



「と、とにかくクレイは留守ですので! 私も出掛けますから……それじゃあ!」


 そう告げるや否や、サラは足早に走り去ってしまうのだった。




「行っちゃいましたね……。 どうしましょうか、ナリア様?」


「どうもこうも、後を追うに決まってます!」

(アンタ、馬鹿なの? 栄養が頭じゃなくて全て無駄な脂肪に吸収されてんじゃないの、まったく!)


 呑気なルーネに苛つきながら、サラの尾行を開始するナリア。


 許嫁と名乗った少女、サラはおそらく……勇者クレイの元に向かったに違いない。

 何を勘違いしたのか、見目麗しいナリアに嫉妬して会わせたくない、そんなところだろう。



(あんな変態に、この私が好意を寄せる筈がないっつーの! 餌はこのルーネ(無駄な脂肪)よ!)


 サラを追って駆け出したナリアに、慌ててルーネも続くのであった……。




 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢




「此処ね、クレイを(たぶら)かしたクソビッチが居るのは……!」


 サラがやって来たのは、娼館。

 勿論ながら、クレイがティアを身請けした事は知る由もない。



「失礼しまぁす!」


 物怖じもせず、サラは娼館の扉を開けて中に入って行く。



「いらっしゃ……、ん? 姉ちゃん、此処はアンタみたいな子供が来る場所じゃないぜ?」


 受付の男はサラにそう告げる。



「ティアは居ますか? ちょっと用件があるんです!」


「ティア……? ああ、ティセの事か。 あの娘なら昨日、身請けされて連れて行かれたぜ?」


「み、身請け……? ティアが、ですか?」


「ああ。 若い兄ちゃんが大金を持って来たんだよ」


 若い兄ちゃん……?

 まさか、クレイの事なのだろうか?


 だが、娼婦を身請け出来るだけの大金、クレイがいきなり用意出来るとは思えない。

 いったいどういう事なのか、サラにも皆目見当がつかない。



 受付の男に礼すら言わず、サラは娼館を後にした。



 クレイが、クソビッチを身請けした?

 いや、普通に考えてもそんな事が出来る訳がない。



「クソビッチが……クレイを利用した?」


 そうだ、そうに違いない。


 今のクレイの実力ならば、冒険者ギルドで高難度なクエストでも(こな)せる。

 それを前金で引き受けさせ、身請けさせる……つまり、勇者の力を悪用した?



(あのクソビッチだけは許せない、絶対に許せないわ……!)


 ティアが如何にして身請けされたのかを、強引に解釈をした上、勝手に怒りを燃やすサラ。

 クレイを愛するあまり、完全にメンヘラ&ヤンデレを加速させてゆく。




「あれ……サラ? どうしたの、こんな所で?」


 掛けられた声に顔を上げると、そこに居たのはティアであった……!



「捜したわよ、このクソビッチ……!」


「酷いなぁ! でも、アタシはもう娼婦じゃないんだよ?」


「今さっき、中で聞いたわ……クソビッチ」


 名前ですら呼んでくれない冷たいサラの態度には、流石にティアの表情も曇ってしまう。



「あはは……。 あ、此処には忘れ物を取りに来たんだけど、アタシに何か用が有ったの?」


 それでも、ティアは笑顔を作ってサラに問い掛ける。





「あの二人、何か揉めてますよ?」


「勇者を巡っての痴情の(もつ)れ……そんな感じね。 もう少し様子を見ましょう……」


 娼館の脇に身を潜めていたのは、ナリアとルーネ。

 こっそりとサラ達のやり取りに聞き耳を立てていた。




「ねぇ、聞きたいんだけどさ? クソビッチなアンタ如きの身請けをクレイがしたって、本当なの?」


「うん、そうだよ。 クー君がね、剣を売ってくれて……」


「はぁ!? 聖剣を……売った……!? クソビッチの為に……!?」


 ティアの説明を遮り、サラは明らかに怒りに満ちた声をぶつける。


 女神に選ばれたクレイが賜わった聖剣クールタン。

 云わば、あの聖剣こそが勇者たる証。


 娼婦から解放させる為の金策にクレイを利用し、聖剣を売却させた……。

 勝手にそう解釈したサラの怒りの炎は、激しく燃え滾る。



「あの剣が凄く高く売れてね、それで……」


「クソビッチ、殺す……」


「えっ?」


「殺す……殺す……殺すッ!」


 何度もそう呟きながら、サラは懐に忍ばせていたナイフを取り出した……!

 即効性の猛毒が塗られたナイフである……。




「ナリア様、アレっ……あ、危ないですよぉ! どうしましょう!?」


 突然ナイフを(かざ)したサラの姿に、ルーネはあたふたと慌てふためく。



「そうね、ルーネが止めに行ったらどう?」


「えっ?」


「はい、いってらっしゃい!」


 突如、ナリアはルーネの背中を強く押した。



「あわわわっ! ナリア様っ?」


 バランスを崩したルーネは、そのまま二人の方に向かって行き……。



「殺すッ……このクソビッチがぁッッッ!」


 雄叫びと共にティアに肉薄したサラ。


 その二人の間に、押し入る様にルーネの身体が割り込み……。



 グサリッ!


 サラの猛毒が塗られたナイフは、ルーネの胸元に突き刺さっていた……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ