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第14話:「訓練その2」後編

ビルの屋上で繰り広げられる激しい戦闘。隼風と白瀬はセシリアの強大な攻撃に翻弄されていた。


「これじゃ近づけない!」

隼風は額の汗を拭いながら、セシリアの放つ光弾を避けていた。白瀬もまた、飛び散るエネルギーを氷の壁で防ぎながら、隼風に声をかける。


「隼風、彼女の能力には何か弱点があるはずよ。どんな能力も、絶対に隙はある!」


「でも、どこに隙があるんだ?このままじゃジリ貧だぞ!」

隼風は歯を食いしばりながら叫んだ。


その時、ペンギンが白瀬の肩から「クエッ!」と短く鳴いた。


「……そうね。ありがとう。」

白瀬はペンギンを撫でながら、小さく笑みを浮かべた。


「隼風、気づいたわ。彼女の詠唱を妨害すれば、攻撃が止められる可能性がある。セシリアが技を使う前、必ず言葉を発してるのが分かる?」


「ああ、確かに。じゃあ、それを止める方法を考えれば……!」

隼風の目が輝きを取り戻した。


「ここで私たちの能力を組み合わせるのよ。」

白瀬は冷静に作戦を提案する。

「ペンギンに極小の氷の粒を作らせる。それを隼風の風で拡散させ、彼女にぶつけるの。冷たい空気と氷で彼女の息を妨げて、詠唱を阻止するのが狙いよ。」


「なるほど、それなら行けるかもしれない!」

隼風は力強く頷き、白瀬とアイコンタクトを交わした。

「よし、やってみよう。」


作戦実行


隼風が風の流れを作り出す中、白瀬はペンギンに指示を出した。

「小さいけど、効果的な氷をお願いね。」

ペンギンは真剣な表情で口を開き、極小の氷の粒を次々と吐き出した。


「隼風、準備はいい?」

白瀬が確認すると、隼風は鋭い眼差しで「いつでも行ける!」と返した。


氷の粒が風に乗り、セシリアの方向へ吹き付けられる。無数の氷の粒が光の中で煌めきながら、彼女の周囲に冷たい空気を送り込んだ。


「これは……何!?」

セシリアが驚いた表情を浮かべた。冷たい空気が喉元を凍らせるようにまとわりつき、詠唱の声が次第に途切れがちになる。


「今だ!」

隼風はその瞬間を見逃さず、全力で突撃した。


白瀬は隼風をペンギンの力で投げるように加速させ、隼風は空中で風を巻き起こしながら一気にセシリアに接近する。そして――


「疾風一閃!」


隼風の全力の一撃がセシリアを直撃。光と風がぶつかり合い、激しい衝撃音が響き渡った。


勝利の瞬間


セシリアが膝をつき、地面に手をついた。

「まさか、ここまでの連携を見せてくれるとは……私の負けね。」


隼風と白瀬は息を切らしながらも、互いに微笑み合った。

「なんとかなったな……」


白瀬は頷き、ペンギンを撫でながら「あなたのおかげよ」と感謝を伝えた。


戦闘後のフィードバック


訓練場の控室で、セシリアと葵生が戦闘の様子をホログラムで振り返っていた。


「……冷静に連携を見直して、状況を打破する作戦を立てたのは素晴らしいわ。」

セシリアは淡々とした口調で評価した。

「特に白瀬さんの提案力と、隼風さんの即応力が際立ってた。」


「まあ、そこは認めるけど……」

葵生は腕を組みながら口を尖らせる。

「でも、紗彩姉さんが言ったみたいに私を使えばもっと楽に勝てたかもしれないって思うんだよね。」


セシリアは軽く笑いながら首を振った。

「あなたが戦闘を嫌がるのは知ってるけど、それでも自分なりの意見を出した方がいいわよ。彼らには、それを活かせるだけの柔軟さがあるんだから。」


「……まあ、次は考えておきますよ。」葵生は少し照れ臭そうに視線を逸らした。


「ともあれ、良い連携だったわ。第20班、これからが楽しみね。」

セシリアはそう言って微笑み、ホログラムを閉じた。


訓練終了


模擬戦が終了し、第5班と第20班のメンバーは訓練室に集まり、今回の戦闘を振り返っていた。隼風と白瀬の連携が功を奏し、セシリアに勝利したことは、チーム全体に自信をもたらしていた。


「隼風、白瀬、見事な連携だったな。あの氷と風の組み合わせ、なかなかのものだ。」

末政が微笑みながら言った。


「ありがとうございます、末政さん。でも、セシリアさんの攻撃は本当に強力だった。最初の一撃で心が折れそうになりましたよ。」

白瀬が肩の力を抜きながら答える。


「確かに、あのエネルギー攻撃は驚異的だったな。でも、二人の冷静な判断と連携が勝利を呼び込んだんだ。」

隼風が頷く。


その様子を見ていた千紗は、「二人とも、いいコンビネーションだったね。私たちも見習わなきゃ。」と笑顔で声をかけた。


「葵生、今回の戦闘を見てどう思った?」

隼風が葵生に問いかける。


「うん、兄さんたちの連携は素晴らしかったと思う。でも、セシリアさんの詠唱を止めるための作戦は、もっと早く気づけたかもしれない。次回は、敵の能力を早期に分析して対策を立てることが重要だと思う。」葵生が冷静に分析する。


「さすが葵生、的確な指摘だな。次の訓練では、もっと迅速に情報を共有して対応しよう。」

隼風が感心した様子で答える。


「それにしても、紗彩ちゃんが参加していたら、また違った展開になっていたかもね。」

セシリアが笑いながら言う。


「そうですね。紗彩の能力もチームにとって大きな力になります。次回はぜひ一緒に戦いたいですね。」

隼風が微笑む。


紗彩は少し不満げに、

「私も葵生と一緒に戦いたかったのに…。次こそは絶対に参加するから、覚悟しててね。」

と意気込んだ。


葵生は苦笑しつつ、

「姉さん、私は戦闘は得意じゃないって言ってるだろ。でも、みんなの戦い方を見て、色々と学べたよ。次の作戦立案に活かせそうだ。」

と冷静に答えた。


「みんな、お疲れ様。今回の訓練で得たものを次に活かして、さらに強くなろう。」

末政がチーム全体に呼びかける。


「はい!」

メンバー全員が力強く応じ、その場の雰囲気は一層引き締まった。


こうして、第20班のメンバーは互いの絆を深め、次なる戦いに向けて士気を高めていった。


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